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有酸素運動のメリットとデメリット

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掲載日:2021.11.25
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

今回のテーマは「有酸素運動のメリットとデメリット」です。
ボディメイクコンテストのダイエットで有酸素運動の話になると有酸素運動肯定派、否定派の話題になります。私もコンテストに出ていた頃は有酸素運動をダイエットの軸に取り入れたり全く取り入れなかったりと色々と試していましたが、今回は有酸素運動のメリットとデメリットを紹介することで有酸素運動を身体作りに有効利用して頂ければと思います。

有酸素運動と無酸素運動

まず有酸素運動とは単的に言うと運動で筋肉を収縮させるエネルギーに酸素を使う運動です。ウォーキング、ジョギング、自転車漕ぎなど、ある程度ゆっくり持続できるペースで低強度から中強度の心拍数の運動を行うことです。エネルギーとして糖と脂肪を使います。
対照的なのが、無酸素運動の筋トレやダッシュなどで、運動中に酸素を使いません。エネルギーとして糖とクレアチンリン酸を使います。短い時間で瞬発的パワーを使う、強度の高い運動になります。

有酸素運動のメリット

有酸素運動には下記のメリットがあります。

1. 心肺機能向上
2. 生活習慣病予防・改善
3. 睡眠の質の改善・ストレス軽減
4. 体脂肪燃焼

①心肺機能向上

有酸素運動をすると、安静時と比べて運動時に大量の酸素を取り込むことにより、心臓と肺の心肺機能が向上します。
そして有酸素運動を継続すると、同じスピード、同じ距離を走っても心拍数が上がらないように適応していきます。
持久力が必要なアスリートにとってはこの能力の獲得は重要です。日常生活で疲れやすいなど、体力レベルが低い人はウェイトトレーニングだけでなく心肺機能も鍛える必要性があります。心肺機能向上で老後も心配ないさ!w

② 生活習慣病予防・改善

有酸素運動は体の糖質、脂質を利用して運動のエネルギーを作るので、生活習慣病の予防・改善ができます。
生活習慣病とは身体を動かさない生活に加え、食事で過剰に摂ったカロリーが使われず蓄積して下記のような症状が出ます。

• 糖尿病
• 高血圧
• 高脂血漿
• 高尿酸値


これらは悪化すると動脈硬化などを引き起こし、急性の深刻な機能不全になる可能性があります。
有酸素運動でこれらの病気を予防できるのはプライスレスですよね。

③ 睡眠の質の改善

有酸素運動をすると睡眠の質が上がります。
有酸素運動のような一定のテンポとリズムを刻みながら運動を行うと、幸福物質のセロトニンが増えます。セロトニンは気分の浮き沈みを安定させ鬱な気分を晴らします。ストレスに対する耐性能力も上がるのでイライラしたりしなくなります。
セロトニンの分泌が安定すると昼夜のバランスが取れて睡眠の質が深くなります。

④体脂肪燃焼

有酸素運動は体脂肪燃焼効果があります。有酸素運動のエネルギー回路の有酸素脂肪系が体脂肪燃焼に繋がります。
有酸素運動中は、体脂肪と酸素からエネルギーを産生し、ある程度長い時間行う必要がありますが、1時間あたり下記のような消費カロリーの平均値になります。(※体重、筋肉量、トレーニング習熟度によっても消費カロリーは変化します)

• ウォーキング:200~300kcal/h
• ランニング:480kcal/h
• 水泳:700~900kcal/h
• 踏み台昇降:300kcal/h
• 縄跳び:560kcal/h
• クロストレーナー500kcal/h
• ステップマシン450kcal/h
• エアロバイク 300kcal/h


有酸素運動は他の様々なスポーツをやるよりも狙ったカロリー消費が1人で行えます。
私はステップマシンとランニングが好きなのでダイエット期間中は交互に行ってました。ここまでメリットがある有酸素運動をやらないのはもったいないです。

有酸素運動のデメリット

過度の有酸素運動には下記のデメリットがあります。

1. 遅筋繊維が増加、速筋繊維が低下、筋肉が太くなりにくい
2. 有酸素運動はUCP(脱共役タンパク質)を下げる
3. 有酸素運動の疲労がホルモンレベルを悪化させる

①過度の有酸素運動は速筋繊維よりも遅筋繊維が増えるので筋肉が太くなりにくくなります。これは短期間で筋肉を強く太くしたい目的の人にとっては、有酸素運動を加えることは最短距離での成長ではなくなってしまいます。
と言っても「過度の」有酸素運動ですので、有酸素運動の適量はまた後で説明します。

②有酸素運動をやり過ぎるとUCPを下げます。
UCP(Uncoupling proteinアンカップリング プロテイン)脱共役タンパク質のことで、UCPは身体の体温を担っているタンパク質です。
身体はエネルギーのATPを合成する時に熱などの無駄なエネルギーが出るのですが、UCPが高いとこの働きも多く、余分にカロリーを消費します。
有酸素運動をするとカロリーを効率よく使おうとする能力が身につくので、UCPが下がります。
例えばマラソン選手クラスの有酸素能力だとUCPが少ないので、普段何もしていない時の消費カロリーが低下します。マラソンを止めて、同じカロリーを摂ると太りやすくなります。ですので過度の有酸素運動で絞った大会後に有酸素運動を止めると太りやすくなるのはこの為です。

③過度な有酸素運動の疲労により、男性ホルモンであるテストステロンのレベルが低下したり、副腎皮質ホルモンの異化ホルモンでもあるコルチゾールが増加します。特にコルチゾールは筋肉を分解するだけでなく、腹部への体脂肪沈着を促す働きがあるので、1週間を通して疲労が溜まらない有酸素運動プログラムを組む事が大事です。

有酸素運動の適量

有酸素運動の適量を紹介します。

①レベル1: 1週間、3回、30分、1日置き、最大心拍数65%以下

②レベル2: 1週間、4回、30分、1日置き、最大心拍数70%以下

③レベル3: 1週間、5回、45分、脚トレの日は休む、最大心拍数70%以下


ダイエット中の低カロリーな状態で有酸素運動を行う場合、有酸素運動のデメリットを回避する為に、身体の反応を見ながら少しずつ量を増やして行くのが重要です。
低強度の有酸素レベルでは1日で疲労が回復すると言われていますので、最初は様子を見て、レベル1は一日置きの一週間に3回、一回30分を目安に行うといいです。
これを1ヶ月週間続けてみて、体脂肪減少が進めば、このトレーニング量で充分ですので、2ヶ月目もこの内容で行います。
もし1ヶ月変化がないようでしたらレベル2で有酸素運動を一週間に4回に増やすか、30分の中で少し早く漕いだり、負荷を重くしたり強度を上げます。
ダイエットのペースを上げたい時でもレベル3のMAXで一週間に5回、一回45分までです。これ以上運動量が増え過ぎるとウェイトトレーニングにも影響が出て疲労が増すだけです。過度な疲れは食欲が増したりしますので、後は食事調整とウェイトトレーニングで身体を絞ります。

まとめ

有酸素運動のメリットデメリット、いかがでしたか。今回あげたデメリットは毎日有酸素運動を沢山やってクタクタになると起こる可能性があるので、ダイエットを計画的に行い、自分の体力に合った有酸素運動の量を調整して、有酸素運動のメリットの恩恵を受けてください。これで有酸素やる気100%!

[筋肉勉強会vol.2] 筋トレのお得な8大メリット

  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