BIG3で日本一の高重量を上げるパワーリフター 大谷憲弘選手にインタビュー!
掲載日:2016.05.10
ウェイトトレーニングの基本3種目(通称BIG3:スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)で日本記録を持つ大谷憲弘(おおたに のりひろ)選手にトレーニングを始めたきっかけから、毎日のトレーニングや食事、そしてトレーニング業界で話題のサプリメント『X-PLOSION』についてまで全2回に分けてインタビュー。
選手として、ジムの経営者として、サプリメントメーカー代表としてマルチな顔を持つ大谷選手の競技者、指導者としての魅力について迫る!
*パワーリフティング74キロ級での大谷憲弘選手の記録
スクワット305.5kg(現日本記録)、ベンチプレス225kg、デッドリフト265kg
トータル790.kg(現日本記録)
選手として、ジムの経営者として、サプリメントメーカー代表としてマルチな顔を持つ大谷選手の競技者、指導者としての魅力について迫る!
*パワーリフティング74キロ級での大谷憲弘選手の記録
スクワット305.5kg(現日本記録)、ベンチプレス225kg、デッドリフト265kg
トータル790.kg(現日本記録)
パワーリフティングとは?
— まずはパワーリフティングとはどのような競技でしょうか。
シンプルにいうと体づくりに必要な筋トレの代表的な3種目、脚を鍛える「スクワット」、胸を鍛える「ベンチプレス」、背中を鍛える「デッドリフト」、通称BIG3と呼ばれる3種目にてどれだけ重いウェイトが上がるかを競う競技です。
競技年齢も幅広く40〜50代でも現役の選手がおります。世界記録も年々上がってきており、私ももちろん今も現役で競技を行っています。
始めたきっかけは中学1年生、13歳ぐらいから格闘技(空手)を初めて25、6歳まで道場に通っていました。筋トレは更に強くなりたいと思い始めたのがきっかけでした。
そのうち、上げられるウェイトの重量がどんどん上がっていき世界一を目指せるのではと思うようになってきました(笑)
初めは格闘技とウェイトトレーニングを同時並行で行っていたのですが、徐々に重いものが上がるようになり、トレーニングすればするほど体つきもどんどん変わっていくことが楽しくて パワーリフティングの楽しさにのめり込んでいきました。
気づいたら格闘技からパワーリフティングへ軸足を移し本格的に取り組むようになってきました。
パワーリフティングの魅力はトレーニングをやり込むことによって、常に新しい発見があったり、体つきもどんどん変わっていき、記録も伸びる。やればやった分だけ結果に結びつくところが魅力です。
また、試合も日々の練習も好きです。日々同じ練習なんですが(笑)
トレーニングの効果は体にすぐに現れていきます。自分が考えた練習メニューとか、いろいろな理論とかがぴったりとハマって、自分の体とか記録に跳ね返ってくることもとても楽しいですね。
気になるパワーリフターのトレーニング
— 普段のトレーニングや参考にしているトレーニング方法はありますか。
私自身は、他の人のトレーニングメニューなどは、あまり参考にしません。世界のトップレベルの選手のトレーニングを知る機会も多いのですが、それもあまり参考にしません(笑)
私は筋繊維や骨格、バイオメカニクスなどを中心に考えて、その基礎をさらに応用してトレーニングに活かしていくのが基本です。それを自分の体、体調に合わせて組み合わせていきます。そして、筋肉だけでなく、2〜300kgになるウェイトを上げるので骨密度も同時に高めていきます。
基本的には重いものをどんどん上げると骨密度も比例して高まっていきますが、筋トレをするとカルシウムは消費されていくので、カルシウムとミネラルはしっかりと補給するようにしていますね。まれに骨が折れる人もいますので(笑)
ですが、人間の骨の強度は考えると、まだまだ上げられる。記録はまだまだ伸びる。と思っています。骨の1点に300kgとかが集中してかかるわけではないので。
普段のトレーニングはスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、それぞれ、週2回ずつに分けて行っています。
トレーニングの練習メニューは、スクワットだったら、スクワットを中心に結構低レップで高セットを行っていますね。例えば3レップ〜5レップを10〜40セットなどを1回に行います。
