MUSCLE BUILDING in MY HOME GYM
自宅でボディビルダーを目指そう!!
0円から始めるホームボディビル 第13 回
バーベルを使ったホーム・トレーニング〈その4〉
[ 月刊ボディビルディング 2014年3月号 ]
掲載日:2017.09.03
今回からバーベルによる立位を中心にした各ボディパーツの基本種目を紹介していきたいと思います。まずは上腕のエクササイズの中から最もポピュラーと思われるバーベル・カールとフレンチ・プレスを中心にし、それに協働し関連する前腕等の種目を見ていきましょう。また、どの種目にも効果を上げるための大切なポイントがありますのでそれらもチェックをしながら進めていくことにします。
上腕二頭筋をフレックスさせて、その盛り上がり方を見せることは、筋肉の発達や自己の体力を誇示する最もよく行われるポーズだと思われます。これは世界共通の慣習と言ってもいいかも知れませんね。
この上腕二頭筋を鍛えるバーベル・カールは立って行えて、そのシンプルな動きから初心者でもとりつきやすいため、ウエイト・トレーニングを始めるにあたっての入門編として必ず経験しておくべきベーシック・エクササイズの一つとして採用されることが多く、また経験者用としてもやや重めのウエイトでバルク・アップ目的で通常よく行われていて、長く愛用されている種目でもあります。
また上腕二頭筋の反対側に位置する上腕三頭筋は上腕の裏側にあって上腕二頭筋よりも大きな体積を持ち、上腕全体のボリューム感を出すには重要で、その発達は大いに切望されるところです。ただ腕全体のボリューム感を出すには、この二つの筋肉はもちろん、その先にある前腕諸筋の卓越した発達も加わってこそ、重量感のある完璧な腕といえるようです。 今回はこれらの筋群の種目に関連する基本的な動きや構造の一端をみていきましょう。
上腕二頭筋をフレックスさせて、その盛り上がり方を見せることは、筋肉の発達や自己の体力を誇示する最もよく行われるポーズだと思われます。これは世界共通の慣習と言ってもいいかも知れませんね。
この上腕二頭筋を鍛えるバーベル・カールは立って行えて、そのシンプルな動きから初心者でもとりつきやすいため、ウエイト・トレーニングを始めるにあたっての入門編として必ず経験しておくべきベーシック・エクササイズの一つとして採用されることが多く、また経験者用としてもやや重めのウエイトでバルク・アップ目的で通常よく行われていて、長く愛用されている種目でもあります。
また上腕二頭筋の反対側に位置する上腕三頭筋は上腕の裏側にあって上腕二頭筋よりも大きな体積を持ち、上腕全体のボリューム感を出すには重要で、その発達は大いに切望されるところです。ただ腕全体のボリューム感を出すには、この二つの筋肉はもちろん、その先にある前腕諸筋の卓越した発達も加わってこそ、重量感のある完璧な腕といえるようです。 今回はこれらの筋群の種目に関連する基本的な動きや構造の一端をみていきましょう。
●オーバー・グリップのバックハンド・カールでは、普通のアンダー・グリップのカールに比べて重いウエイトを持てないのはどうしてですか?
