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IFBBプロ山岸秀匡 トレーニングセミナーinミッドブレス 前編

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掲載日:2018.07.03
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2018年6月3日、世界で活躍するIFBBトッププロ・山岸秀匡選手の帰国に伴い、わずかな日本滞在時間の合間にバルクアップやダイエット、ニュートリションを網羅したセミナーがミッドブレス初台にて開催された。
初心者から上級者まで、幅広く活用できる内容となったセミナーの当日の様子をレポートする。

現在のトレーニング状況について

年々身体が大きくなっていくにつれて、2014年くらいから体重調整に苦労するようなってきて、2016年でアーノルドクラシックを優勝してからは自分の好きな体型に戻したいと思うようになりました。 

オリンピアで返り咲くというのが一つの目標でしたが、3コンテストに出てみて少し身体が疲れを感じます。オフというか、少し作り直す時間をとってまた来年挑戦したいと思っている状況です。

コンテストに出ている人はわかるかと思いますが、順位は審査員が決めるものです。自分の手から離れたもの。どれだけ自分が優勝できると思って出場しても、ほとんどの場合は優勝できない。
それをストレスに感じてしまうと長く続けていけないスポーツだと思います。
もちろん、負けたら悔しくて2、3日はフラストレーションが溜まると思いますが、実際考えてみると全体としては良くなっているという納得がある種の自己満足をもたらすように思います。

ジャイアントセットの理論と考え方

ここ数年、ミロスに教えてもらった「ジャイアントセット」という特殊なトレーニングをやってきています。ミロスと最初に合った2006年から徐々に発展させてきている方法で、だいたい10種目を続けて行う、とにかくキツイものです。同じ部分を2種目続けるとスーパーセット、3種目続けるとトライセット、それ以上だとジャイアントセットと呼びます。

一つの部位でそんなにたくさん続けるのだから軽い重量で行っているだろうと思われてしまいがちなのですが、ジャイアントセットは一種目に対して10回ギリギリでできる重量で2~3セットを行います。

10回ギリギリでできる重量でそんなことをしたら後ができなくなってしまうとお考えの方もいるかと思いますが、種目を移る間の時間が何秒かできてしまうと思いますが、筋肉の回復は思っているよりも非常に早く、種目間のインターバルでも数秒あれば回復を始めてしまいます。

一つの筋肉にそれぞれの割合で速筋と遅筋があるのですが、それらを満遍なく刺激するというのがジャイアントセットの目的で、そのためには従来の10回3~4セットでは足りないというのがミロスの考え方です。

自分も今まで色々なトレーニングを試していますが、その中でも一番効果が高い方法です。
ジャイアントセットは肉体的にも精神的にもキツイのですが、10年20年やってきた中で、感じたことのない刺激を入れることで停滞を超えるのに効果があると思います。

筋の刺激と栄養の2つの理論

また、それと同時進行して裏からサポートする栄養の摂取も非常に大事です。
今ではトレーニング前(プレワークアウト)、トレーニング中、トレーニング後(ポストワークアウト)の栄養摂取の考え方も一般化してきていますが、それぞれのタイミングにおいてサプリを変えることも、最初はミロスがジャイアントセットと同時に考案した方法です。

「トレーニング中に筋肉を壊してトレーニングが終わった後に回復させる」、ミロスはこの考えとは異なり、トレーニング中に壊すのではなく、トレーニング中から筋肉がつきやすいアナボリックな状態にして回復をさせるということを推奨しています。対象部位に血液が集まってパンプしている状態で、筋肉を刺激すると同時に栄養を送り込む。
そのため、ジャイアントセットは「筋の刺激」と「栄養」の2つの理論から成り立っています。

すごくハードに追い込んでいたとしても、その効果を最大限に引き出すための栄養摂取というのがおろそかになりがちです。その2つを組み合わせてこそ真価が発揮されるのです。

ジャイアントセットの実施例とバリエーション

先日行われたジャイアントセットの実技セミナーでは下記のメニューを行いました。
・レッグエクステンション  
・スクワット(スミスマシン)
・レッグカール
・アウターサイ 
・ハックスクワット(正面を向いて10回+反対を向いて10回) 
・インナーサイ
・レッグプレス

※2セット目は逆順で実施

通常は10回がギリギリできるくらいの強度に設定をしますが、先日のセミナーでは種目数が限られている事や複数人での実施のため、いちいち重量を変えると時間がかかってしまうという事もあり20回に設定しました。

マシンの組み合わせに関しては複関節系や単関節系、押したら引くなどの動きに変化をつけるようにします。ミロスがよくやるのは、2セット(サイクル)目は重量を増やしたり、1セット目の種目を逆からやったり。

同じジムで行うのでどうしても種目自体はかぶってしまうのですが、組み合わせや順序、負荷やスピードを変えたりして、速筋と遅筋の全てに刺激を入れるためにもとにかくバリエーションを増やして、違った刺激を与えることが大事です。

