JBBF委員 中尾尚志・齋藤マドカに聞く 大阪オープンフィジーク&ビキニを終えて (2/2)
掲載日:2015.06.05
■中島 今後の審査基準の明確化はされるのでしょうか?
★中尾 これは現状でのルールは私なりに書いてきましたが、あれは今後も強調していきますよ。ボディビルとボディフィットネスの違い、ボディフィットネスとフィットネスビキニの違いというのを段階をつけて。またウォーキングだってやっぱり、モデルウォークなんですよ。それができないとアピールできないんです。
■中島 普段そういう歩き方はしないので、練習しないとできませんよね。ヒールで練習しないとダメみたいですね。私は履いたことありませんが。(笑)
●マドカ 練習会では最初は必ず運動靴でやってもらうんです。ヒールだと足が痛くなるし怪我をしたら困るので。ある程度慣れてきた段階でヒールに履き替えて練習するようにしています。さきほどの話ですけれど、ジャッジの方が含めてフィットネス講習会をやっているのである程度の理解はできてなければいけないと思います。
■中島 大阪オープンに続き、8月31日には日本メンズフィジーク&オールジャパンフィットネスビキニの大会が再び大阪で開催されることが決定して、まさにフィジーク元年としてJBBFで開催できたことはとても大きなことだと思います。
★中尾 それと個人登録というのも実現しましたしね。いろんな意味で今、変わってきていますよ。転換期です。
●マドカ フィットネスだとあれだけのものを完成させるにはもの凄い時間がかかるので出来る人は限られてしまいますけど、ビキニは全員が一緒の事するじゃないですか。みんなで同じ動作をする中での表現力の差を付けるということであって、ある意味ボディフィットネスのようにターンをするだけでなく、ちょっとしたパフォーマンス的な要素があるので、歩いて来るときはモデルウォークで、いわゆるランウェイを歩く自分たちがいつかなりたかった憧れのモデルさんみたいなことができると競技でいうとホントにみんなのニーズにあっているものだと思います。
★中尾 そう言った意味では、選手と観客が一体になって盛り上げていくという、いわゆるアメリカナイズされた部分も必要なんですよ。先日、競技委員長と話したのですけど、もうちょっとショーアップしてみないかね?と。そうでないと意味がない。
●マドカ 私も今までアメリカのコンテストを見てきて、向こうではボディビルはコンテストという扱いではなくショーなので、観客を沸かせたり、観客も楽しめるというものじゃないといけないので、ずっと辛気臭くないものに今回は仕上げたかったんです。
★中尾 JBBFの大会と言えば、今まではそうだったんですよ。だからあまり面白くないとか言われていたんですが、今度フィジークとフィットネスビキニをやる時にはもう少しショーアップしてね、ミラーボールが回ってもいいですよ。そのくらいの事も考えていかないと合わないです。だから先日の大阪オープンではこぢんまりしていましたけど、イルミネーションやったでしょ。
■中島 このようなことを中尾さんから聞けたことは、私としても嬉しいです。どちらかと言うと中尾さんはそのようなものには否定的だと思っていました。
★中尾 そんなことないですよ。そしてこれは玉利会長にもずっと前から言ってたんですよ。もっと観客動員を考えるなら、電通や博報堂などから専門家を呼んできてショーアップしたものを作らないと人は集まりませんよと。
●マドカ 今回観に来た人の中でも、絶対あそこに並びたいって思うじゃないですか。そういう風に広がっていくのがいいですね。
★中尾 健康美やボディフィットネスに出ている選手達が、フィットネスビキニを見て、あれ出たいって言っているんです。
●マドカ そうですね。でも、ポーズはまあまあ難しいんですよ。(笑)
★中尾 あれをこなせるかどうかは、やっぱり場数踏まないとダメだし、実際見ないとダメですよ。メンズフィジークでもそうですよ、ほとんどの選手が顔引き攣っているし。あれがもっと魅せられるようになればいいんです。
■中島 そこらへんの部分はやはり外国人の方々は上手ですね。
●マドカ 勝手な自信もってますからね。(笑)
★中尾 ちょっと日本人にしては嫌みに見えるくらい。
各カテゴリー・オーバーオール優勝者
(左)ボディビル・DOBRI ANDOR (中央)フィットネスビキニ・磯野かおる (右)メンズフィジーク・有馬康泰
■中島 でも、日本人の選手もすぐにそこに追いつくと思います。
★中尾 実際そうですよ。これまではスター的要素を持つ選手が少なすぎるんですよ。職人タイプが多くてね。この世界からもスターが出てくるといいですね。でも、フィジークなんかはそういう要素を持った選手が出てくると思うんです。そうすれば、もっとメディアにも取り上げられることになると思います。そういった意味ではプロが出てくるかも知れませんよ。
■中島 今後、フィジークとフィットネスビキニの形をしっかりと構築したいですね。その為には選手育成などに於いてはマドカさんの役割は非常に重要です。
●マドカ 私も育てたいし伝えていきたいんですけど、私も身がひとつなので、基本的には大阪にいますし、アメリカにも行きますので、東京でも指導体制がとれればと思いますが、現状ではなかなかビキニの指導ができる方がいないです。
■中島 フィジークはともかく、フィットネスビキニについては指導体制とともに選手発掘も課題となってきますね。
●マドカ そうなんです。いままでボディフィットネスなどのコンテストに出ていた選手からの転身組だけでなく、コンテストには全く出たことのないフレッシュは人達が参加するようになればいいですね。
■中島 その通りだと思います。今までJBBFに在籍した選手のカテゴリー変更だけでは、競技人口は増えないので発展性がありません。
★中尾 憧れるような。でも、スポーツクラブなんか行ったら、そういう人はいるでしょう?
●マドカ います。今回もいっぱい声かけたんですよ。私もまだインストラクターやっているので。やっぱり綺麗な子とかかわいい子がいたら声かけてたんです。でもビキニになることに抵抗があるとか、日焼けに抵抗があることでした。
■中島 日焼けは確かに問題ですね。
★中尾 フィットネスビキニの場合は白くて大丈夫なんですよ。
■中島 本来そうだと思いますが、競い合ってくると勝つために黒くするという方向性にどうしても行ってしまいます。
●マドカ また肌が白いと変にイヤらしいですからね。水着が小さいだけに。
■中島 これからの形づくりという点ではメディアとしてできることはしていきたいと思っています。
★中尾 ぜひこの前の第一回の大阪オープンの大会も取り上げてもらって、それをきっかけにフィジークとはこういうものだというのを示してもらいたいです。
■中島 はい、もちろんです。
★中尾 まだ、この分野では情報が少ないので雑誌の威力はありますよ。
■中島 はい、フィジークマガジンでは、どんどん告知していき、選手、連盟、メディアが三位一体となって、競技発展に尽力出来る構図を作り上げるつもりです。
本日はありがとうございました。
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 002 ]
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