上腕二頭筋は文字通り肩に近い位置で筋頭が二つに分かれていて、一つは肩甲骨の関節上結節から、もう一つは肩甲骨の烏口突起からそれぞれを起始として出ていて、上腕の前面を通りながら途中で合流して、肘関節をまたいで主に橈骨の内側の橈骨粗面(停止)に付着しています。この停止部の橈骨粗面では、上腕二頭筋腱が棒状の橈骨の内側へ半ば糸を巻くように回り込んで付着しているので、上腕二頭筋が収縮して引っ張ると、橈骨を外側へ回転させることが可能になってきます(回外、手のひらが上を向く、シュピネイション)。反対に手のひらを下方へ向けて内側へ回転(回内、プロネイション)させていると橈骨へ巻き込まれてズレが生じるので、強い力を発揮することが難しくなります。
従って手のひらを下に向けたバックハンド・カールでは、肘の最も強い屈筋である上腕二頭筋が働きにくい状態になるので、その屈曲動作の殆どを腕橈骨筋と上腕筋が大きく担うことになりますが、上腕二頭筋の後退した分強い力を発揮できなくなるというわけです。また手関節の屈曲力より伸展力のほうが劣っている場合が多いことも関係してきます。
従って手のひらを下に向けたバックハンド・カールでは、肘の最も強い屈筋である上腕二頭筋が働きにくい状態になるので、その屈曲動作の殆どを腕橈骨筋と上腕筋が大きく担うことになりますが、上腕二頭筋の後退した分強い力を発揮できなくなるというわけです。また手関節の屈曲力より伸展力のほうが劣っている場合が多いことも関係してきます。
●上腕筋と腕橈骨筋についてよく分からないのですが…?
○上腕筋について
上腕の下半分にあり上腕骨の外側前面(起始)から出て肘関節をまたいで尺骨粗面(停止)に付着している筋で、上腕の屈筋群に属し肘関節専属の強力な屈筋ですが、上腕二頭筋に表層を被われているので、その動きは外からは分かりにくいです。上腕二頭筋のように橈骨ではなく尺骨にストレートに付着しているので、手のひらの向きに関係なくコンスタントに肘を曲げる働きをすることができます。この筋の発達は上腕前下部のバルク・アップの向上に大きな役割を果たします。
○腕橈骨筋について
腕橈骨筋は前腕の外側にそってよく見える筋肉で、肘に近い上腕骨外側下部(起始)から出て前腕の外側を下って行き、手首の親指側にある橈骨の出っ張りである橈骨茎状突起(停止)に付着しています。しかし、その働きは特殊で解剖学的には前腕の伸筋群に属していながら実際の作用としては肘関節の強い屈筋としての役割をするという一風変わった筋肉として知られています。ニュートラルな前腕の位置を保てるように回内,回外作用も行い、また負荷のかかった速い動きに反応しやすい性質も持っています。
一般的にこの腕橈骨筋のエクササイズはともすると後回しになる傾向にありますが、筋量的には小さい筋肉ですがこの部分がよく発達すると前腕の外側の逞しさが数段増し、腕全体を大きく強く見せることが可能になります。またラケットやクラブ等を持つスポーツではこの筋の鍛錬は必須アイテムといってもよいでしょう。
上腕の下半分にあり上腕骨の外側前面(起始)から出て肘関節をまたいで尺骨粗面(停止)に付着している筋で、上腕の屈筋群に属し肘関節専属の強力な屈筋ですが、上腕二頭筋に表層を被われているので、その動きは外からは分かりにくいです。上腕二頭筋のように橈骨ではなく尺骨にストレートに付着しているので、手のひらの向きに関係なくコンスタントに肘を曲げる働きをすることができます。この筋の発達は上腕前下部のバルク・アップの向上に大きな役割を果たします。
○腕橈骨筋について
腕橈骨筋は前腕の外側にそってよく見える筋肉で、肘に近い上腕骨外側下部(起始)から出て前腕の外側を下って行き、手首の親指側にある橈骨の出っ張りである橈骨茎状突起(停止)に付着しています。しかし、その働きは特殊で解剖学的には前腕の伸筋群に属していながら実際の作用としては肘関節の強い屈筋としての役割をするという一風変わった筋肉として知られています。ニュートラルな前腕の位置を保てるように回内,回外作用も行い、また負荷のかかった速い動きに反応しやすい性質も持っています。
一般的にこの腕橈骨筋のエクササイズはともすると後回しになる傾向にありますが、筋量的には小さい筋肉ですがこの部分がよく発達すると前腕の外側の逞しさが数段増し、腕全体を大きく強く見せることが可能になります。またラケットやクラブ等を持つスポーツではこの筋の鍛錬は必須アイテムといってもよいでしょう。
●上腕三頭筋は、腕を頭上にあげた時と下げた時とでは働き方が違うのですか?