ベンチプレスも、デッドリフトも同じように3レップとかを10〜セットぐらいやって、あとは、補強のトレーニングを行いますね。低レップで高セットがパワーリフターとボディメイクの筋トレの大きな違いかもしれません。一応、ウェイトリフティングの選手も同じで、低レップ、高セットを基本としてトレーニングしてますね。
細かい例でいえば三頭筋の強化だったらディップスではなく、ナローグリップでベンチプレスを15レップスを4セットとかですかね。
あと、筋肉の付け方のバランス等を気にするよりも、基本のトレーニングBIG3で必要な筋量をつけていく、形よりもトレーニング内容が重要です。
筋肉の出力は方向性がありますので、全ての筋肉の出力を同じ方向に向けることを意識すると良い記録ができると思います。1つの筋肉の動きは1つの反応しか返ってこないので。
力を必要とするスポーツ選手に向けてのアドバイス
— 力を必要とする競技やそのトレーナーに向けて、力がつくアドバイスをお願いします。
直接的に影響の出る筋肉の部位(胸や腕、脚など)のトレーニングも重要ですが、体幹、腹筋や背筋(特に下の下背)部分をしっかりと筋肉で補強されていないと、強い力が出しにくい体になります。フレームがしっかりとしていないと、強い力が発することはできないですよね。
逆に体幹部分がしっかりとしていると、とても力が出ます。鍛えた筋肉の出力がしっかりと発揮される感じです。トレーニングしても思うように力が出ないと感じる方はまずは体幹を強くして、その上で他の部分を鍛えていくのが良いと思います。
また、ヘルニアなどで困っている選手にも良い筋トレがあります。
簡単に言えば、ヘルニアの人の場合は、腰のトレーニングをしっかりとしてあげることが重要です。どうするかというと重いものを上げるのではなく、高レップを丁寧なフォームで行い、腰の筋肉に刺激を入れて温めながら、筋トレして作られる筋肉で補強していくことを続けていく感じです。
私もヘルニアですが、痛みは無くなりますし、もちろん高重量のスクワットしてもなんともないですよ。但し、自己流ではなくしっかりとしたトレーナーさんの指導を受けて行ってください。
他の関節は、たとえば肘とかヒザ、肩とかはか、痛めている箇所によっても違うのですが、 まずはトレーニングを少し休むのがいいですね(笑)
ヘルニアに関してはトレーニングが可能です。それ以外は休んだほうがいいですよ。
あとは、肘、ヒザ、肩を痛めているのはトレーニングフォームが悪いのが一番の問題ですので、フォームを見直すことが絶対に必要ですね。まずはそこを優先してくださいね。
— トレーニングに関して最後ですが、何か伝えたい事はありますか?
私は筋トレを何もしたことがない人たちに、筋トレを教えたいなと思っていてます。若い子でも、年配の方でもです。うちのジム(ESQUATIR)でも70代の方が来てトレーニングしています。
選手になりたい、鍛えたい方はもちろんですが、今まで一度も筋トレしたことが無かったり、これからもう一度体を鍛えたいな、トレーニングをしたいなと思った方に、正しい筋トレ、正しいフォームで効果的な、筋トレを教えていきたいです。
確実に、体作りがしっかりと行えて、変化があるものを中心にやっていきたいと思っています。
次回は大谷選手の力の源、「食事やサプリメント」についてお届けします。
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- 大谷 憲弘(おおたに のりひろ)
1980年4月10日生まれ
出身:神奈川県逗子市
身長:167cm
体重:74kg
パワーリフティング74Kg級の日本記録保持者。神奈川県横浜市にあるウエイトトレーニングGYM「ESQUATIR」とエクスプロージョン合同会社の代表と競技者と実業家の2つの顔を持つ。
<パワーリフティング>
[ 2012年 ]
全日本選手権優勝
[ 2013年 ]
世界選手権日本代表、2013年世界ランキング8位
[ 2014年 ]
全日本選手権74kg級優勝
世界選手権日本代表、2014年世界ランキング7位
[ 2015年 ]
全日本選手権74kg級優勝
世界選手権日本代表、2015年世界ランキング9位
[ 2016年 ]
アーノルドアマチュア80kg級 優勝
ベスト記録:スクワット305.5kg(現日本記録)、ベンチプレス225kg、デッドリフト265kg トータル790.5kg(現日本記録)
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