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気圧とトレーニング③

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掲載日:2018.11.30
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

前回は「気圧とトレーニング②」について説明しました。
今回は気圧を制する上で大事な、「内耳」「顎関節」「頸部~上背部」の筋肉のケアを紹介していきます。

① 気圧に対する内耳の働き

気圧の変化などで起こる不調=気象病は、内耳の三半規管の「気圧センサー」からの情報に、身体が適切な対応ができていないから起こると言われてます。

日頃から生活が不規則、睡眠不足、疲れが抜けないなどの原因で、自律神経が乱れていると不調が起こりやすいです。
具体的には下記の流れで起きます。
① 大気が高気圧から低気圧に変わる→②内耳の気圧センサーが、身体のバランスが崩れたと感じます→③その時視覚は身体のバランスが崩れていないと思ってます→④内耳と視覚からの情報が反するので脳が混乱します→⑤交感神経が興奮し、内耳の血流が低下し、目眩を起こしたり、痛みの神経を刺激して、関節痛や偏頭痛が起きます。

② 内耳の血行を良くする耳のケア

耳は外耳→中耳→内耳と繋がってるので、日頃触れない耳へ刺激を与えることで内耳の血行も良くなります。
耳を伸ばしたり縮めることで触圧覚の伝達が活性化し、平衡感覚なども良くなります。
①  耳の上を持ち、20秒~30秒グルグル回す。心地よい感じの負荷で十分です。

① 耳の上を持ち、20秒~30秒グルグル回す。心地よい感じの負荷で十分です。

②  耳たぶを持ち、20~30秒グルグル回す。心地よい感じの負荷で十分です。

② 耳たぶを持ち、20~30秒グルグル回す。心地よい感じの負荷で十分です。

③ 顎関節の負担を減らす

顎関節の過剰な負担は、頭部の内圧も上がるので、気圧の変化に対して弱くなります。
トレーニング中に歯を食いしばり過ぎたり、咀嚼の時に片側の口で食べ物を噛んだりすると、咬筋などの咀嚼筋、顎関節の負担が増します。

※睡眠時に無意識に歯ぎしりしてる方は、何らかのストレスを受けてるので、日々のケアと就寝時にマウスピースなどをするのも手段です。

④ 顎関節の脱力とケア

下顎を下げて咀嚼筋を脱力させます。手を当てることで耳の下に隙間ができるまで下げます。

下顎を下げて咀嚼筋を脱力させます。手を当てることで耳の下に隙間ができるまで下げます。

⑤ 頸部〜上背部の筋肉のケア

ストレートネックなどの頚椎の負担は、聴覚、視覚、平衡感覚などにも悪影響が出ます。
僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、板状筋、半棘筋などの筋肉の硬化、身体重心の前傾癖などが症状を悪化させます。

日頃の立ち姿勢、座り姿勢に気をつけ、上記筋群の筋肉の緊張状態は日々チェックし、トレーニングやストレッチなどでセルフケアしましょう。

詳しくは三橋トレーナーの過去のコラムに書いてあります(´∀`)(笑)

まとめ

今回は気圧の変化に密接な関係がある「内耳」「顎関節」「頸部〜上背部の筋肉」のケアについて触れました。
次回は気圧と酸素カプセルについてご説明します。


次回:気圧とトレーニング④

  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