フィジーク・オンライン

チートデイを科学的に知る

この記事をシェアする

0
掲載日:2022.01.20
記事画像1
フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
今回のテーマは「チートデイを科学的に知る」です。

チートデイとは

ダイエットをしていて順調に体脂肪が落ちて来たが、あるところで体脂肪の減少が止まってしまった。この時にどんな方法を取りますか?

①更にカロリーを落とす
②週に1回チートデイを設けてカロリーを上げる


正解は②番です。
カロリーを上げるの?と不思議に思いますが、低カロリーなダイエットメニューを続けていると身体は低カロリーに慣れてしまい代謝を鈍らせます。その鈍った代謝を少しでも戻すにはチートデイを設けるのが手段の1つです。
チートデイ(cheat day)は減量に抵抗しようとする脳を騙す狙いがあります。

チートデイの目的

チートデイには下記の効果があります。

①レプチンレベル低下を防ぐ
②甲状腺ホルモン低下を防止
③テストステロン低下を防止
④コルチゾールを抑制
⑤筋グリコーゲンの回復

ダイエットが停滞するメカニズムですが、この①〜⑤が関係します。特にカロリー制限をしていると、①のレプチンレベルが低下していきます。この脂肪細胞から分泌するホルモンのレプチンがダイエットの鍵なのです。レプチンは脂肪減少と食欲に深く関わってます。

レプチンと新陳代謝の関係

ダイエット初期→レプチン分泌量多→体脂肪燃焼→そのままカロリーダウンを続けると体脂肪低下→低カロリーに慣れる→新陳代謝低下→レプチン分泌量低下→脂肪燃焼停滞

ですので一度カロリーを上げて、身体を元気に代謝の良い状態にしてから、ダイエットをリスタートさせる必要があります。元気な身体が体脂肪を燃やします!

レプチンと食欲

レプチンは食欲に関与するホルモンでもありまして、「食べなくていいですよ!」という指令を与えるホルモンです。
細かく説明すると、食欲抑制ホルモンのレプチンは脂肪細胞から分泌して、脳の視床下部の満腹中枢に「満腹ですよ!」という指令を送ります。

レプチン:食欲を抑える→睡眠時間少ないとレプチン減少
グレリン:食欲を増加→睡眠時間少ないとグレリン増加

ストレスが多かったり、睡眠が十分取れていないと自律神経が乱れ、レプチンとグレリンが悪さをするので寝てください!睡眠不足は筋肉もつかないので、百害あって一利無しです。

レプチンとチートデイのタイミング

体脂肪が減るとレプチンレベルが低下して代謝が悪くなり、ダイエットを妨げます。そのため、目安としては①②どちらかの状態になったら意図的にチートを入れる必要があります。

①体脂肪が500g〜1kg減少したら
②体温(平熱)が0.2℃低下したら

ですので、①②で無い人は、チートを入れるのはチート待ってください!w

チートデイの頻度

体脂肪とチートデイの最適な頻度を見ていきましょう。

①体脂肪20%未満の人は7日に1回
②体脂肪20〜25%の人は10日に1回
③それ以上の人はチート無し
④体脂肪10%以下の人は場合によって5日に1回

体脂肪が低くなればなるほどレプチンの分泌量は減ります。つまり体脂肪が沢山あり、レプチン抵抗性の症状が出ていない限りはレプチンレベルはさほど低下しません。
ただ、レプチン以外の甲状腺ホルモンやテストステロンの低下や筋グリコーゲンの回復にはチートデイは有効ですので、ダイエットで過度の疲労が出る前にチートデイを入れてみてください。

チートデイの食事の目安

具体的なチートデイの食事の目安ですが、筋肉や肝臓にグリコーゲンをしっかり満たすことが重要ですので、必要なのは糖質です。
よくチートデイに糖質、脂質、関係なくなんでも食べる人がいますが、必要なのは糖質ですので、脂肪分の多い食品は避けてください。
だいたいの目安ですが、体重1kgあたり糖質12gは摂りましょう。50kgの人で1日600gです。
「ふーん、ご飯三杯くらいかあ」と思いますが、これは白米ではなく糖質で600gになります。

白米100g=糖質約36.8g
白米1600g=糖質約600g
コンビニおにぎり、約16個分です。

「えー!1日にそんなに食べていいんですか?」と驚くと思います。
これはかなりの量になりますが、渇いた身体を癒す為に食べていいんですよ。なるべく食事回数を分けて糖質を食べるのがポイントです。
ただし!ストイックにカロリーを下げて、運動を頑張ってダイエットした人だけのチートデイです!
気がついたら毎日食べて、365日毎日チートしてた!って人はダメですw

まとめ

皆さん、いかがでしたでしょうか。チートデイを科学的に知る。30日ダイエットをストイックにやるより、26日ダイエットしたら真逆の食生活を4日間する方がダイエットのペースも良く、元気に楽しくダイエットを続けられます。根性論の時代は終わりました!楽して痩せましょう!
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