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好評連載
貴殿のトレーニングの悩みを解決しましょう!
Mr. シンメトリー大河原久典のトレーニングクリニック
第9回 三角筋を大きくしたい

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[ 月刊ボディビルディング 2014年5月号 ]
掲載日:2017.09.08
たとえばこんな事はありませんか?「胸に効かせたいのに腕に効いてしまう…」筋肉に「効かせる」という感覚は、本当にこれで良いのか?という自信がない…。自分自身では正しいフォームで行っているつもりだけど、なぜか筋肉の発達が起きにくい…。こういう時、相談できる仲間がそばにいてくれると心強いですよね。トレーニングクリニックはそういう要望にお応えします。

 今回の相談者は鶴橋利恵子さん。2006 年ミス大分優勝、ミス九州優勝。はるばる九州からトレーニングクリニックを受けにきてくれました。よく引き締まった筋肉質でバランスの良いボディの持ち主です。相談内容は『三角筋をもっと大きくしたい!』ということ。場所は、ゴールドジム原宿東京。私がパーソナルトレーナーを務めるホームベースのひとつ。世界のおしゃれが集まる街「原宿」の中でもひと際オシャレなビルにある、大型のジムだ。 それでは早速クリニック開始!

大河原「今回はミス九州の鶴橋さんです。よろしくお願いします」
鶴橋「よろしくお願いします」

大河原「さて、今日は『肩』ということで」
鶴橋「ハイ!」

大河原「普段どんな種目ですか?」
鶴橋「サイドレイズとフロントレイズ、リアレイズを全部同じ日に行っています」

大河原「肩は今どんな状況ですか? ちょっとバックのバイセップスやって見せて」
鶴橋「ハイ」

大河原「おおー、バランス良いじゃないですか」
鶴橋「有難うございます」

大河原「それをさらにデカクしたい!と?」
鶴橋「ハイ」

大河原「グアーっと!?」
鶴橋「ハイ!」

大河原「そうするとね、非常に重い負荷を扱えられる種目がお勧めですね。三角筋のフロントヘッドにはインクライン・ダンベル・プレス(75 度)。サイドヘッドにはダンベル・アップライト・ローイング。リアヘッドにはシングルハンド・ダンベル・ローイングが良いですね」「トレーニングスケジュールはどんな感じですか?」
鶴橋「①肩、②胸、③背中…後略」

大河原「あー、それだと3 日続けて肩のどこかしらを使ってますね。胸の日に肩のフロント。背中の日に肩のリア。肩の日に肩のサイド。こんなふうに分けて鍛えると良いですよ」

エクササイズ1
インクライン・フロント・プレス

大河原「ヨシ!じゃあまずインクライン・フロント・プレス!背もたれの角度は75度ぐらい(写真①)。スタートポジションでダンベルの内側のヘッド(親指側)を少し低く構えます。スタートで拡がっていた左右のダンベルの角度が、挙げるにつれてすぼまっていきます。これは肩の関節の自然な動きです」

大河原「どうですか?」
鶴橋「僧帽筋に効いてしまいました」

大河原「アリャリャ!」
写真 ①

写真 ①

記事画像2
大河原「じゃあ、下半分のパーシャルレンジで試してみましょう。顔の周りでダンベルを回す感じです。こんな感じね(写真②・③)。こうして、力尽きるまで滑らかに繰り返す。三角筋が力尽きたら、上腕三頭筋の力を借りて上まで挙げる(写真④・⑤)。キツイけど頑張って!」
写真 ②(右上)、写真 ③(左上)、写真 ④(右下)、写真 ⑤(左下)

写真 ②(右上)、写真 ③(左上)、写真 ④(右下)、写真 ⑤(左下)

大河原「じゃ、真似してやってみて」
鶴橋「ハイ」
記事画像4
鶴橋「ハイ。…ウーン…ウーン…!」
大河原「うん、そう顔の周りをダンベルが回るような感じで。ハイOK!今の感じとても大事です。1 セット1 セット力を使い切ること」「そして、三角筋が力尽きたら上腕三頭筋の助けを借りて上まで挙げる」

大河原「さあここまで5㎏、7㎏と20レップスで力尽きるまで出来ました。ここまでがウォーミングアップ」
鶴橋「え?」

大河原「もっと重くしてメインセットに入りましょう。5 レップス~ 10 レップスで力尽きる重さが良いですよ」

エクササイズ2
シングルハンド・ダンベル・ローイング

大河原「じゃあ次は、三角筋のリアヘッド。脇を開いたダンベル・ローイングを片手で行います」
記事画像5
記事画像6
写真左)間違った肘を開く角度:これでは僧帽筋と菱形筋、広背筋に効いてしまいます。

写真右)正しい肘を開く角度:ここで5 カウント数える間動きを止めて、負荷が筋肉にしみこむ感じを維持する。5 カウント数えてちょうど1 秒になると思います。
大河原「どうですか?」
鶴橋「三角筋が熱くなってきました」

大河原「疲れて来ると肘がだんだん閉じて来ますね。そうすると三角筋以外の広背筋とかに効いてしまう。ここで大事なことは挙げることではなくて『効かす』ということ。挙げることに意識がいってしまうと、効かすことから離れてしまいます。効果が無くなる」
「疲れてきたらハーフレンジになっていいから、正しいフォームを維持する事がとても大事です。挙がらなくなって良いんです。効かそうとする事が大事。そうすると、ちゃんと狙った所に効きます」
「これは大抵の種目に共通です。ヘビーウェイトを扱っているのに筋肉が発達しない、というビルダーはだいたいこの部分がおろそかになっていますね」

エクササイズ3
ダンベル・アップライト・ローイング

記事画像7
大河原「三角筋のサイド狙いにお勧めの種目です。まず、ダンベルの握り方。親指側に持ちます(写真⑥・⑦)」
写真 ⑥(上)、写真 ⑦(下)

写真 ⑥(上)、写真 ⑦(下)

鶴橋「こうですか?」

大河原「内側のダンベルヘッドが鼠頸部を斜めに横切って、肘を横に拡げる感じ。うっかりすると真上に上げようとするから要注意だよ。真っ直ぐ挙げる一般的なアップライトローとは違います」
「横になっているダンベルを立てながら挙げます」
「もう一回やってみて」
鶴橋「ハイ!」
記事画像9
大河原「ウン、いいフォームになって来た」
鶴橋「三角筋の横に効きます」

まとめ

 すでにバランスの良い発達をしている三角筋をさらにデカク!というご要望だったので、私のお勧め種目を伝授する形になりました。ウェイトの選定、ヘビーとミドルの使い分けも大事です。
記事画像10
指導=大河原久典

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記事画像11
 連載に登場してもらえるモデルを読者の中から公募いたします。身近に相談できる人がいない…。いろんな人に意見を求めたい…。月ボに登場したい!理由は何でも構いません。

 大胸筋に効かしたいのに、上腕三頭筋に効いてしまう…。広背筋に効かしたいのに、肩に効いてしまう…。効かしたい箇所に上手く効かしたい。どこに効いているかトレーニング中に感じられない。自分がやっている方法を診て欲しい。その他、ボディビルの身体造りに関して何でも相談してください。

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bb-h@mbbmag.co.jp

※ジムまでの交通費、ジム利用料は個人負担となります
[ 月刊ボディビルディング 2014年5月号 ]

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