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アスリートの強化運動といえばこれ!リフトアップの方法

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掲載日:2016.09.29
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リフトアップ(狙いとする筋肉-脊柱起立筋・主に下部)

動作に使用する主な筋肉
脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋、上腕二頭筋、三角筋など

スポーツ選手の強化運動と言えばリフトアップ(ハイクリーン)といわれるくらいに広く行われています。この種目は特殊性があり、ポジスタートの上素早く加速をつけることによって動作が成立します。パワーという概念に一番近い種目でもあります。

呼吸
最初のスタート時だけ、しゃがんだ位置で息を吸い呼吸を止め、重量を挙げながら息を吐いていきます。
重量を下降させるときに息を吸い込んでいきます。
2回目は下で吸い込んだままキープし、挙げながら吐いていきます。

テンポ
床から勢いをつけ素早いタイミングで(瞬間的に)挙上します。
下降も素早いタイミングで行いますが、挙上時よりややゆっくりとしたテンポで行います。

フォーム
リフトアップの正しいフォーム

リフトアップの正しいフォーム

デッドリフト(前述)のスタート姿勢から、素早いタイミング(瞬間的に)で挙げるようイメージし、背筋を伸ばし姿勢よくシャフトを体の近くを通過させるように肩まで挙上します。真下に落下させるようにし、床につく直前に急ブレーキをかけるように置きます(床に付けないようにギリギリで行う方法もあります)。

この一連の動作を繰り返していきます。横からシャフトの軌跡を診れば、ほぼ鉛直線上に挙上下降するのがベストです。

代表的に起こりやすい、悪い例

腕の力で返そうとしている悪い例

腕の力で返そうとしている悪い例

①腕の力でシャフトを返そうとしている(瞬間姿勢)

初期段階においてよく見られる動作です。基本的に下半身の筋力を上半身、更に上肢の末端部位へ伝える種目であることを理解しましょう。したがって、写真の動作は「脚が使えていない」と思われます。

動作初期の段階で手首を必要以上に上へ向けてシャフトを返そうとすると、横から見てシャフトが半円を描くように挙上され、直線的な挙上が出来ません。このことからリフトアップ一連の動作の筋肉使用の収縮タイミングがバラバラになり、運動ロス(挙上ロス)が起きるので、重量が挙がらないばかりか狙いとする筋肉に効果が薄くなります。
背中が丸くなっている悪い例

背中が丸くなっている悪い例

②背中が丸くなっている

腰を丸めて引き上げようとすると、大きな圧力(通常の3~5倍程度)が腰椎に加わり、非常に危険です。素早く行う種目なので、このことからも特に注意しましょう。
上体が反っている悪い例

上体が反っている悪い例

③上体が反っている

抱え上げたシャフトの返しと同時に、重量を支えるため膝を曲げ中に身体を入れ込むタイミングがずれたパターンです。また、背筋部分だけで挙上しようとした場合にも同じようなフォームとなります。高い位置でキャッチしているため、保持が難しいうえ後ろにバランスを崩しやすく危険なフォームです。


技術とスピードを要する種目である為、習得に時間がかかると思われます。上半身と下半身を連動させる全身のトレーニングで、冒頭の説明にもあったように競技スポーツの動きに直結しやすい動作になります。

呼称が「ハイクリーン」「パワークリーン」「クイックリフト」等呼ばれていますが、私たちは「リフトアップ」と呼んでいます。
  • スポーツトレーナーが指導しているこれが正しい筋力トレーニングだ!
    2008年5月20日第3版発行
    著者:21世紀筋力トレー二ングアカデミー
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社