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おすすめしたいプレバイオティクスとその効果

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掲載日:2018.07.19
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○ラクトバチルス・ロイテリ菌の効果とは

腸においてバクテリアのエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を改善するものがプレバイオティクス。そして善玉菌そのもののことを、プロバイオティクスと呼びます。

善玉菌の代表は乳酸菌やビフィズス菌ですが、面白い作用が期待できる善玉菌に「ラクトバチルス・ロイテリ菌」というものがあります。

マウスでの実験段階ですが、ロイテリ菌には加齢に伴うテストステロンの低下を抑える作用があるようです。(※41)他にも炎症性サイトカインをブロックし、体内の炎症を防ぐ作用やピロリ菌の殺菌作用、骨密度増強、中性脂肪低下作用、歯周病の予防作用などが報告されています。
もちろん腸内環境を改善し、便秘や消化不良を治す効果も期待できます。(※42、※43、※44)
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○ラクツロースの勧め

もう一つお勧めしたいプレバイオティクスが、ラクツロース(ラクチュロース)です。
これはガラクトースとフルクトースを人工的に合成した糖質で、ビフィズス菌や乳酸菌を増やすことが分かっています。(※45)ラクツロースはもともと薬剤で、肝性脳症や高アンモニア血症患者のアンモニアを減らすことを目的として開発されました。

何かと話題になった「水素水」。水素には活性酸素を除去する作用があるため、原理上は効果があるはずです。
しかし、実はヒトの腸でも水素ガスは発生しており、その量は「一日に1リットル」です。これをグラムに直すと、約89mgです。いっぽう、水素が飽和した水を1リットル飲んでも、水素は1.6mgしか摂取できません。

そこで、腸内環境を整えて水素ガスの発生を増やすことを目指します。
面白いことに、ラクツロースを12.5g摂取したところ、水素ガスの発生が通常の8倍になったという報告があるのです。(※46)
ラクツロースを摂取することで、もしかすると水素水を飲むよりもずっと効果的に活性酸素を除去できるようになるかもしれません。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]