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アルギニンかシトルリンか

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掲載日:2019.04.11
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アルギニンの弱点はアルカリ性が強いことです。
また味も悪く、そのままパウダーで飲むのは難しく、カプセルで飲んだとしても胸やけすることがあります。

そこで、アルギニンの代わりにシトルリンやオルニチンを摂取するという方法があります。
オルニチン回路はスムーズに回っているため、シトルリンやオルニチンでも十分にアルギニンの代用となるのです。

22名の男性に一日2.4gのシトルリンを摂取させ、7日間継続したところ、血中アルギニンレベルが高くなり、自転車で4kmを走るタイムが短くなったという研究があります。(※180)
また一日6gのシトルリンを摂取したところ、高強度運動におけるパフォーマンスが改善し、酸素利用能も高まったという報告もあります。(※181)


オルニチン回路の図の通り、アルギニンはアルギナーゼによってオルニチンとなり、さらにシトルリンとなってからアルギンコハク酸になり、アルギニンに戻ります。

そのため、オルニチンよりはシトルリンのほうがアルギニンレベルを高めるには効果的だと考えられます。
ちなみに成長ホルモンの分泌を促進するためにはオルニチンの場合、体重1kgあたり170mgくらい摂取する必要があり、体重が80kgだったら13~14g必要になってしまいます。(※182)
しかしアルギニンならば5~9gでOKです。(※183、※184、※185)

オルニチンやシトルリンに比べて安価でもありますので、アルギニンをベースにして、追加でシトルリンを少し使うというような方法でもいいでしょう。

摂取方法

アルギニンも他のアミノ酸と同様、摂取後30分ほどで血中濃度は最大に達し、2時間後に半分となり、4時間ほどかけて元のレベルに戻ります。(※186)

しかし血中アルギニンレベルが最大になってから、NOが産生されるまでの間にタイムラグがあります。そのため血流が最大になるのはアルギニンを摂取してから90分ほど経ったころとなります。(※187)
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摂取後60分したところで、十分に血流は増加していますので、トレーニングの1時間くらい前にアルギニンを5~9g摂取することで、トレーニング時の血行増進効果や持久力アップ効果が期待できると考えられます。
この場合、プロテインと一緒に飲んでも構いません。ホエイプロテインにはアルギニンが少ないため、アミノ酸バランスを改善するのにも良いと思われます。
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なお前述の通り、アルギニンはアルカリが強い性質を持っています。食事によって胃酸が薄まり、胃内のpHが高くなるため、食後にアルギニンを摂取すると胃痛が起こるかもしれません。

そのような方は空腹時に飲むようにしましょう。
「L-アルギニン」ではなく、「アルギニンHCL」という塩酸で中和したサプリメントもあります。これならいつ飲んでも大丈夫です。

トレーニングをしない日は起床直後の摂取がお勧めです。
アルギニンの成長ホルモン分泌効果を考えると、就寝時もともと成長ホルモンの分泌が高いため、タイミングがかぶり、もったいないのです。

最近ではゼリータイプのアルギニンなども出ており、手軽に持ち運べ、美味しく食べられるようになっています。
180 : Oral L-citrulline supplementation enhances cycling time trial

181 : I-Citrulline supplementation improves 02 uptake kinetics and high-intensity exercise performance in humans. J Appl Physiol (1985). 2015 Aug 15;119(4):385-95. doi: 10.1152/japplphysiol.00192.2014. Epub 2015 May 28.

182: Ornithine ingestion and growth hormone release in bodybuilders Nutrition Research (Impact Factor: 2.59). 03/1990; 10(3):239-245. DOI: 10.1016/S0271-5317(05)80265-9

183 : Low dose orally administered arginine is able to enhance both basal and growth hormone-releasing hormone-induced growth hormone secretion in normal short children. J Endocrinol Invest. 1993 Jul-Aug;16(7):521-5.

184 : Arginine enhances the growth hormone-releasing activity of a synthetic hexapeptide (GHRP-6) in elderly but not in young subjects after oral administration. J Endocrinol Invest. 1994 Mar;17(3): 157-62.

185 : Endocrine and lipid effects of oral L-arginine treatment in healthy postmenopausal women.

186:A clinical evaliation to determine the safety,pharmacokinetics,andpharmasodynamics of an inositol-stabilized arginine silicate dietary supplement in healthy adult males.
Chin pharmacol.2015 Oct 7;7:103-9.dol:10.2147/CPAA.S84206. eCollection 2015.
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


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