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高頻度トレーニングの基本パターンの内容

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掲載日:2018.01.25
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基本パターンのトレーニング内容

高頻度トレー二ングの基本パターンでの卜レー二ング内容を紹介したいと思います。
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表4はあくまで一例としてのトレー二ング内容になりますが、通常はここに示した内容のトレー二ングを行うことが多くなっています。

⬛パターン①のトレーニング内容

パターン①のメイントレーニング

パターン①のメイントレー二ングの目的は、地力アップ(筋力・筋量アップ)。
パワーフォームでトレー二ングを行うのが通常で、メインセットでは基本的なトレー二ングを中心に行います。

また、メインセットの後に筋力アップ・神経系強化のための低回数のサブセットを取り入れた
基本的なトレー二ング+aや、基本的なトレーニングとは異なりますが、試合形式のサブセットを取り入れたK's式メイントレー二ングなどを行うことが多くなっています。

サブセットを行う場合に注意しなければならないのが、低回数のセットを行い、高回数のセットを行わないことです。これはメインセッ卜の後に高回数のサブセットを行ってしまうと疲労度が大きくなりすぎ、次の日のサブトレー二ングに影響が出てしまうからです。

パターン①のメイントレー二ングでは、メインセッ卜だけでトレー二ングを終了してしまうか、サブセットを行っても次の日にそれほど疲れが残らないような、低回数のセットを行うようにします。

なお、高頻度トレーニングの導入方法の説明時でも述べましたが、高頻度トレー二ングではどのパターンにかかわらず、原則としてメイントレー二ングの日には補助種目を行いません。

・パターン①のサブトレーニング

パターン①のサブトレーニングの目的は、より高重量を挙げるための体を作ること。
メインセットはパワーフォームではなく、肩甲骨を寄せただけのフオームや、肩甲骨を寄せたうえで床から足を浮かせた足上げベンチ等で行うのが通常です。

この理由は、それらの上半身の力に頼って挙上するフォームの方が、全身の力を使って挙上するパワーフォームよりも体作りに向いていることがあげられます。

セット内容は8固から12回狙いの重量で2~5セッ卜。
フォームだけでなく、セット内容も体作りに適した内容でトレーニングを行います。

メインセッ卜後にサブセットや補助種目を行うわけですが、どちらも必ず行わなければならないというわけではありません。
反対に、メインセッ卜・サブセット・補助種目のすべてを行ってしまうと、疲労がたまりすぎてしまうのが通常です。

サブトレー二ングではメインセット・サブセット・補助種目のすべてを行わず、メインセッ卜とサブセット、メインセットと補助種目、もしくはメインセットだけでトレーニングを終了するようにします。

なお、補助種目に関してはパターンにかかわらず、表5にある種目を1種目だけ行うのが通常で、どんなに多くても2種目しか行いません。

■パターン②のトレーニング内容

・パターン②のメイントレーニング

パターン②のメイントレー二ングの目的は、パターン①のメイントレー二ングと同じ地力アップ(筋力・筋量アップ)で、行うトレー二ングの内容や注意点も、パターン①とほぼ同じです。
ただし、パターン②では次の日のサブ卜レ一二ングで筋力アップ・神経系強化のトレー二ングを行うため、メイントレー二ングの日にはサブセットを行わずにメインセッ卜だけでトレー二ングを終了することが多くなっています。

・パターン②のサブトレーニング

パターン②のサブトレー二ングの卜レー二ングの目的は、筋力アップ・神経系強化で、メインセットではメイントレー二ングの日のメインセットでは扱わないような高重量でトレーニングを行うことになります。

ただし、ここでは筋力アップ・神経系強化のトレー二ングとして通常考えられるパワーフォームでの低回数のセットは行わず、パワーフォームでのトップサイドベンチや尻上げベンチなどの、挙上幅を制限することで高重量が扱えるフオームでのトレー二ングを行います。

パワーフォームでの低回数のセッ卜を行わない理由は、高回数のセットと異なり、前日のメイントレー二ングの疲労度によってトレーニングの結果が大きく変わってくるからです。

高回数のセットであれば、疲れていない状態のセットベス卜-2.5 kgの重量で、疲れていない状態と同じようにセットを組むととができますが、低回数のセットではセットベス卜-2.5 kgの重量でセットを組もうとすると、疲労度によっては「3回挙げるつもりが1回しか挙がらなかった」といったようなことが起こってしまい、そうなってしまうと自身が目的としているトレー二ングが行えなくなります。