上腕三頭筋はやはりその名の通り上部に筋頭が三つありますが、一番長い長頭は肩甲骨(関節下結節)から始まり、短頭ともいえる内側頭と外側頭の二つはそれぞれ上腕骨後ろの内側部と外側部を起始として出て、最終的に三頭は合流して肘関節を経て尺骨肘頭(停止)に付着しています。従って肘関節だけを通る短い内・外側頭は肘関節の伸展のみに関与しますが、肩甲骨から出ている長頭は、肘関節の他に肩関節も通っているので、肩関節の動きの影響をも強く受けることになります。フレンチ・プレスのように肩関節を屈曲して上腕を高く上げている時はスタート時から長頭のストレッチ度が高くなり、真下へ下ろすと緩み、更に後方へ伸展すると収縮(短縮)傾向が強くなります。それぞれの肩関節の定位置で肘の伸展・屈曲を行うと上腕三頭筋、特に長頭の受ける影響は異なってくるという訳です。従って一般論的にいえば、二関節筋のように2つの関節に関与する筋肉の可能な能力をフルに使って最大の効果を得ようとすると、体の中心に近い一つ上位にある関節の位置を適度に変えた種目を時に応じて行う必要があるということになります。
今回はバーベルによる上腕と前腕部のトレーニングですが、ダンベルに比べて手や腕の回旋運動ができないので、手の向きは殆ど一定になりますが、グリップ幅や肘の位置を変えたりサムレス・グリップを取り入れたりと、バーベル・エクササイズでも工夫次第で刺激を変化させるバリエーションは多くとれることが分かります。
トレーニングを自分で長く続けながらフォームの試行錯誤を繰り返していく内に効果的な新しい方法を自分なりにも発見した時は、たとえそれが小さなひらめきでもその喜びは素晴らしく大きいものになりますね。また、その効果の確認と実践に向けて、益々トレーニングへのモチベーションが上がってきます。
いつも楽しく常に前向きにトレーニングを継続していきましょう。KEEP LIFTING !!
今回はバーベルによる上腕と前腕部のトレーニングですが、ダンベルに比べて手や腕の回旋運動ができないので、手の向きは殆ど一定になりますが、グリップ幅や肘の位置を変えたりサムレス・グリップを取り入れたりと、バーベル・エクササイズでも工夫次第で刺激を変化させるバリエーションは多くとれることが分かります。
トレーニングを自分で長く続けながらフォームの試行錯誤を繰り返していく内に効果的な新しい方法を自分なりにも発見した時は、たとえそれが小さなひらめきでもその喜びは素晴らしく大きいものになりますね。また、その効果の確認と実践に向けて、益々トレーニングへのモチベーションが上がってきます。
いつも楽しく常に前向きにトレーニングを継続していきましょう。KEEP LIFTING !!
