フィジーク・オンライン
  • トップ
  • トレーニング
  • K's式メイントレー二ング!やり直しの効果とトレーニング内容を変更しない場合のやり直し方法

K's式メイントレー二ング!やり直しの効果とトレーニング内容を変更しない場合のやり直し方法

この記事をシェアする

0
掲載日:2016.04.19


ここでは、トレーニング方法と同じぐらい重要となる、そのトレーニングをどれだけの期間行い、どのタイミングでメニューを組み直していくかというトレーニングサイクルの決定方法、K's式のトレーニングサイクルの決定方法を紹介したいと思います。

 

K's式トレーニングサイクル


あるトレーニングを行う期間を決めておき、その期間が終了すれば一定の休息期間を取り、休息後にまた新しいトレーニングを開始する。このような方法が一般的なトレーニングサイクルとなりますが、K's式ではあらかじめそのトレーニングを行う期間を決めるようなことはありません。

トレーニングを行い、ある決まった状態・状況になるタイミングが来るまで現在行っているトレーニングを続け、そのタイミングが来たら現在行っているトレーニングをいったん終了。次のサイクルに移ることになります。

現在行っているトレーニングを終了するタイミングは、次の通り3つのタイミングとなります。
① セット重量が伸びる傾向が1ヶ月以上見られないとき
② 調子を崩した状態が2週間以上続いたとき
③ 現在のトレーニングに限界を感じたとき
例えば、8回狙い×3セットというトレーニングを行っていて、7回 → 7回 → 6回からどうしても伸びず、日によっては7回 → 6回 → 6回や、6回 → 6回 →5回になったりする状態が1ヶ月以上続いたときが①。

今まで1セット目に7回挙がっていたのに、5回しか挙がらなくなるような状態が2週間以上続いたときが②。

③に関しては長年トレーニングを続けてきた人だけがわかる感覚になりますが、「このトレーニングをこのまま続けても記録が伸びる気がしない」と感じたときがあてはまります。

①②③すべてが調子が良くない状態であり、この状態に陥ったときは今まで行っているトレーニング、をいったん終了します。

終了後、トレーニング内容を変更せずに同じメニューでトレーニングを行うか、8回狙いのセットを6回狙いに変更するいったようにトレーニング内容を変更して新しいメニューでトレーニングを行うかを決めるわけですが、終了してすぐに今までと同じようにトレーニングを行わず、まずは『やり直し』と呼ばれる期間を設け、その後に通常のトレーニングを再開することになります。

なお、疲労がたまりすぎている場合などは、「やり直し」開始前に3日から1週間程オフを取り、そのうえで「やり直し」を行うことになります。

 

やり直しの効果


やり直しは、現在多くのパワーリフターやベンチプレッサーの聞で行われているサイクルトレーニングに近い内容のトレーニングニング方法で、サイクルトレーニングよりも短い期間、2週間から4週間程度の期間行います。

やり直しには、重量を下げることにより蓄積された疲労を取り除く、乱れてきたフォームを改善する、刺激のマンネリ化を防ぐ、新しいトレーニングメニューの導入を円滑にする、そして一度クリアした重量でのトレーニングをもうー度やり直すことでベストの状態まで戻すといった様々な効果があり、トレーニングの切り替え期に必ず行うことになります。
 
・蓄積された疲労を取り除く
・フォームの改善
・刺激のマンネリ化を防ぐ
・新しいトレーニングメニューの導入を円滑にする
・一度クリアした重量をやり直すことでベストの状態まで戻す
 

やり直しの方法


【表1】やり直しの具体例セットベスト=130kgの場合(2004年)


トレーニング内容を変更しない場合
今まで行っていたトレーニングをいったん終了した後に、トレーニング内容を変更しない場合のやり直しの方法を紹介します。

【表1】は、下記のような人の、トレーニング内容を変更しない場合のやり直しの方法です。

セット内容=8回狙い×2セット
セットクリア条件=2セット8回挙げる
セットベスト=130kg×8回×2セット
頻度=週2回

1週目の1回目(1回目)はセットベスト−10kgの重量でセットを組みますが、セット数を2セットから3セットへ1セット増やし、またそれに伴いセットクリア条件も「2セット8回挙げる」から「3セット8回挙げる」に変更します。

セットクリアできた場合は1週目の2回目(2回目)には重量を2.5kg上げてセットベスト−7.5kgの重量でセットを組み、1回目と同じように「3セット8回挙げる」というセットクリアを目指します。セットクリアできなかった場合はセットクリアできるまでその重量でトレーニングを行います。

