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IFBBプロ山岸秀匡 トレーニングセミナーinミッドブレス 後編

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掲載日:2018.07.06
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2018年6月3日、世界で活躍するIFBBトッププロ・山岸秀匡選手の帰国に伴い、わずかな日本滞在時間の合間にバルクアップやダイエット、ニュートリションを網羅したセミナーがミッドブレス初台にて開催された。
初心者から上級者まで、幅広く活用できる内容となったセミナーの当日の様子をレポートする。

筋肉を作るのも、身体を変えるのも食事

基本的に朝は炭水化物は摂りません。
朝はグリコーゲンが少なくなってるので脂肪燃焼しやすい状態になっています。
トレーニング後も脂肪燃焼しやすいですが、トレーニング後は筋肉を発達させやすいためそれに専念します。

ラスベガスだと歩く機会が少ないので、トレーニングに加えてあえてカーディオ(有酸素運動)をやらないと消費カロリーが増えません。
主に電車で移動している人はある程度動いているので、有酸素運動をそこまで優先して行う必要はないと思います。
普段からある程度動いている人が有酸素運動を行うと、逆に消費カロリーが大きくなってきてしまうので、筋肉を大きくするには不向きです。

筋肉を作るのも、身体を変えるのも減量するのも食事です。
ダイエットで一番効果があるのも食事で、その後に有酸素運動という順位が来ます。

炭水化物の体作りへの活用

また、トレーニングをする日としない日で炭水化物の量を変えます。
体脂肪を増やさずに筋肉量を増やす効果的な方法は、炭水化物の量を変えること。
一つのやり方として、トレーニングをする日は炭水化物を増やし、やらない日は減らすというようにアップダウンをつけます。

自分が勧めるのは、2日間炭水化物を多く摂って1日空ける。これで身体の変わり方見て調節していく方法です。

年齢や性別、体重から、およそのBMR(basal metabolic rate)を算出します。BMRは基礎代謝と呼ばれる、生きていくために最低限必要なエネルギー量です。それに日常生活で使うエネルギーを加えた合計量よりも、食事によるエネルギーの摂取量が多ければ体重は増え、それより少なければ減ります。

それをずっと続けていくと、筋肉も増えますが脂肪も増えてしまいます。
脂肪をなるべく増やさず筋肉量だけを増やしたい場合に、この炭水化物のアップダウンはすごく役に立ちます。

まず自分の食事からどれくらいエネルギーを摂っているのかを知った上で、こういった調節を試してみることをおすすめします。100人いれば100通りの栄養状態があると思います。

しかし一つだけ誰にでも言えることは、タンパク質の摂取量は体重の数字の3~4倍を摂るべきということ。体重が100kgならば400gのタンパク質を目安に摂取する。これはトレーニングをしていれば誰しもに共通して言えることだと思います。

脂質からエネルギーをつくることによる変化

脂質は、先程の必須アミノ酸と同じように「必須脂肪酸」というものを必ず摂らなければならず、これは細胞膜の原料になったりします。しかし自分は必須脂肪酸を食品から摂ることをしなくて、サプリから摂っています。食事は極力低脂肪に抑えるためです。

筋肉のハリを維持するためにも、炭水化物をメインのエネルギー源にする事が必要です。
ボディビルは単純に筋肉を大きくするだけでなく、もちろん見た目も重要です。そのため、炭水化物が不足することで筋肉がフラットになってしまうと見た目が悪くなってしまいます。
 
以前、炭水化物を全く摂らない「キトダイエット」という、脂質から栄養を摂る食事法を試してみましたが自分には向いていませんでした。ただ、これは病的に肥満していたり、すぐに体重を落としたい場合には有効だと思います。

炭水化物を摂らない事でエネルギーが枯渇している状態を7~10日続けると、身体が脂質を燃やしてエネルギーにする事を覚えて、体調のアップダウンがなくなってきます。なので食欲も出ず、その状態が楽になってくるのですが、筋肉量を増やしていくことには向かないと思います。

プロのボディビルダーにも体重や筋肉量を増やしにくいハードゲイナーは多いです。
出るホルモンの種類にも個人差があって、脂肪が作られる速度が違ってきます。

ハードゲイナーに共通するのは、新陳代謝が高い上に消化吸収がいまいちの点だと思うので、一回の食事量を増やすことも大事ですが、それ以上に食事の回数を増やすことが大事です。

そのために消化吸収を促すサプリを試してみることも重要です。自分のおすすめはビオフェルミンを一回3錠、一日に3~4回摂ること。これはもう何年も続けています。
いくら栄養を摂っても、吸収されなければ意味がないのです。

また、ナッツ類には必須脂肪酸が多く含まれているのでキトダイエットにも向いていると思います。
個人的な見解ですが、指導をしていく上でピーナッツバターを摂るように言うとどうしても量を多く摂りすぎてしまう傾向があるように思います。スプーン一杯だとしても、ものすごい大盛りの一杯だったり。

摂取カロリーと体重の関係

あとよく聞かれるのは、一日にどれだけの肉類を摂るかということです。
自分は一日に炭水化物を700gほど摂るので、そこに脂質の多い肉類を加えてしまうと摂取カロリーが跳ね上がってしまうので、牛肉ではなく白身魚、卵、チキン等の低脂肪なタンパク源を摂っています。

年齢のことを言ったら怒られてしまいそうですが、最近はオフシーズンということもあり、あまり身体を大きくすることを特別に強く意識しないで自然にいられる状態を保っています。

もちろん、オフシーズンに身体を作るということは非常に大事なのですが、20年30年やっていると、1年で急激に大きくなるということもないので、コンテスト前には体を大きくするような食事とトレーニングを行いますが、オフシーズンでは休ませている事が多いです。