スタンディング・バーベル・カール(上腕二頭筋、上腕筋、前腕屈筋群等)
バーベルをアンダー・グリップで肩幅くらいに握り、肘を伸ばして直立し体の前に下げて構えスタート・ポジションとします。その姿勢から上腕を動かさずに肘だけを曲げてバーベルが止まるところまで巻き上げてからゆっくりと元の位置までおろしていき、この動作を繰り返します。
※アンダー・グリップ(underhand grip)とは、手のひらを上向きにしたグリップを言います(逆手)。
※フォームの注意点
・肘を前後に動かしたり上半身のアオリを使わずに上腕二頭筋の収縮だけを意識をしてバーベルを上げるようにします(ストリクト・スタイル)。
・肘を曲げてバーベルを上げていく時(ポジティブ)と伸ばして下げていく時(ネガティブ)とは同じスピードでゆっくりと行うようにします。
・トップやボトムで休まずに、上腕二頭筋の緊張をできるだけ解かないようにしながら動作を続けます(コンティニュアス・テンション)。ボトムでは上腕二頭筋への緊張と抵抗が抜けないように手首を返しておくとよいでしょう。
・上腕二頭筋の収縮と可動域を最大にするために、バーベルを上げた時に肘を完全に曲げきるようにし、下げた時にはゆっくりと元の位置へ伸ばしていくように努力するのを基本とします(フル・カール)。ただしこの種目の場合は必ずしも意識して肘関節の完全伸展をする必要はなく、ボトムの位置で上腕二頭筋はウエイトの重さで下方へ充分に牽引されているので心配いりません。どうしても緊張が抜ける場合は、ほんの少しだけ曲げている方法もあります。
・上半身が不安定な場合は、膝をほんの少し曲げて行うと動作が安定し、腰の負担も少なく動作がしやすくなります。
・呼吸は基本的にバーベルを上げる時に息を吐き、下げる時に吸います。重いウエイトを扱う場合は1レップ目は(息を吸って)息を止めてバーベルを上げていき、トップ・レインジで吐いた後、下ろしながらゆっくりと息を吸いつつボトムまで下ろして、2レップ目に入る時にそのまま息を止めて、また上げていくようにして以下これを繰り返します。
※ストレート・バーをアンダー・グリップで握るバーベル・カールは、前腕の向きが自然なニュートラルな角度(立位で自然に腕を伸ばして下げた時のように手のひらが体の方に向いた位置)と異なって、手のひらが真上に向いた(回外した)水平のまま、すなわち上腕二頭筋が前腕を回外するための緊張がすでに起こっている状態のまま肘の伸展と屈曲を繰り返すというフォーム上の特徴があり、また内側の短頭も大きく長頭と協力して働くことと相まって大きな力を発揮できます。また左右両手で同一のものを同方向へ動かすので、安定度が高まり動作がしやすくなります。
※体の前方にあるバーベルの重さを支えるための一種のカウンター・モーメントとして背部の筋群に緊張が起こります。脊柱起立筋や僧帽筋などが支持筋として大きく働かなくてはならないので、まずこれらの筋群の緊張維持を確認してからカール動作にはいりましょう。
〈回数・セット数〉
8~ 10 回、2~3セット
〈追い込み方法〉
・反動を使わないストリクト・スタイルで限界に近づいてから上半身等のアオリを使ってバーベルを上げ、数レップス繰り返す(チーティング・スタイル)。
・追い込み等で動作が苦しくなった場合には顎を引いてやや下を見るか、上体を少し前傾させてバーベルを下した時に膝を曲げ伸ばしながら上体を起こしてカールをすると力が入りやすくなります。
※どの場合もバーベルを下ろすネガティブ・モーションはゆっくりと行うようにして上腕二頭筋に効かすように努力をすることが大切です(回数達成のためにトレーニングの質を犠牲にすることがないように気をつけましょう)
※反動を使うチーティング・スタイルは上腕二頭筋のマッスル・コントロールができる経験者がヘビー・ウエイトでカールを行う時に主に用いられ、この場合は全レップスをチーティング・スタイルで行います。呼吸はネガティブでも息を詰めてボトムだけで息継ぎを行うことがあります。
