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全ての人が長くステージに立てる環境を NPCJの描く「ボーダーレス」フィットネスの未来 #1

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掲載日:2018.05.02
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ボディビル、フィジーク、ビキニの3部門においてIFBB PRO LEAGUE(IFBBプロフェッショナルリーグ)と契約し、2018年に日本初となるプロライセンスの発行権利を得たNPCJ。
プロライセンスの取得までの流れやその後の活動、そして他に例を見ない多様なコンテストの開催で広く門戸を開き続け、先々に描く未来についてNPCJ理事の堺部元行氏、事務局長の石崎洋平氏に話を伺った。

日本初のプロライセンス発行制度について

本件に関して説明をしますと、まず国際的なボディビル団体であるIFBB PRO LEAGUE(IFBBプロフェッショナルリーグ)というのがあり、それが昨年9月にアマチュアとプロに分かれて活動を開始することになりました。

そして我々NPCJがIFBBのプロフェッショナルリーグと単独で契約をしたことで、日本国内で2018年からプロクオリファイ(プロの資格を与えるための予選会やコンテスト)を開催する権利を得ました。

プロ認定を受けるための流れとしては、まず日本で2018年度に開催する「NPCJ GRAND PRIX SERIES」(グランプリシリーズ)のビキニ・メンズフィジーク・ボディビルディングの各カテゴリー、オープンクラスにおいて3位以内に入賞するか、もしくは、もしくは、CJBBFが主催する大会で5位に入賞することでプロクオリファイへ参加する権利を手にすることができます。

それらの予選で上位に入った選手が、11/17日に開催される「IFBB PROFESSIONAL LEAGUE PRO QUALIFIER」(プロクオリファイ)に参加することができ、フィジーク、ビキニ、ボディビルの各カテゴリのオーバーオールの優勝者1名ずつ、合計3名にプロになる権利が与えられます。

そして即日プロライセンスを発行し、その翌日の11/18にプロとして「IFBB PROFESSIONAL LEAGUE JAPAN PRO」に参加することができます。

どのカテゴリも自由に移ることができる

海外ではプロフェッショナルリーグと契約をした団体、個人、プロモーターがコンテストを開催して、3~7段階に分かれたカテゴリのオーバーオールで優勝した選手がプロカードを手にすることができます。

現在、日本では海外のように全てのカテゴリでプロクオリファイを開催することはできず、今年度に関しては日本初開催となるため、契約した3つのカテゴリ(フィジーク、ビキニ、ボディビル)のみでの開催になります。

NPCJとしては誰でも参加ができるという方針で進めていますが、プロクオリファイに関してはプロに相応しい選手を選出するために高いレベルにしたいと考えています。オープンの部で3位に入賞する事が「IFBB PROFESSIONAL LEAGUE PRO QUALIFIER」の出場条件にしているのもそのためです。海外の選手は、実績を鑑みてジャッジ委員会で出場の可否を決めます。

また、IFBB PRO LEAGUEのプロライセンスはおもしろい制度があって、選手あたり一枚のプロカードしか発行されないのでカテゴリを自由に移ることができるんです。例えば、フィジークのカテゴリでプロになってもボディビルのカテゴリに出ることができます。その逆ももちろんOKです。女子もプロライセンスを得ればフィギュアで出ていいし、フィットネスやビキニで出ても良いのです。

プロライセンスを得た選手の今後

山岸(秀匡)プロも、プロになった直後は非常に苦労をしたと言っていましたが、出場人数枠が決まっているプロのコンテストにおいて、運営側は観客を集めたいので人気があったり有名な選手が優先されてしまったりなど、かなりシビアな面や障壁もあります。
せっかくプロカードを取ったとは言っても、すぐさまプロの大会に出られるとは限らないのが現状です。

特にルーキーはロビー活動やネットワークを作ることが非常に大事になってきます。山岸プロとアドバイザーとして提携しているのもそういった事情があります。

なので、我々は今まで培ったネットワークを活かして、日本でプロカードを取った選手にマネジメントをして、プロモーターと交渉をして大会に出られるようサポートをするなど、プロとして選手が自立できるまで支援をしていこうと考えています。それもNPCJの主旨の一つです。

NPCJは、子供から大人まで、初めて出る人でもベテランでも、全ての人に対して各々がステップアップしていくためのカテゴリがあります。

さらに、それらを通してトレーニングに対して将来的な展望を抱いた時に、それを仕事にできるように、それをサポートしていく事もNPCJの役割であり、スタンスにしています。現在は四名だけですが、NPCJ公認トレーナー制度も構築を随時進めています。

エキスポとコンテストの同時開催について

海外のコンテストはフィットネス系のエキスポと対になって開催されることが多く、アスリートとしてのコンテストに即したサプリ、ウェア、エクイップメント等が並んでいて、このやり方を同じように日本でも行います。

最近ではアジア圏を含めた海外からも、展示されたサプリやウェアの問い合わせがかなり入ってきているので、プロクオリファイの開催に関しても日本国内のものだけでなくもっと大きな形になっていくと考えています。

現在、日本のプロクオリファイはボディビル、ビキニ、フィジークの3つのみとなっていますが、来年はこれにクラシックフィジークを加えるとか、女子のフィギュアを加えたり等、どんどんカテゴリを増やしていきたいです。

プロクオリファイはカテゴリごとにIFBB PRO LEAGUEとの契約金が発生するので、一つカテゴリを増やすだけでも結構なお金がかかってしまいます。

実際に参加するユーザーもニーズもわからないので、まずは日本でもメジャーなこのカテゴリでやってみる。それでニーズが多ければ、来年のカテゴリを増やしていく。
IFBB PRO LEAGUEとは永続的に契約していく形になっているので、我々としては中・長期的に見ていく方針です。

まだIFBBに対して何も実績を残していない

先日、IFBB PRO LEAGUEの会長であるジム・マニオンと日本の方向性に関して話をしてきました。
日本において、まずは年間を通してプロを輩出していくのですが、イタリアでは年に6回ものプロクオリファイが開催されています。

アジアの諸外国からも日本に来やすい事を考えると年に2、3回はプロクオリファイをやりたいという依頼をしているのですが、IFBB PRO LEAGUEからは「まずはやってみてから」と言われていて、初回の反応や様子見をしている状況です。

去年日本で開催されたワールドレジェンドクラシックをIFBB PRO LEAGUEの責任者であるロビン・チャンが見に来ていて、「アジアでの日本のコンテストのレベルは高い」との評価を頂きました。それでもまだ、プロクオリファイは一度もやってないから、今後の事はまずやってみて決めていこうということです。

また、IFBB PRO LEAGUEのコンテストを行うときの主催や運営は我々NPCJなのですが、ジャッジは全員IFBB PRO LEAGUEの方々なんです。国外から7名の審査員を呼ぶので、それに対する諸経費も多くなってしまうので、随時調整しながら進めていこうと思います。

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