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筋出力の3つのレベル ポジティブ<スタティック<ネガティブ

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掲載日:2017.04.17
記事画像1
〇筋出力の3つのレベル ポジティブ<スタティック<ネガティブ

筋出力には3つのレベルがあり、出力レベルは次のようになる。ポジティブ(筋が短くなりながら力を発揮する方向)<スタティック(筋の長さは変化せず力を発揮する)<ネガティブ(筋が長くなりながら力を発揮する方向) アームカールを例に挙げると、バーベルを巻き上げる方向がポジティブであり、発揮される力が最も弱いために、通常トレーニングを限界まで行うというときにはバーベルが巻き上がらなくなった時点、すなわちポジティブレベルの限界を指す。しかしスタティックレベル、ネガティブレベルでは力がまだ残されており、HDTでは限界に達しているとは考えない。補助者が最小限のサポートを行い、カールを続ける事で、スタティックレベルの限界(ウェイトを同じ位置で保持できない状態)に達し、続けて補助者が最小限のサポートをかけることで、ネガティブレベルの限界(自分の意志ではもはやウェイトを下ろすスピードをコントロールできない状態)に達する事ができる。HDTでは最低限、このレベルを目標とする。


〇スーパーセット

HDTでは、メニューの多くでスーパーセットを行う。スーパーセットとは、2つの種目を連続で行う事であり、マイクの場合、2種類のうち最初の種目は、対象となる筋へ事前疲労を与えるために、アイソレーション(対象の筋が単独で動くような)系の種目を行う。そして続けて休息は可能な限り入れずに、コンパウンド(多関節運動)系の種目を行う。このように2種目連続で行うことで、例えばバタフライとチェストプレスのスーパーセットを例に挙げれば、バタフライ(アイソレーション系種目)で胸が事前疲労を起こすことにより、後に続くチェストプレス(コンパウンド系種目)で腕や肩が疲労をおこし運動ができなくなる前に、胸をオールアウトすることが可能となるのだ。


〇トレーニングセクションの分割

まず、身体を3つのセクションに分け、3分割でトレーニングを行おう。

1日目:胸と背中
2日目:脚
3日目:肩と腕

以上3つのセクションを1週間でまわるようにスケジュールを組んで欲しい。そして重要なポイントは、トレーニングは2日間続けて行わない事、非常に強度の高いトレーニングを行うために休息に細心の注意を払うこと。そうする事でオーバーワークを回避することができる。
例えば以下の様に週間スケジュールを組んでみよう。
月:胸と背中
火:完全休養
水:脚
木:完全休養
金:肩と腕
土:完全休養
日:完全休養

前記のパターンでスケジュールを組めば、月曜日は2日間の休養後にトレーニングする事になるので、非常にフレッシュな状態だ。特に疲労度の高いトレーニングパートをここへ持ってきたりしても良いだろう。また、どこのパートも全て同じ条件でというなら、疲労が蓄積してきた頃に、トレーニング予定日をどこか1日休息日にして、トレーニングパートが曜日で固定されないようにしても良いだろう(この場合、休息日を1日減らし、サイクルを詰めるようなことはしない)

例えば以下のように水曜日に休息を1日いれ、トレーニングセクションをずらしてゆく
月:胸と背中
火:完全休養
水:完全休養
木:完全休養
金:脚
土:完全休養
日:完全休養
月:肩と腕(月曜以下のメニューは順にずれてゆく)

上記のサイクルで回復が追いつかなくなってくれば、1週間に1回同一部位をトレーニングするパターンから8日に1回、9日に1回とトレーニング頻度を落としてゆくことで回復を促す必要がある。

上記のように、胸や背中のトレーニングと肩や腕のトレーニング日を分けることで筋肉の疲労回復が追いつかない場合もある。(胸や背中のトレーニングでも方や腕の筋肉が疲労するため)その場合は下記の分割メニューを採用してみて欲しい。

まず、上半身をプル系(引き)プレス系(ふたつ)でトレーニング日を分け、それに脚のトレーニング日を加え3分割でトレーニングを行おう。
記事画像2
1日目:上背部と上腕二頭筋
2日目:旨と肩の前面と上腕三頭筋
3日目:脚

以上3つのセクションを1週間で回るようにスケジュールを組んで欲しい。例えば以下のような週間スケジュールを組んでみよう。

月:上背部と上腕二頭筋
火:完全休養
水:胸と肩の前面と上腕三頭筋
木:完全休養
金:脚
土:完全休養
日:完全休養

  • 肉体と精神究極のトレーニングバイブル ヘビーデューティーマインド
    2013年8月30日初版発行
    著者:小川淳
    監修:日本ハイインテンシティトレーニング協会(JHITA)
    発行人:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社
    編集:株式会社M.B.B.


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