※アンダー・グリップ(underhand grip)とは、手のひらを上向きにしたグリップを言います(逆手)。
※フォームの注意点
・肘を前後に動かしたり上半身のアオリを使わずに上腕二頭筋の収縮だけを意識をしてバーベルを上げるようにします(ストリクト・スタイル)。
・肘を曲げてバーベルを上げていく時(ポジティブ)と伸ばして下げていく時(ネガティブ)とは同じスピードでゆっくりと行うようにします。
・トップやボトムで休まずに、上腕二頭筋の緊張をできるだけ解かないようにしながら動作を続けます(コンティニュアス・テンション)。ボトムでは上腕二頭筋への緊張と抵抗が抜けないように手首を返しておくとよいでしょう。
・上腕二頭筋の収縮と可動域を最大にするために、バーベルを上げた時に肘を完全に曲げきるようにし、下げた時にはゆっくりと元の位置へ伸ばしていくように努力するのを基本とします(フル・カール)。ただしこの種目の場合は必ずしも意識して肘関節の完全伸展をする必要はなく、ボトムの位置で上腕二頭筋はウエイトの重さで下方へ充分に牽引されているので心配いりません。どうしても緊張が抜ける場合は、ほんの少しだけ曲げている方法もあります。
・上半身が不安定な場合は、膝をほんの少し曲げて行うと動作が安定し、腰の負担も少なく動作がしやすくなります。
・呼吸は基本的にバーベルを上げる時に息を吐き、下げる時に吸います。重いウエイトを扱う場合は1レップ目は(息を吸って)息を止めてバーベルを上げていき、トップ・レインジで吐いた後、下ろしながらゆっくりと息を吸いつつボトムまで下ろして、2レップ目に入る時にそのまま息を止めて、また上げていくようにして以下これを繰り返します。
※ストレート・バーをアンダー・グリップで握るバーベル・カールは、前腕の向きが自然なニュートラルな角度(立位で自然に腕を伸ばして下げた時のように手のひらが体の方に向いた位置)と異なって、手のひらが真上に向いた(回外した)水平のまま、すなわち上腕二頭筋が前腕を回外するための緊張がすでに起こっている状態のまま肘の伸展と屈曲を繰り返すというフォーム上の特徴があり、また内側の短頭も大きく長頭と協力して働くことと相まって大きな力を発揮できます。また左右両手で同一のものを同方向へ動かすので、安定度が高まり動作がしやすくなります。
※体の前方にあるバーベルの重さを支えるための一種のカウンター・モーメントとして背部の筋群に緊張が起こります。脊柱起立筋や僧帽筋などが支持筋として大きく働かなくてはならないので、まずこれらの筋群の緊張維持を確認してからカール動作にはいりましょう。
〈回数・セット数〉
8~ 10 回、2~3セット
〈追い込み方法〉
・反動を使わないストリクト・スタイルで限界に近づいてから上半身等のアオリを使ってバーベルを上げ、数レップス繰り返す(チーティング・スタイル)。
・追い込み等で動作が苦しくなった場合には顎を引いてやや下を見るか、上体を少し前傾させてバーベルを下した時に膝を曲げ伸ばしながら上体を起こしてカールをすると力が入りやすくなります。
※どの場合もバーベルを下ろすネガティブ・モーションはゆっくりと行うようにして上腕二頭筋に効かすように努力をすることが大切です(回数達成のためにトレーニングの質を犠牲にすることがないように気をつけましょう)
※反動を使うチーティング・スタイルは上腕二頭筋のマッスル・コントロールができる経験者がヘビー・ウエイトでカールを行う時に主に用いられ、この場合は全レップスをチーティング・スタイルで行います。呼吸はネガティブでも息を詰めてボトムだけで息継ぎを行うことがあります。
スタンディング・バーベル・カールのバリエーション
○ワイド・グリップ・バーベル・カール
肩幅より広い手幅でカールを行うとカール軌道がやや小さくなり、また手首近くで深くバーベルを握りやすくなるため、重めのウエイトを扱えるフォームになります。また肘よりも外側にグリップが位置するために小指側に力が入り、上腕の内側に刺激が移行する傾向にあります。フィニッシュのトップでは前腕の回外性(シュピネイション)が加わるので肘の屈曲が大きくなり上腕二頭筋の短縮率が強くなります。
