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気圧とトレーニング②

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掲載日:2018.11.12
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

前回は「気圧とトレーニング」について説明しました。
今回は気圧を制する為の身体作りについて紹介していきます。
通常のウェイトトレーニングに加えるだけで、諸症状が改善した方も多いです。

①様々な強度の有酸素運動を行う

身体があらゆる負荷や圧力に耐えうる基礎は、循環器系機能の向上です。特に毛細血管を発達させることは大事です。
その為には低強度の有酸素運動だけでなく、中、高強度の有酸素運動も行う必要があります。
下記が4つに分類した有酸素運動の強度です。

1.有酸素系トレーニング(L1)(最大心拍数の70%以下)
2.LT系トレーニング(L2)(最大心拍数の70~85%)
3.AT系トレーニング(L3)(最大心拍数の85~90%)
4.無酸素系トレーニング(L4)(最大心拍数の90~100%)

②有酸素プログラムの例

ウェイトトレーニングに有酸素運動を加える際には、オーバーワークに気をつけなければなりません。
有酸素運動を取り入れたが為に、本来のトレーニングに支障が出てしまっては元も子もありません。
導入トレーニングメニューとして下記を紹介します。

1週目 L1=30~40分
2週目 L2=20~30分
3週目 L3=15分
4週目 L4=5~10分
※二ヶ月目以降は少しずつ時間を延ばして行きます。

このメニューを行うと、1ヶ月に1度は各強度のレベルの心肺機能が刺激されて、身体に様々な圧力がかかり、身体が徐々に適応し強くなります。

③アイソメトリックトレーニングを行う

アイソメトリックトレーニング(等尺性収縮運動)とは、筋肉の長さを変えずに力を発揮するトレーニングです。
通常のトレーニングと比べて身体に圧力がかかり、血圧も上昇します。
血圧が高い方が急に行うのは危険を伴いますが、身体に瞬発的に圧力を加える訓練としては有効です。また下記のような効能もあります。

①筋肉のモーターユニットを活性化する効果もあるので、筋発達しづらい苦手な部位に行うと、トレーニングの神経伝達が良くなります。

②スティッキングポイントの克服、バーベルが挙らなくなるポイント=スティッキングポイントにバーを固定し、アイソメトリックトレーニングを行うと、苦手なレンジの筋力強化になります。

④アイソメトリックトレーニングの例

あくまで種目の紹介ですので、まず1種目から始めて、筋肉の神経伝達に刺激を入れるつもりで取り組んでください。

① 壁を押す 6~8秒 3セット
② 腕立て伏せの中間地点で制しする 15~30秒 3セット
③ 挙らない重さのデッドリフトを引く 6~8秒 3セット
④ パワーラック、スミスマシンでレンジを制限して、ベンチプレスなどを行う。
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まとめ

今回は気圧に対しての身体作りのトレーニングメニューについて紹介しました。
有酸素、無酸素運動で身体の基礎体力がつくことによって、天候や気圧にも左右されないパフォーマンスが身につきます。

次回は気圧に対して大事な身体の部位、「内耳」「頸部~上背部の筋群」のケアを中心にお話します。


次回:気圧とトレーニング③

  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