58kgを小指で軽くワンハンド・プレス
[ 月刊ボディビルディング 1968年9月号 ]
掲載日:2017.11.28
窪田登氏が初めて公開した力わざ
「おもしろい余興を見せましょう」
ヤブから棒にクボさんがいいたした。“ クボさん”とは、国立競技場トレーニング・センターの主任コーチでおなじみの窪田登氏のことである。何事かいナ、と彼のあとについてトレーニング・ルームにはいると、彼は練習生の1人を招きよせて、帯がわりに手ぬぐいを腹にかたく巻かせた。この練習生を小指1本で頭上にさし上げてみせる、というのである。これはみものというわけで、たちまちまわりに人垣ができた。
クボさんは、やおら右手の小指を帯の下にさしこむと、“ イヤーッ”とひと声。アレヨアレヨというまに、バーベルならぬ練習生の体がフワリと宙に浮き上がった。あざやかなストリクト・スタイルの小指によるライト・ハンド・プレスである。
あとでこの練習生の体重を測ったら57.8kg。「手ぬぐいがありますから、まあ58kgですね。60kgまでは軽いですよ」と、ケロリとした顔でいうクボさんは今年38才。長年ウェイト・トレーニングで鍛えこんだ彼の体力はまだまだ衰えを見せていないナ、と感心もし、アキレもしたしだい。
ヤブから棒にクボさんがいいたした。“ クボさん”とは、国立競技場トレーニング・センターの主任コーチでおなじみの窪田登氏のことである。何事かいナ、と彼のあとについてトレーニング・ルームにはいると、彼は練習生の1人を招きよせて、帯がわりに手ぬぐいを腹にかたく巻かせた。この練習生を小指1本で頭上にさし上げてみせる、というのである。これはみものというわけで、たちまちまわりに人垣ができた。
クボさんは、やおら右手の小指を帯の下にさしこむと、“ イヤーッ”とひと声。アレヨアレヨというまに、バーベルならぬ練習生の体がフワリと宙に浮き上がった。あざやかなストリクト・スタイルの小指によるライト・ハンド・プレスである。
あとでこの練習生の体重を測ったら57.8kg。「手ぬぐいがありますから、まあ58kgですね。60kgまでは軽いですよ」と、ケロリとした顔でいうクボさんは今年38才。長年ウェイト・トレーニングで鍛えこんだ彼の体力はまだまだ衰えを見せていないナ、と感心もし、アキレもしたしだい。
[ 月刊ボディビルディング 1968年9月号 ]
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