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医師が教えるシックスパックを作る方法

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掲載日:2021.09.20

シックスパックを作るために必要なことは?

まずはシックスパックの基本情報を覚えておきましょう。
トレーニングでどこの筋肉を稼働させているか把握して、その腹筋の部位をしっかり意識してトレーニングを行うことが大切です。
腹部の筋肉には、腹横筋や腹斜筋、腹直筋など様々な筋肉が存在し、バランスよく鍛えないと“美しい”シックスパックに仕上がりません!最大限の効果を得るためにも、トレーニング方法の前に腹筋の部位や鍛え方を把握しておきましょう。

シックスパックの基礎知識①|お腹を割るために鍛えるべき筋肉とは?

①シックスパックで最も重要な腹筋の筋肉「腹直筋」

「腹直筋」はシックスパックトレーニングにおいて、最も重要な筋肉です。腹直筋とはお腹の表面にあたる筋肉で、シックスパックを形づくる重要な部位になります。
腹直筋は一つの大きな筋肉の板ですが、そこにスジ状の腱が押し当てられることで、腹部の凹凸を作っています。従って、シックスパックは本来、誰にでも備わっているということです。貴方の努力次第でシックスパックは簡単に手に入れられますよ!

②綺麗なシックスパックを作るのに欠かせない「腹横筋と腹斜筋」

バランスのとれた綺麗なシックスパックを追求するなら、腹直筋の内側に位置する「腹横筋」とお腹の横にある筋肉で腹壁を作っている「腹斜筋」のトレーニングも同時に行い、腹筋全体をバランスよく鍛えて、横から見ても美しいシックスパックを作ることが大切です。

シックスパックの基礎知識②|脂肪を減らせばお腹は割れる?

本来腹筋は割れた構造をしているのに、シックスパックがある人とない人の差は何が違うのでしょうか?
それは、筋肉の発達度合いと皮下脂肪の厚みです。どんなにお腹の筋肉を発達させても、皮下脂肪が厚つければあれば、脂肪に隠れてしまって、綺麗なシックスパックにはなりません。シックスパックを作るために毎日腹筋をしているという方も多いですが、シックスパックを作るためにもっとも必要なのは「体脂肪を落とすこと」です。シックスパックを最短で作りたいのであれば、腹筋運動だけでなく、脂肪を落とすための有酸素運動を組み合わせる事が大切です。
「お腹周りの体脂肪を落とすこと」と「腹筋を鍛える」の両方が行う事が大切です。

シックスパックの筋トレメニュー|短期間でお腹を割る効果的トレーニング方法とは?

シックスパックにおける基本情報を確認したところで、シックスパックに効果的な5種類のトレーニングメニューを解説していきます。各筋トレの正しいやり方からコツまでしっかりと把握して、理想のシックスパックを手に入れましょう。
どのトレーニングも、腹筋をしっかりと収縮させるのがポイント。鍛えたい箇所を意識して、反動を使わずに負荷をかけましょう。綺麗なシックスパックを作るためにも、お腹周り全体をバランスよく鍛えてください。

筋トレメニュー1 腹筋ローラー(3分)

腹筋ローラーは、シックスパックを作るのに最適な筋トレ器具と言えるでしょう。簡単に負荷を調整でき短時間でも腹直筋を効果的に鍛えられるので、時間のあまりない方におすすめです。腹筋と背中の筋肉を同時にも鍛えられるため、効率よく体を作り込めます。

【方法】
腕立て伏せの状態を作ります。
腹筋ローラーのグリップを握り、膝をつき、目の前の床に体重をかけていきます。
目の前の腹筋ローラーをコントロールしながらできるだけ遠くに転がします。
できれば、鼻が床につくくらいまで遠くに転がすようにしてください。
限界まで押したら、コアマッスルを収縮させてローラーを手前に引き寄せ戻します。これで1回分です。
コアマッスルをしっかりと締め、背中をまっすぐに保つようにしてください。

【時間・回数】
1セット、8〜10回繰り返します。30秒から60秒の休憩を挟んで3セット行います。10回 × 3セット。

【腹筋ローラーを使ったトレーニングのコツ】
・限界までしっかりと押す
・腰を曲げすぎない
・腹直筋を意識する
・グリップを握り込みすぎない
腹筋ローラーを使ったトレーニングで重要なコツは、アイテムを握り込みすぎないこと。腕に力を込めてしまうと腹筋や背筋など鍛えられる筋肉への効果が薄まってしまいます。
腹筋ローラー

腹筋ローラー

筋トレメニュー2 クランチ(3分)

クランチは最も有名で基本的な腹筋運動の1つであり、主に腹直筋を鍛えます。

【方法】
足を床に立てて仰向けになり、膝を90度に曲げて軽く持ち上げます。
腕は顔の横か、胸の前で組みます。
そこから状態を丸めるように起こして、肩を膝に向かって床から持ち上げます。
頭だけを上げないように注意してください。
腹筋への刺激を感じ、それ以上体を起こせなくなったら3秒間キープして、ゆっくりと開始位置に戻ります。これで1回分です。