順調にセットクリアし、毎回重量を上げていけばに2週目の1回目(3回目)はセットベスト−5kgの重量、2週目の2回目(4回目)はセットベスト−2.5kgの重量、そして3週目の1回目(5回目)にはセットベス卜重量である130kgで、セットを組むことになります。

セット重量がセットベストまで戻れば、セット数を本来のセット数である2セットに戻し、セットクリア条件も「3セット8回挙げる」から「2セット8回挙げる」に戻します。

セットベス卜−10kgから−2.5 kgの重量のトレーニングで、セット数とセットクリア条件を上げてトレーニングを行うのは、今まで一度クリアした重量を難度を上げながらもクリアし、万全の状態でセットベス卜の重量でトレーニングを行えるようにするためです。

セットベストである130kgをクリアすれば、3週目の2回目(6回目)にはやり直し前に行き詰まったセット重量の132.5kgで普段通りのトレーニングを行うことになり、ことでやり直しは終了となります。

すべてがこのように順調にベストの状態に戻せるわけではありませんが、ほとんどの人が1ヶ月程度でベストの状態か、ベストの一歩手前の状態まで戻せるはずです。

「重量を下げてトレーニングすることに意味があるのか?」と思う人もいるかもしれませんが、いったん重量を下げてトレーニングをすることには、知らないうちにたまっていた疲労の軽減、高重量を扱うことによって崩れていたフォームの改善、重量に変化をつけることで新しい刺激を体に与える。

以上のようなことで、調子を戻したり、記録を更新する引き金としての効果があります。

今までどうしても132.5kgが8回挙がらなかったのに、やり直しを行うことで132.5kgだけでなく、135kgが8回挙がるようになっていた。そういったこともあるわけです。

【表1】でのやり直しは、やり直し前のセットの組み方のセット数(2セット)とセットクリア条件(2セット8回挙げる)のセットの数(2セット)が同じのため、ベスト−2.5kgの重量まではセット数とセットクリア条件の両方の難度を上げていますが、セット数とセットクリア条件のセットの数が異なる場合は(セット数=3セット、セットクリア条件=1セット8回挙げるなど)、セット数を増やさずにセットクリア条件の難度だけを上げてやり直しを行ってもかまいません。(3セット8回挙げるなど)

また、やり直しで難度を上げるためにメインセットのセット数を増やしたとしても、あまり増やしすぎないようにします。重量が軽くなっているからとはいえ、セット数が多くなりすぎると疲労がたまりやすくなり、やり直しがうまくいかなくなってしまうからです。

なお【表1】では、セットベスト重量−10kgの重量からやり直しを開始し、2.5kgずつ重量を上げていますが、−20kgから開始して5kgずつ重量を上げていく方法、5kgずつ上げていき途中から2.5kgずつ上げていく方法などもあります。


  • ベンチプレス 基礎から実践 ベンチプレスが誰よりも強くなる(VOL.1)
    平成23年9月1日初版1刷発行
    著者:東坂康司
    監修人:児玉大紀
    発行人:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ ベンチプレス 基礎から実践 ベンチプレスが誰よりも強くなる(VOL.1) ]

関連記事

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −腹筋− (1/2)

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −腹筋− (1/2)

「速筋線維(タイプⅡb)」を刺激する方法とその効果

「速筋線維(タイプⅡb)」を刺激する方法とその効果

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −大胸筋下部−

Mr.6pack 有馬 康泰のトレーニング講座 −大胸筋下部−

筋トレ初心者こそベンチプレスでトレーニングをしよう!(2/2)

筋トレ初心者こそベンチプレスでトレーニングをしよう!(2/2)

筋トレ初心者向け!BIG3の基本的なトレーニング方法<ベンチプレス編>

筋トレ初心者向け!BIG3の基本的なトレーニング方法<ベンチプレス編>

桑崎寛の太りにくい身体を作る サーキットトレーニング −体幹−

桑崎寛の太りにくい身体を作る サーキットトレーニング −体幹−

インナーマッスル(コア)を鍛えるメリット/Flowing Exercise®でコアを鍛えよう (1/2)

インナーマッスル(コア)を鍛えるメリット/Flowing Exercise®でコアを鍛えよう (1/2)

意外に知らないベンチプレスの基本的なトレーニング方法(1/2)

意外に知らないベンチプレスの基本的なトレーニング方法(1/2)