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大胸筋の運動種目 ~ 経験者のための練習種目 集中的トレーニング法 ~

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[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]
掲載日:2017.11.30
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ディブ・ドレーパー
 長いことボディビルの練習をやっていると、初めのようにめだった発達が見られなくなったとか、同じような練習内容を反復するので練習に対する意欲がうすれてしまった、という声をよく耳にします。このような状態を乗り切る一方法として、集中的トレーニング法というものがあるのを、皆さんはご存知ですか。これは、体の筋肉を胸、背、肩、腹、腕、脚などの各部分に分け、それぞれ一つの筋肉に対して4〜4種目の運動を集中的に行なうものですが、これで、その筋肉は多方面から刺激があたえられて、いやでもパンプアップし、発達が促進されるのです。では、この集中的トレーニングの運動種目として、今月はまず大胸筋の運動からご紹介していきましょう。

ベンチ・プレス

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 ボディビルの練習種目のうちでも、とくにビルダーに愛好され、また効果の大きい種目です。

▲ 方 法

 ベンチにあおむけに寝て、バーベルを肩幅より少し広めに握ります(写真①)。そして腕をまっすぐにのばし、息を大きく吸いながら胸の中央におろし(写真②)、そして息をはきながらバーベルをもち上げます。

▲ 注 意

 バーベルをもち上げるとき、胸にぶつけたり、ブリッジなどをして反動を使わないこと。最小の労力で最大の効果をあげるには、正しいフォームで行なうことが一番です。運動中両足をべンチ台の上にのせて、下半身の力を抜き、上半身のほうを意識して運動を行なえば、いっそう効果があるでしょう。とにかく
むだな力は抜き、主働筋を意識しながら、ゆっくりと行なってください。

▲ セット数と回数

 8〜10回を1セットとして、5〜8セットがよいでしょう。8〜10回できる最大の重量
を使います。

▲ 効 果

 大胸筋全体にききますが、同時に、三頭筋や三角筋にも効果があります。手幅とおろす位置をいろいろに変えてみるのもおもしろいと思います。

ラタラル・レイズ

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 ダンべルを使って行なうので、バーベル運動よりも運動範囲が大きく、より効果的です。

▲ 方 法

 肩に必要以上に力を入れず、できるだけ肩と腕を下におろすようにして、大胸筋がひっぱられるような感じになるまで、息を吸いながらダンべルを下におろしていきます(写真③)。そして、上げるときも、ゆっくりと、大胸筋を意識し、息をはきながら、元の位置にもどします(写真④)。

▲ 注 意

 運動中、ひじは少しまがるくらいにしてもかまいません。手首は内側にまげるようにして行ない、とくに元の位置にもどすときはゆっくりと、途中で一時とめるような気持で行なえば、いっそう効果があります。ただ、元にもどすときに、よくひじをまげて、ダンべル・ベンチ・プレスのようなフォームになる人がいますが、大きいフォームでひじが必要以上にまがらないようにし、ひじの角度が変わらないように気をつけてください。

▲ セット数と回数

 初めのうちは、軽い重量で1セット12回くらい行ない、慣れてきたら、重量を増して1セット8〜10回で4〜6セットくらい行なえばよいでしょう。

▲ 効 果

 大胸筋全体ですが、とくに元にもどすときに、しぼり上げるような感じで行なえば、比較的発達しにくい内側の筋肉にも効果が及びます。
解説:遠藤 光男(錦糸町ボディビル・センター)
モデル:湯浅 正夫(錦糸町ボディビル・センター)
[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]

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