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イチョウ葉エキス#2 ~脳の老化を食い止める~

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掲載日:2018.07.23
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脳の血流を改善

「生きた化石」とも言われるイチョウは、現存する世界最古の樹木です。
古くからイチョウ葉エキスの薬効が認められ、脳の健康の為に親しまれて来ました。特に脳梗塞の初期治療に有効な報告がいくつもあります。

脳の大脳皮質という所には、フォスファチジルセリンという物質が沢山あります。
あれ? どこかで似た様な名前の物質がありましたよね?思い出した人は、しっかり勉強されている方ですね。よく似た、というのはフォスファチジルコリン。

これは卵黄に含まれるレシチンという栄養素の時にお話ししました。
話はそれましたが、脳は極細の血管が縦横無尽に走っている所です。細い血管と言えば、他に心臓や膵臓、腎臓、眼の網膜など色々ありますが、脳がストップしたら人聞は生きていられませんから、心臓から脳への道(血管)には、4本もの大通り(大動脈)があります。
左右頸部と、首の後ろです。頸部は、サスペンスドラマで犯人が刃物を突きつける所ですね。

表皮からの距離が短いので、ちょっと切ると大量の血液が噴出し、出血多量で死に至るという場所です(また少々話しがそれました)。

そういう訳で、大通りから脳に涜れた血液は、今度は筋道だらけの細かい血管を通って行くわけですが、大型トラックが細い道を走るのは大変です。

普通なら小回りの利く軽トラにでも乗り換えたいところですが、血球は乗り換える訳ではありません。そのまま形を変形させて、体を折りたたんだ状態にして、細い血管に入っていくのです。

その為には血球の変形能(変態能じゃありませんよ、漢字が似ているからって間違えないで下さいね)と血管の柔軟性が要求されます。
どちらもモチモチプリンの若い頃は問題ありませんが、お肌の水分が減ってしわが出来るのと同じように、身体の中でも水分を保つ事がだんだん出来なくなり弾力が失われて行き、どこかの血管で詰まったり(脳梗塞、心筋梗塞等)、血菅が壊れて出血したり(脳内出血、くも膜下出血等)という事が起こります。
イチョウ葉エキスの働き
・赤血球の変形能を高め、赤血球の凝集を阻止
・血管拡張作用を促進させるホルモン様物質(プロスタグランディン)の合成を促進
・血管透過性の低減によるむくみの予防や血液の改善
などが上げられます。

認知症の改善

アルツハイマー病、多発性脳梗塞認知症の外来患者約200人を対象に実施した研究があります。
患者を2つのグループに分けて、一方にイチョウ葉エキスを1日120mg、もう一方にプラセボ(偽薬)を服用させ、1年間観察しました(この調査方法が人道的にどうかと言われる意見もございますが)。

その結果、記憶力、動作、判断力を評価した指数である老年性評価指数が、イチョウ葉エキス投与により改善しました。この他の指標を含め、認知能力と社会的機能を改善する効果が認められました(LeBars P.L. et a l. (1997) ]AMA.278 (16)1327-1332)。

老化は避けては通れない自然現象です。平均寿命が80歳を超える今日、脳の老化や認知症は、深刻な社会問題となっているのが現状です。

最近では、遺伝や環境以外に生活習慣病が原因で認知症が生じるとも言われています。そこで、アルツハイマー病や認知症を、単なる老化現象ではなく、身近な病気として捉える事が、予防や進行抑制につながると考えられています。

栄養はリンクしている

いつも私が繰り返し言っている事ですが、では脳の老化を食い止める為に、イチョウ葉エキスと一緒に摂りたい栄養素は何でしょう?
ざっと上げてみました。

①DHA (ドコサヘキサエン酸)
DHAは脳と網膜組織の抗生物質です。
イチョウ葉エキスと摂る事で学習能力向上が期待されます。EPAとDHAは二重結合が多い(=酸素と結びついて酸化するスピードが速い)ので、ビタミンEを一緒に摂りましょう。

②フォスファチジルセリン
フォスファチジルセリンは脳の神経細胞膜に多く含まれ、神経伝達物質の放出や、シナプス活動等の情報伝達及び神経細胞の機能発現に深く関与しています。
また、記憶力、集中力、学習能力の改善や甲状腺ホルモン作用の増進などに関与しています。

③ビタミンB1
脳がエネルギー源として使うブドウ糖を、食物から代謝するにはビタミンB1が不可欠です。脳がエネルギー不足を起こすと疲労感や精神不安等の症状を起こしやすくなります。

④ビタミンB12
脳神経、脳機能の活動に不可欠な物質です。
情報伝達を担う神経繊維であるシナプスは、老化と共に、或いは認知症等によって減少しますが、ビ
タミンB12は、それを修復してくれます(山津清実他、(1976)日本薬理学雑誌、72,269)。
  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)
    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901~1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


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