内側頭のバルク・アップも期待できる種目として行っても良いでしょう。
肩幅より広い手幅でカールを行うとカール軌道がやや小さくなり、また手首近くで深くバーベルを握りやすくなるため、重めのウエイトを扱えるフォームになります。また肘よりも外側にグリップが位置するために小指側に力が入り、上腕の内側に刺激が移行する傾向にあります。フィニッシュのトップでは前腕の回外性(シュピネイション)が加わるので肘の屈曲が大きくなり上腕二頭筋の短縮率が強くなります。
内側頭のバルク・アップも期待できる種目として行っても良いでしょう。
○ナロー・グリップ・バーベル・カール
肩幅より狭めに握ったバーベル・カールです。手関節の角度とバーベルの方向とにギャップが生じるためにバーを指先方向で握ることになり強い力を出すには向いていませんが、バーベルを下した時には上腕二頭筋のストレッチ度が強くなり、また人差し指側に力が入るので外側頭に刺激が移行します。従って上腕二頭筋の高さを含めたシェイプをよくする目的でセットの後半で軽めのウエイトを用いてフル・ムーブメントで正確に行うようにします。
肩幅より狭めに握ったバーベル・カールです。手関節の角度とバーベルの方向とにギャップが生じるためにバーを指先方向で握ることになり強い力を出すには向いていませんが、バーベルを下した時には上腕二頭筋のストレッチ度が強くなり、また人差し指側に力が入るので外側頭に刺激が移行します。従って上腕二頭筋の高さを含めたシェイプをよくする目的でセットの後半で軽めのウエイトを用いてフル・ムーブメントで正確に行うようにします。
○バーベル・マービン・カール
ナロー・グリップで肘を腰腹部へ両肘を乗せて行うカール。肘が固定されるので両手によるコンセントレーション・カールのようになります。ナロー・グリップながら前腕が平行になるので手関節とバーベルとの角度が直角になるために握りやすく、可動域全般にわたってコンスタントに力が入り軽量を用いてパンプ・アップ目的に使うとよいでしょう。上体を軽く丸めて行うと更に収縮力が増してきます。
※ベスト・フォームには個人差があるので自分で最も上腕二頭筋の収縮が感じられるグリップがある場合はそのグリップを優先して選択して先に行い、その他をバリエーションとして考えた方がよいでしょう。
ナロー・グリップで肘を腰腹部へ両肘を乗せて行うカール。肘が固定されるので両手によるコンセントレーション・カールのようになります。ナロー・グリップながら前腕が平行になるので手関節とバーベルとの角度が直角になるために握りやすく、可動域全般にわたってコンスタントに力が入り軽量を用いてパンプ・アップ目的に使うとよいでしょう。上体を軽く丸めて行うと更に収縮力が増してきます。
※ベスト・フォームには個人差があるので自分で最も上腕二頭筋の収縮が感じられるグリップがある場合はそのグリップを優先して選択して先に行い、その他をバリエーションとして考えた方がよいでしょう。
○ベント・オーバー・バーベル・カール
膝を曲げて上体を前傾したベント・オーバー姿勢で行うカール。肘を曲げきったトップ・ポジションで負荷による筋肉の収縮感が強くなるので、この時点で1秒間止めて意図的に収縮を持続させてからゆっくりとバーベルを下していくフォームをとるとより効果的でしょう。基本的にナロー・グリップで行った方が筋肉の運動に対する稼働率は高くなります。
膝を曲げて上体を前傾したベント・オーバー姿勢で行うカール。肘を曲げきったトップ・ポジションで負荷による筋肉の収縮感が強くなるので、この時点で1秒間止めて意図的に収縮を持続させてからゆっくりとバーベルを下していくフォームをとるとより効果的でしょう。基本的にナロー・グリップで行った方が筋肉の運動に対する稼働率は高くなります。
○シーテッド・バーベル・カール