年齢に応じて色々と調節をしていくことが大事だと思いますが、体重を常に重くしているということはやはり、あまり良くない。
無理が効くのは若いうちだけなので、20~30代の内にベースを固めておくということをしてほしいです。そうすれば、歳をとってもちょっとやそっとでは筋肉も落ちにくくなってきます。

塩分は悪者として見られやすい

塩分はトレーニング中に筋肉を収縮させるのに不可欠なので、トレーニングをしている人は腎臓が弱いとか特別な理由がなければ多く摂ったほうが良いです。

自分がおすすめしているのは、1食につき1gの塩を摂ること。1gのナトリウムはティースプーンの半分ほど。一日6回食事をするならば6g。
 
塩の量と関連しているのが水の量で、塩1gにつき1リットル、6gの塩ならば6リットルを飲むことを勧めています。

コンテストの前に水分や塩分を調節する時に、これらの影響や変化がわかっていないと対応しきれません。そのためにも、普段からある程度塩や水の変化も見ておいたほうがいいと思います。

無理に食べるよりもしっかりと吸収すること

トレーニング、栄養、休養の三本柱でいえば一番軽視されがちなものが睡眠です。
自分も、20代でもっと睡眠をとっていたら進歩が早かったのではと少し後悔しています。今になって重要性がわかりました。いくらトレーニングをして栄養を摂っていても、回復は寝ている間に行われるので寝なくてはいけない。理想的な睡眠時間には個人差があると思いますが、少なくとも6~8時間はとるべきだと思います。

また、発汗が多いのでマルチビタミン、ミネラルは必ず摂ります。
睡眠の質を高める目的で亜鉛も摂っています。しかし、繰り返しになりますが大事なのは食事です。食事がメインで、サプリで補うこと。

血中の栄養濃度を増減させないようになるべく同じ状態を保つことも大事で、そのために2~3時間おきに食べていくと一日5~6食になります。

自分も昔、とにかく食べろと、美味しくなくても無理やり食べろと言われていた時期があります。でもそれはあまり良くなくて、人間、結局嫌なものを食べても消化吸収がしにくいのです。量が多すぎても消化吸収しきれないので、無理のない量から始めて、少なくてもしっかり消化吸収するほうが良いと思います。

疲労は好きなトレーニングを義務にする

休養に関して、まずは疲労しすぎないこと。
自分である程度の目安はわかると思いますが、例えばコンテスト前等に、やらないよりはやるほうがいいだろうと考えて頑張ってしまう。
コーチが付いていれば休むようにも言われるのですが、自分ひとりだとそれができない。

最後の最後、動きにくくなってきて歩くこともやっとになって、ようやく気づくようでは完全に遅い。そこから回復させるには1~2ヶ月かかります。自分では良かれと思ってやっていることがマイナスになってしまう。
本来はフレッシュな状態でトレーニングに臨みたいのですが、身体が疲労してくると、本来は好きでやっているトレーニングも義務になってきてしまうので、そうなる前にしっかりと休む。

ある程度予定していた休み以外にも、そういった兆候や体調で随時休みを入れるべきだと思います。もちろん、ちょっと気分が乗らなくてもトレーニングをすると結構できてしまうこともあるのですが、まずは疲れすぎないことが大事です。

具体的な目安としては、いつもよりダンベルが重く感じるとき。こういうときは神経系が疲れているので、次の日に休みを入れたりするとその後に良いトレーニングができたりします。

自分の場合はトレーニングが趣味であり仕事。30年間やってきて、いつもトレーニングのことを考えているのですが、やはり楽しくなければいけない。自分が好きなものであれば結果が出る。
それが、義務というか仕事としてトレーニングをやってしまうとそれは違うぞと。

そういうときは少し離れて見るのもいいと思います。
なにより、初心や原点を忘れないようにして楽しくやることが大事だと思います。
コンテストに出るのならば別ですが、とりあえずジムに行ってトレーニングすることは楽しい。

新しい情報の取捨選択

新しい情報にも柔軟になっていく必要があります。
自分は元々飽きやすいので、同じこと続けるのが苦手です。でもボディビルは継続していかなければいけない。その中でどうバリエーションをつけていくか。

新しい情報が入りやすい中、自分でそれを取捨選択していくことが必要です。
アメリカでは、どんなアマチュアでもコーチをつけます。コーチの指導法には色々あるので、コーチがついているにも関わらず、他の人から意見を聞いてしまったりすると迷ってしまう。これは良くない。

自分に指導者がついているのであれば、その人の言うことを信じて聞くこと。
自分も、ミロスについているときにはミロスの言うことしかきかないし、チャールズについているときはチャールズの言うことしか聞かない。

終わりに

毎年コンテストに出てますが、人間、目標があると集中ができて結果も出せる。
コンテスト休むと、同じことをしていても結果が違います。
なので、伸び悩んでる方はぜひコンテストにチャレンジしてほしいと思います。

長くやってきているので そろそろこのへんでいいかなと思うこともあるのですが、
年に1,2回日本に来るたびに皆さんのおかげでモチベーションをもらっています。
今後も、こういった話を聞いてくれた方がコンテストにでたり、目標を達成できたりしたという話を聞ければ嬉しいです。本日はありがとうございました。
山岸プロは2018年11月17、18日ベルサール渋谷ガーデンで開催されるNPCJ最大のコンテスト『NPCJ WORLD LEGENDS CLASSIC』、日本初開催となるIFBBプロカードチャレンジコンテスト『IFBB PROFESSIONAL LEAGUE PRO QUALIFIER』、そして自身がプロモーターを務める日本初開催のIFBBプロコンテスト『IFBB PROFESSIONAL LEAGUE JAPAN PRO』への意気込みを述べた。

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