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トップ選手のトレーニング "トランポリン" #1技術編 ナショナルチーム監督 中田大輔

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掲載日:2017.12.08
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国内最高峰である日本代表選手達を率いるチームにおいてトレーニングはどう行われているのか。
日本体操協会 トランポリン強化本部長とナショナルチーム監督を兼任し、日本選手権7連覇、日本選手権30回連続出場という前人未到の競技歴を誇る中田大輔氏に、トレーニング×競技スポーツという観点から話を伺った。

トランポリンの魅力

中田大輔氏

中田大輔氏

器具を使っているとはいえ、身体1つで7~8mもの高さへ浮いて空中を舞台にして自在に動くという非日常的な楽しさがあると思います。
人は嬉しいときには飛び上がって表現したり、空を飛びたいという代表的な夢がありますがそれに限りなく近いものです。

トランポリンのルールとして、最初の技に入ってから10回連続で全て違う技を行わなければならず、その高さ、美しさ、難易度、トランポリンの真ん中で行えているかの4つが採点のポイントとなります。
演技時間でいえば20秒程で、その20秒のために練習をしています。

いろいろなイベントで子供達にもトランポリンを体験してもらうと必ず笑顔になりますので、競技としても、動きとしてみても深い魅力があると思います。
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トップへ行く者と跳んでいない時間

もちろん練習をたくさんやらなければ技術は上達はしません。
しかしトランポリンに限らず他の競技にも共通して言えることだと思いますが、家にいても上達するために研究をすることはできます。
上手い人の動きをしっかりと見て、技術を比較して研究する。ただ跳ぶだけが練習ではなく、頭を使って上手い人とそうでない人の違いを見つけることが大切です。

通常、トランポリンは2時間前後の技術練習がありますが、1人1分程跳んだら交代するということを20~23回繰り返し行います。
それらを合計すると実際に跳んでいる時間は20分前後にしかなりませんので、跳んでいない時間をいかに有効に使うかということが非常に重要になってきます。

いい選手ほど、その空き時間をイメージトレーニング等に充てたりして有効に活用しています。
頭でイメージができていないと実際にやろうとしても上手くできません。特に空中の場合はなおさらです。最近ではオリンピックレベルの選手もイメージトレーニングを多く取り入れています。

十数時間もの練習を行う選手や競技もありますが、トランポリンは集中力が切れると大怪我につながるので、数時間続けての練習は効率的ではないと考えています。

トランポリンで身体にかかる負荷は15Gと言われていて、体重が60キロの人ならば1トン近くの負荷に相当します。
それだけの大きな衝撃と負荷が都度加わることも考えると、やはり短時間に集中して練習を行ったほうがいいと思います。

世界大会優勝のレベルでも10回連続で技を続けることができない事がある程に一発勝負的な要素が強く、とにかく10回やらないと成立しません。
9回まで完璧でも10回目で少し手でもついてしまえばメダルの可能性はほぼゼロになってしまいます。

トップになるためには

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トランポリンをやるにはまずどこかのクラブチームに入門します。なんでもそうだと思いますが、その最初に入るところで先々がだいたい決まってしまうことが多いです。
有名なクラブであっても、そこの指導方針や教え方が子供の頃は良くても大人になると悪い癖が残ってしまって直りにくくなります。

どこのチームでもショーでもいいので顔を出して、トップ選手や関係者と繋がりを持ち、どういう選手になりたいかを相談してみることをお勧めします。

良い指導者のもとで練習しなければ伸びるものも伸びません。身体の捻り方1つだけとっても、高さを出しながら捻るための技術はチームによって全く違うので、三人くらいに意見を聞いて慎重に吟味してほしいです。

これはトランポリンに限らず、どのスポーツにおいても言えることだと思います。最初に教わる指導者、ファーストコーチによって全く先が違ってきます。もちろん、それだけ教える側の責任も重くなります。

通いやすいところに練習場所があるのが理想ですが、少し遠くても良い教え方をしているクラブがあればそちらで教わるほうがいいです。

海外だとフランス等は体育の授業がなく、午後は各々が選んだ学外のクラブに通っています。これにより小さい頃から高校でも大学でも同じコーチから教わり続けることができます。

日本は小中学生は強いのですが、それ以降で崩れていってしまう選手が多いように思います。高校に入って指導者が代わり、方針が合わずに潰れていく。
他のコーチの意見も大事ですが、何より一貫した指導が大事です。
そのためのクラブ選びは本当に重要になります。しかし、学校に関しては特待生の制度なども含めてくると判断に迷うこともあるかと思うので、そのあたりは難しいところです。

トップの資質

一番持っていけなければならないのは、努力する才能です。これさえあれば最初はなかなかうまくいかなくても後から追いついてきます。
実際、皆の見ていないところでひたすら努力を重ねて今日本の5指に入った選手もいます。いくら優秀な素質や能力があっても、努力する素質がなければ結局上までは行けないのです。
センス的な部分もありますが、選手自身のメンタルを養う意味も含めてそこが一番重要です。

トランポリンは体重が重ければより沈みやすく、より上がりやすくなります。しかし自身の筋力で支えられる負荷を超えてしまうと膝や腰に過度なストレスがかかってしまいます。
体重が軽すぎると筋力に頼って跳ばなければならないので、自分のベスト体重を知り、増やしていい重さまで増やしてなるべく自体重を使って沈めて上がるのが理想です。

ちなみに自分は25年近く体重を変化させず、一定に保っています。先日も全日本選手権に出たばかりで、体重階級制ではないにせよ自身でのウェイトコントロールが非常に大事な競技です。

トップ選手のトレーニング "トランポリン" #2 フィジカル編 はこちら

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