ベンチなどに座って行うバーベル・カールです。座っているので上半身の反動を使いにくいので全体的にストリクトな動きになり、またバーを下すと大腿部にかかるので、肘角度が90 度前後から上部だけの範囲で部分的に繰り返すパーシャル・ムーブメントのカール動作になります。力を出しやすい肘角度からのみの反復なので、バルク・アップと収縮時の筋力アップ作りに効果的です。
ベンチなどに座って行うバーベル・カールです。座っているので上半身の反動を使いにくいので全体的にストリクトな動きになり、またバーを下すと大腿部にかかるので、肘角度が90 度前後から上部だけの範囲で部分的に繰り返すパーシャル・ムーブメントのカール動作になります。力を出しやすい肘角度からのみの反復なので、バルク・アップと収縮時の筋力アップ作りに効果的です。
○ロールアップ・バーベル・カール
上腕二頭筋の働きは、肘を屈曲させる他に肩を固定したり上腕を前方に上げる作用もあります。このロール・アップをすることによってこの能力をも含めた上腕二頭筋のスポーツ動作におけるパーフォーマンスへの参加能力を向上させることが可能になります。また軽量を用いてトップ・ポジションで力を抜かずに意識的に収縮させると、最終セットのパンプ・アップの仕上げ用のテクニックとしても用いることができます。
※スタート・ポジションから、やや反動を使ったフロント・レイズ気味に体から少し離した円軌道でカールをし、フィニッシュで肩へ引き付けて速めの動作でロール・アップをするフォームは、上腕二頭筋以外に三角筋や僧帽筋等を使うので、肩と腕を使った突き上げ動作に必要なスポーツのパワー補強種目としても利用されます(パワー・カール)。
上腕二頭筋の働きは、肘を屈曲させる他に肩を固定したり上腕を前方に上げる作用もあります。このロール・アップをすることによってこの能力をも含めた上腕二頭筋のスポーツ動作におけるパーフォーマンスへの参加能力を向上させることが可能になります。また軽量を用いてトップ・ポジションで力を抜かずに意識的に収縮させると、最終セットのパンプ・アップの仕上げ用のテクニックとしても用いることができます。
※スタート・ポジションから、やや反動を使ったフロント・レイズ気味に体から少し離した円軌道でカールをし、フィニッシュで肩へ引き付けて速めの動作でロール・アップをするフォームは、上腕二頭筋以外に三角筋や僧帽筋等を使うので、肩と腕を使った突き上げ動作に必要なスポーツのパワー補強種目としても利用されます(パワー・カール)。
フレンチ・プレス(スタンディング・トライセップス・エクステンション)上腕三頭筋、前腕屈筋群
バーベルをオーバー・グリップで握り頭上まで持ち上げてスタート・ポジションとして、そのまま肘の位置を変えずにバーベルを肘を曲げながら後方へ下ろし最下点に達したら肘を伸ばして元の頭上へもどしこれを繰り返す。
※オーバー・グリップ(overhand grip)とは手のひらを下向きにしたグリップを言います(順手)。
※オーバー・グリップ(overhand grip)とは手のひらを下向きにしたグリップを言います(順手)。
Model =上田 翔
筆者紹介
川島英博(かわしま・ひでひろ)1948年8月2日生まれ/O型/(株)ヘルスプロデューサー代表/トレーナー・鍼灸・整体師・通訳/「からだ工房」でスポーツ故障者の治療をする傍ら大手スポーツクラブで治療とパーソナルトレーナーの両方で活躍している。著書に『ザ・ウエイトトレーニング』『筋力トレーニング』がある。
川島英博(かわしま・ひでひろ)1948年8月2日生まれ/O型/(株)ヘルスプロデューサー代表/トレーナー・鍼灸・整体師・通訳/「からだ工房」でスポーツ故障者の治療をする傍ら大手スポーツクラブで治療とパーソナルトレーナーの両方で活躍している。著書に『ザ・ウエイトトレーニング』『筋力トレーニング』がある。
[ 月刊ボディビルディング 2014年3月号 ]
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