【時間・回数】
1セット、8〜10回繰り返します。30秒の休憩を挟んで3セット行います。

【トレーニングのコツ】
・首を痛めないよう、少し曲げておく
・腹筋を強く意識する
・全ての動作ゆっくりと行う
・起こす時に息を吐いて、倒す時に息を取り込む
・腰は丸めすぎない
クランチ

クランチ

筋トレメニュー3 ツイストクランチ(3分)

腹斜筋を効果的に筋肥大させられるクランチトレーニングの1つで、綺麗なシックスパックを目指す上で欠かせない筋トレメニューです。

【方法】
普通のクランチと同じように始めます。
仰向けに寝て、膝を90度に曲げて、肩を床から離しますが、同時に、円を描くように膝に向かって斜めにひねります。
ここでも、頭だけを上げないように注意してください。
右肘で左膝に、また左肘で右膝に触れてから、ゆっくりと開始位置に戻ります。これで1回分です。

【時間・回数】
1セット、8〜10回繰り返します。30秒の休憩を挟んで片側2セットずつ行います。

【トレーニングのコツ】
・上半身を持ち上げる時に、頭から持ち上げない
・腹斜筋を意識しながら取り組む
・軽くおへそを見るイメージでトレーニングを行う
ツイストクランチ

ツイストクランチ

筋トレメニュー4 レッグレイズ(3分)

この運動は腹筋の中でも腹直筋下部にとても効果があります。男性の多くが気になる下腹の脂肪へ直接アプローチできる筋トレメニューです。
脂肪の燃焼を感じる準備をしてください。

【方法】
床に仰向けに寝て、息を吐きながら足をゆっくり上げていきます。
約45度の角度になるまで脚を地面からまっすぐ持ち上げます。
この位置で5秒間止めてからゆっくりと脚を下ろします。これで1回分です。
コアマッスルが緊張した状態を保つよう、この運動をしている間は、脚を床につけないようにしてください。

【時間・回数】
1セット、8〜10回繰り返します。30秒の休憩を挟んで3セット行います。

【トレーニングのコツ】
・腹直筋下部を強く意識してトレーニングする
・おへそを見ながら行う
・運動中にバランスを取りやすくするため、腕の位置は胸の前または体の横に置く
・足はできるだけくっつける
ゆっくりとした動作でトレーニングすることでインナーマッスルも鍛えられます。
レッグレイズ

レッグレイズ

筋トレメニュー5 プランク(フロントブリッジ)(4分)

プランクは腹直筋を含めたお腹周りの腹筋群を鍛える腹筋メニューです。プランクは腹筋を刺激するだけでなく、腰の可動性を強化するのにも最適です。

【方法】
床に肘と膝をつけます。
次に、肘とつま先で体を持ち上げ、体をまっすぐにした状態をキープします。
肘は肩の下にくるように置きます。
肘を床に押しつけ、体は床につかないように30秒キープします。
30秒1セットを3回くらいから始めてみましょう。
30秒キープできないときはできる限り長い時間を3セット行います。

【時間・回数】
少なくとも30秒間プランクの姿勢を維持するようにしてください。30秒の休憩を挟んで3セット行います。

【トレーニングのコツ】
・しっかりとお腹に力を入れる
・腰が浮いたり沈んだりしないように体をまっすぐに保つ
プランク(フロントブリッジ)

プランク(フロントブリッジ)

脂肪を燃焼させるのに大切な有酸素運動と食事制限

綺麗なシックスパックを作るには、発達した腹部の筋肉と体脂肪率が重要です。そのため、腹部を鍛えながら、ジョギングなどの有酸素運動を取り入れて脂肪燃焼させることが大切です。
また、シックスパックを作るために食事は必要不可欠です。体脂肪率を減らそうと食事を抜く人がいますが、それはカラダづくりのために適切ではありません。食事を摂らずに体重を落とすと、体脂肪だけでなく筋肉も一緒に大きく減少させてしまうからです。一時的に体重や体脂肪が減るかもしれませんが、リバウンドが起こる確率が高くなります。
筋肉を消耗する分、ちゃんと栄養補給を心がけましょう。基本はタンパク質を中心に、糖質と脂質は控えめな食事を心がけることが大切です。
タンパク質含有量が多い食品類としては、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品などが挙げられます。タンパク質を多く含む肉類は、牛ヒレ肉、豚ヒレ肉、豚もも肉、鶏むね肉、ささみなど。魚介類であれば、サバ、サケ、タラ、マグロ(赤身)が挙げられます。
  • 川上洋平
    かわかみ整形外科クリニック 院長・医学博士
    神戸大学医学部卒業。
    米国ピッツバーグ大学に留学し、膝関節外科、再生医療、スポーツ医学を学び、神戸大学病院、新須磨病院勤務を経て、患者さんにやさしく分かりやすい医療を提供することを目的に、かわかみ整形外科クリニック(神戸市)を開業。
    日本整形外科学会専門医。
    日本整形外科学会認定スポーツ医。