一部分の筋肉だけを先に追い込むべきかということについて、それもバリエーションで考えていいと思います。やりたい部分に特化して追い込むも良し、他の部分も含めてやるも良し。

また、一旦動きを止めることも有効な手段です。
ストレッチ系の種目、例えばダンベルフライのストレッチポジションで3秒位止めてストレッチを強調したり、レッグエクステンションのように収縮系の種目は挙げたところで3秒位止めて収縮を強調したり。

1セット(サイクル)で10分位続くのでどうしても疲れてきますが、それでもフォームが乱れてはいけません。そのためにも補助者がいることが理想的ですが、自分ひとりでやらなければいけないときにはフォームが雑にならないようにしっかりと注意をする必要があります。

1セット(サイクル)内の種目と種目の間では極力休息時間を入れないようにしますが、セット間の休息に関しては、そのセットをやるのにかかった時間と同じくらいの長さでとって大丈夫です。それくらいの長さの休息を取らないと次のセットを行うことができないと思います。

トレーニング中のサプリ、ドリンクの摂取に関して

基本的に種目間のインターバルは短くしたいので、よほど喉が渇かない限りはセット内には摂取せずにセット間のインターバルで摂るようにします。

トレーニング中のサプリは、セット間に飲むことでトレーニングが終わった時にはすべて無くなっている必要があります。トレーニング中に飲むことを目的としたサプリメントは、摂ったらすぐに吸収されるので、終わった後にまだボトルに残っているようであれば目的を達していないことになります。飲むべき時にしっかりと飲むことが大事です。

プレワークアウト(トレーニング前)のおすすめのサプリ

・EAA(必須アミノ酸)10g
・シトルリン 7g
・グルタミン 10g
・カルニチン 2g 


欠かせないものはEAA(必須アミノ酸)。
必須アミノ酸は必ず外から摂らないといけません。必須アミノ酸が揃った時に筋肉がつくられます。
BCAAは大事な栄養素で、ほとんどのアミノ酸サプリはBCAAなのですが、3種類しかありませんので身体を作るには足りませんが、エネルギーに代わりやすいという点で優秀です。

トレーニング中は筋肉に血流を集中させたいので、シトルリンの血管拡張作用を活用するために摂ります。

グルタミンには抗異化作用という、筋肉が分解されることを防ぐ働きがあります。これはトレーニング前、中、後で有効です。カルニチンは脂肪燃焼に重要なアミノ酸で、脂肪が燃焼される時に使います。

これらを500mlくらいの水に溶かしてトレーニングの30分ほど前に飲みます。あまり少ない水で溶かすと、胃腸が弱い人は不調になる事があるので最低500mlを目安にすることをおすすめします。 

これはあくまで、栄養素を血中に流して対象部へ運ぶにあたって最低限のものです。状況によって、50gほどの炭水化物や、他の栄養素を加えることもあります。自分の体質や目的に合わせたプレワークアウトドリンクは100人100通りあるものです。

また、トレーニング前にストレッチは必ず行うようにしています。トレーニングは全身を使ってやるものなので、全身をアップする必要があります。怪我が多い人は一度、ストレッチの内容の見直しをおすすめします。

トレーニング中のおすすめサプリ

・EAA10g
・BCAA10g
・クレアチン5g
・カルニチン1g

トレーニング中は2リットルの水に入れて少しずつ飲むようにして、100gの炭水化物を入れる場合もあります。そしてトレーニング終了までに必ずすべて飲み干すようにします。

これらのサプリはあくまで減量やバルクアップなどの目的や、その時のコンディションによっても変化します。
カフェインのような刺激物の使用も構わないのですが、トレーニングの刺激でも何でも、体はどんどん順応していくので、毎回使い続けると体感が少なくなっていきます。例えば、4週間程を目安にサイクルを付けて摂ると変化がわかりやすいと思います。

トレーニング後のサプリ

・ホエイプロテイン(アイソレート)50g

これに加えて、炭水化物50~100gを摂る場合もあります。
市販されているプロテインの多くは、アイソレートとコンセントレートのブレンドがしてあります。アイソレートは特殊な加工がしてあるので値段が高いのですが、それでも純度が高いアイソレート100%のものをおすすめしたいです。

シェイクを飲んでから40~60分後に食事をします。
内容としては鶏肉200g、白米200g(炊く前の重さは80gくらい)、野菜100gをアスパラ、ブロッコリー、ほうれん草の中から選んでいます。

野菜はあまり好きではないのですが食べていたほうが調子がいいので、ビタミン目的というよりは消化吸収を助けるために摂っています。

白米よりも玄米のほうがゆっくり吸収されて血糖値グリセミックインデックス(GI値)を上げるリスクが少ないのですが、どちらもタンパク質や野菜と一緒に摂るとGI値は低くなります。

日本だと、おにぎりのように白米だけで食べることもあるかと思いますが、通常の食事だと何かと一緒に食べることが多いと思うので、その部分に関しては普段はそこまで気にしていません。


IFBBプロ山岸秀匡 トレーニングセミナーinミッドブレス 後編 へ続く