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女性とウェイトトレーニングの迷信

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掲載日:2017.10.27
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多くの女性たちがウェイ卜トレーニングを行うと、ムキムキのマッチョになるのではないかと考えているようです。しかし、それは大きな間違いです。
筋肉をつける、という観点から言うと、女性は効率的ではありません。

男性の体内には、テストステロンがあります。テストステロンとは、力の強さや筋肉のサイズを増やし、脂肪の現象を助けてくれるホルモンです。
また、テストステロンは、筋肉と脂肪の割合を変えてくれます。つまり、筋量の増加を助ける一方、脂肪の増加を抑えててくれるのです。
ですから、男性は元々、筋量が多く、脂肪が少ないのです。

男性に比べると女性は、脂肪の割合が多く、筋量は少ないのが普通です。しかし、ここで、筋量が多く、脂肪の量が少ない人ほど筋発達が早い、ということを思い返してみましょう。

脂肪の量が非常に少ない女性なら、彼女の骨格にあった筋量をつけることができるはずです。
また、脂肪の量が少ない人、それに生まれながらに(トレーニングをする以前から)筋肉質の人は、代謝が早いはずです。

筋量をたくさんつけようと思うなら、この代謝が速いことも必要条件の一つです。
テストステロンはまた、男性を女性よりも攻撃的にします。多くの筋量をつけるためにはハードトレーニングが必要であり、ハードトレーニングを行なうためには多少の攻撃性、つまりテストステロンが必要なのです。

女性ビルダーは男性ビルダーと同じくらい大きいと思い込んでいる人が多くいますが、これは誤りです。
実際は、ドリアン・イエーツが120kgでコンテストに出場しているのに対して、レンダ・マーレーは、そのほぼ半分の65kgなのですから。

メリハリのある体を作るためにもウェイトトレーニングが重要

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体を丈夫にし、シェイプアップしたいと思っている女性で、筋肉はそれほどほしくなくとも、真剣にウェイトトレーニングを行なうことは必要です。

丈夫でシェイプアップされた状態というのは、グッと締まった臀部、脚、腕、そしてハードで平らな腹部をした体を指すのではないでしょうか。あなたは今や、女性が筋肉をつけるのは非常に難しいということが分かったはずです。それは、偶然に起ったり、一夜にして成るものではありません。

ハードトレーニングに正しい食事、それに時間をかけることが必要なのです。
筋肉において生理学的な変化が引き起こされるには、それがある一定の強度を超えて刺激されなければなりません。
その強度の閾値に値しないトレーニングは時間の無駄です。

例を挙げて説明してみましょう。15kgのバーを使い、8レップスでバイセップスをトレーニングしている女性がいるとします。次のバイセップスのトレーニングで、彼女は前回と同じ重量か、もっと重いウェイトを用いなければなりません。
もし、彼女が12kgしか扱わなかったとしたら、筋肉によって知覚される刺激が、前回のワークアウトよりも少ないことになります。よって、生理学的な変化は起こりません。

逆に、彼女が前回よりも重いウェイ卜を扱ったとしたら、生理学的な適応が起こり、腕はまず引き締まり、それから発達し始めるのです。

しかし、腕が太くなるといって恐れることはありません。見て分かるほどのサイズの増加が起こるのは、一年以上にわたる何百回という生産的なワークアウトを経た後なのですから。

小さくなることと脂肪が減ることは別

脂肪の少ない体を手に入れるための最も効果的近道は、ウェイ卜トレーニングなのです。
ウェイトトレーニングは、筋肉をつけると同時に、カロリーを燃やします。有酸素運動がカロリーを燃やすだけなのに対して、ウェイトトレーニングは筋肉をつけるのです。このように筋量が増えると、ただ座っていても体がより多くのカロリーを燃やすようになります。

たった0.5kgの筋肉をつけるだけで、一日に30~50カロリーは多く燃やすことができるようになるのです。
また、筋量が増え、脂肪が減ってくると、体がカロリーを脂肪として蓄えるよりもむしろ燃やす方向へ向かうようになります。

有酸素運動は確かに優れたファットバーナーですが、多くの人々(特に女性)の場合、それだけでは、ただやせる、つまり元の体型の欠点はそのままで、一回り小さくなるにすぎません。
脂肪を減らす一番の方法は、ウェイ卜トレーニングと正しい食事によって筋肉をつけることなのです。

食事からは、ハードトレーニングから回復するのに十分なだけのカロリーを摂らなければなりません。しかし、もちろん摂りすぎは脂肪の蓄積につながるので注意が必要です。

先程言いましたように、筋肉をつけることは代謝のスピードを上げ、より多くのカロリーを燃やすことにつながりますし、さらに、ハードトレーニング中に使われるカロリーの消耗により脂肪が減ることもあります。

  • ■究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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