タンパク質を大量に摂取した場合
掲載日:2018.09.20
前述のように、かなり大量のタンパク質であっても、私たちのカラダは消化吸収することができます。
しかしカラダがそんなに大量のタンパク質を必要としていない場合、吸収された後に、それは「余分だ」と判断されます。食事から摂られた余分な糖質は脂肪に変換されて体脂肪になり、余分な脂質はやはり体脂肪になります。しかし余分なタンパク質はちょっと複雑で、次の3つのルートをたどります。
しかしカラダがそんなに大量のタンパク質を必要としていない場合、吸収された後に、それは「余分だ」と判断されます。食事から摂られた余分な糖質は脂肪に変換されて体脂肪になり、余分な脂質はやはり体脂肪になります。しかし余分なタンパク質はちょっと複雑で、次の3つのルートをたどります。
1.アンモニア→尿素となって排出される。
タンパク質には窒素が含まれていて、体内でアンモニアに変わります。アンモニアはカラダにとって有毒なため、「尿素」というものに変換されます。そして尿として捨てられるわけですが、このときに肝臓や腎臓に負担がかかってしまいます。プロテインを飲みはじめると血液検査の数値が悪くなることがあるのですが、これはアンモニアが原因の一つとなっています。
2.脂肪に変換される。
タンパク質(アミノ酸)は糖質に変換されたり、アセチルCoAに変換されたりします。これらは最終的に脂肪になり、体脂肪として蓄積されてしまいます。つまりタンパク質も、摂り過ぎると体脂肪を増やしてしまう可能性があるのです。
3.他のアミノ酸に変換される。
食事で摂取したアミノ酸が余ると、アミノ酸から「アミノ基」が取り出され、他のアミノ酸(特にグルタミンやアラニン)になります。
このとき、「アミノ基転移酵素」が必要となります。アミノ基転移酵素をつくるためには「ビタミンB6」が必要となります。タンパク質の摂取量が多い場合、ビタミンB6が不足しないように留意する必要があります。
タンパク質には窒素が含まれていて、体内でアンモニアに変わります。アンモニアはカラダにとって有毒なため、「尿素」というものに変換されます。そして尿として捨てられるわけですが、このときに肝臓や腎臓に負担がかかってしまいます。プロテインを飲みはじめると血液検査の数値が悪くなることがあるのですが、これはアンモニアが原因の一つとなっています。
2.脂肪に変換される。
タンパク質(アミノ酸)は糖質に変換されたり、アセチルCoAに変換されたりします。これらは最終的に脂肪になり、体脂肪として蓄積されてしまいます。つまりタンパク質も、摂り過ぎると体脂肪を増やしてしまう可能性があるのです。
3.他のアミノ酸に変換される。
食事で摂取したアミノ酸が余ると、アミノ酸から「アミノ基」が取り出され、他のアミノ酸(特にグルタミンやアラニン)になります。
このとき、「アミノ基転移酵素」が必要となります。アミノ基転移酵素をつくるためには「ビタミンB6」が必要となります。タンパク質の摂取量が多い場合、ビタミンB6が不足しないように留意する必要があります。
タンパク質は溜めておける
タンパク質は貯蔵できない、と言われることがあります。
しかし私たちのカラダには、実はアミノ酸を溜めておく場所があるのです。それが「アミノ酸プール」と呼ばれるところ。
詳しくは後述しますが、具体的には肝臓や血液、細胞組織内にアミノ酸プールが存在します。なにかあったときのため、必要なときにアミノ酸を取り出せるようにアミノ酸プールが存在し、食事から余計に摂取したアミノ酸の一部は、このプール内に取り込まれます。
このようにタンパク質の摂り過ぎは内臓に負担をかけたり、余計な体脂肪を増やしてしまったりする可能性が理論上は存在します。
しかし実際問題として、超大量にタンパク質を摂取しても、腎臓にもともと問題のある場合でない限り、特に健康問題は生じません。
厚生労働省も栄養所要量を算定する際に、こう言っています。「タンパク質の耐容上限量は、タンパク質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、タンパク質の耐容上限量を設定しうる明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした」。
また大量のタンパク質が体脂肪になるというのも、理論上はあり得ますが、やはり実際問題としては心配要らないようです。体重1kgあたり、4.4gのタンパク質を摂取しても体脂肪は増えなかったという報告もあります。(※2)
またDIT反応により、タンパク質摂取による消費カロリーがむしろ増加する可能性もあります。DITは「食事誘発性体熱産生」のことで、食物を摂取すると、それを消化したりエネルギー化したりするときにカロリーが消費され、熱が発生する代謝のことを指します。
この反応は体温をキープするために使われるのですが、糖質によるDITは約5%、脂質によるDITは約4%なのに対し、タンパク質によるDITは30%と、非常に高くなります。糖質や脂質に比べると、消化吸収およびその後の代謝過程において、タンパク質は非常に複雑なため、このように高いDITが発生するのです。
※2 The effects of consuming a high protein diet (4.4g/kg/d)on body composition in resistance-trained individuals.
J Int Soc Sports Nutr. 2014 May 12;11:19. dol:10.1186/1550-2783-11-19.eCollection 2014.
しかし私たちのカラダには、実はアミノ酸を溜めておく場所があるのです。それが「アミノ酸プール」と呼ばれるところ。
詳しくは後述しますが、具体的には肝臓や血液、細胞組織内にアミノ酸プールが存在します。なにかあったときのため、必要なときにアミノ酸を取り出せるようにアミノ酸プールが存在し、食事から余計に摂取したアミノ酸の一部は、このプール内に取り込まれます。
このようにタンパク質の摂り過ぎは内臓に負担をかけたり、余計な体脂肪を増やしてしまったりする可能性が理論上は存在します。
しかし実際問題として、超大量にタンパク質を摂取しても、腎臓にもともと問題のある場合でない限り、特に健康問題は生じません。
厚生労働省も栄養所要量を算定する際に、こう言っています。「タンパク質の耐容上限量は、タンパク質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、タンパク質の耐容上限量を設定しうる明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした」。
また大量のタンパク質が体脂肪になるというのも、理論上はあり得ますが、やはり実際問題としては心配要らないようです。体重1kgあたり、4.4gのタンパク質を摂取しても体脂肪は増えなかったという報告もあります。(※2)
またDIT反応により、タンパク質摂取による消費カロリーがむしろ増加する可能性もあります。DITは「食事誘発性体熱産生」のことで、食物を摂取すると、それを消化したりエネルギー化したりするときにカロリーが消費され、熱が発生する代謝のことを指します。
この反応は体温をキープするために使われるのですが、糖質によるDITは約5%、脂質によるDITは約4%なのに対し、タンパク質によるDITは30%と、非常に高くなります。糖質や脂質に比べると、消化吸収およびその後の代謝過程において、タンパク質は非常に複雑なため、このように高いDITが発生するのです。
※2 The effects of consuming a high protein diet (4.4g/kg/d)on body composition in resistance-trained individuals.
J Int Soc Sports Nutr. 2014 May 12;11:19. dol:10.1186/1550-2783-11-19.eCollection 2014.
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