これに対し、トップサイドベンチや尻上げベンチは、前日のメイントレー二ングの疲労にそれほど影響を受けません。
実際に行ってみればすぐにわかりますが、パワーフオームからトップサイドベンチや尻上げベンチにフォームを変えると、連日にトレー二ングを行ったとしても、まるで別の種目の卜レ一二ングを行うかのようにトレー二ングを行えるのです。

セット内容としては5回から10回狙いで2セットから5セット。

「筋力アップ・神経系強化のためには、低回数の卜レ一二ングを行う必要があるのでは?」

と思う人もいるでしょうが、ここでは挙上幅を制限したフォームでトレー二ングを行い、通常では組めないような高重量でセットを組むことによる筋力アップ・神経系強化を期待しています。

メインセットの後のサブセットと補助種目の取り入れ方は、パターン①のサブトレー二ングと同じで、メインセッ卜・サブセット・補助種目のすべてを行いません。

ただし、トップサイドベンチや尻上げベンチのような、パワーフォームと比べて挙上幅が制限された、より楽に挙げることができるフォームで卜レ一二ングを終了してしまうと、その楽なフォームに体が慣れてしまい、オフの後のパワーフォームでのトレー二ング時に違和感を感じることがあります。

そうならないようにパターン②では、メインセッ卜だけで卜レー二ングを終了せずに、楽なフォームに慣れた体をリセットするという意味も含めて、サブセットに肩甲骨を寄せただけのフォームや足上げベンチなどのトレー二ングを行ったり、補助種目でダンベルプレスを行ったりすることが多くなっています。

■パターン③のトレーニング内容

・パターン③のメイントレーニング

パターン③のメイン卜レー二ングの目的は、筋力アップ・神経系強化。
メインセッ卜では、パターン①のサブトレー二ングのようにトップサイドベンチや尻上げベンチでトレー二ングを行うこともありますが、通常はパワーフォームでの低回数のセッ卜でトレー二ングを行います。

ただし、低回数のセットと言っても、1回から4回狙いではなく、5回X5セット法などの5回狙いでセットを組むことが多くなっています。

これは、1回から4回狙いという低回数のセッ卜では、調子によってはトレー二ングの結果が大きく変わってしまい、トレー二ングが進めにくくなってしまうためです。
メインセッ卜の後にサブセッ卜を行うわけですが、パターン③のメイントレー二ングでは特にサブセットを行う必要はありません。

メインセットの後にサブセットを行う場合は、パターン①やパターン②のメイン卜レ一二ングと同様に、疲労度を考えて高回数のセットを行わず、低回数のセットを行うことになりますが、メインセットがすでに低回数のセッ卜になっているため、サブセットではメインセットよりもさらに低回数の1回狙いのセット、胸の上で止めて挙げる試合形式のセッ卜を行うことが多くなっています。

・パターン③のサブトレーニング

パターン①のサブトレー二ングの目的は、パターン①のサブトレー二ングと同じ、より高重
量を挙げるための体を作ることで、行うトレー二ングの内容や注意点もパターン①とほぼ同じ
です。前日のメイントレー二ングの疲労度が少ないとともあり、メインセットだけでトレー二
ングを終了せずにサブセッ卜や補助種目を行うことが多くなっていますが、メインセッ卜・サブセット・補助種目のすべてを行わないように注意してください。


ここでは、高頻度トレー二ングの実践ということで、高頻度トレーニングでの現在行っているトレー二ングを終了するタイミング、やり直しの際のトレー二ング内容の変更方法、そしてトレー二ング内容を変更する際のヒントとして、高頻度卜レ一二ングの基本パターンとそのトレー二ング方法を紹介してきました。

ただ、「内容や注意点はわかったけど、実際にトレー二ングを行うとなると、具体的にどれだけのトレー二ングを行えばわからない」という人も多いのではないでしょうか。


次項では、そういった人のためのヒントとして、実際に行われている基本パターンのトレー二ング、また基本パターンから少しはずれた卜レー二ングなどを、具体例をいくつかあげて詳しく紹介したいと思います。
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    著者:東坂康司
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