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ケトンダイエット完全攻略②

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掲載日:2023.06.20
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

今回のテーマは「ケトンダイエット完全攻略②」です。
前回はケトンダイエット完全攻略①という形で、ケトンダイエットの総論、具体的なカロリー計算まで行いました。今回は更に具体的な栄養摂取について紹介していきます。

①ケトンダイエットで食べて良い食品

一般的にケトンダイエット期間に食べて良いとされているのは、
・卵(卵はミオスタチン阻害物質を含み、ダイエット中、筋肉が減るのを防ぎます。)

・肉(牛肉、鶏肉、豚肉ですが、理想は馬肉、鹿肉、羊肉などカルニチンが多い物が望ましい。)

・魚介類(鯖・秋刀魚・鰯・鮭など)

・野菜(カボチャ・ジャガイモを除く)

・ナッツ(カシューナッツ、マカデミアンナッツなど)

・油(MCTオイル、オリーブオイル、紫蘇油、亜麻仁油など)

・糖質の少ない乳製品(チーズ、少量のヨーグルトなど)

このような食材とされています。
特に、糖質を極端に制限しながらも普段と同じカロリーを摂らないといけないので、どれだけ質の良い脂肪分・油分を摂取できるかが大切になります。

②ケトンダイエットで摂取が制限されるもの

①高糖質食品
米・パン・パスタ、芋類、菓子類、清涼飲料水、砂糖・フルーツなど、糖分を多く含む炭水化物です。
これらはPFCバランスを崩す大きな糖質量を含んでます。
その他には、ケチャップ、ソースなど、糖質を含む調味料などにも注意が必要です。

②飽和脂肪酸の多い油
生クリーム、牛脂、ラード、マーガリン、バター、ホイップクリーム、クリームチーズなどの飽和脂肪酸の極めて多い摂取は控えること。
(飽和脂肪酸は動物性由来の脂肪酸で、体内に蓄積されて体脂肪になりやすい特徴があります。ケトンダイエット期間中とはいえ、過剰に摂取すると生活習慣病を招く危険があります。)

③意識して摂取する栄養素

水溶性の栄養素であるビタミンB群、ビタミンC、この2つはエネルギー産生や疲労回復、ストレス緩和にも役立ちます。水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿で排出してしまいますので、ダイエット期間中のお守りとして余分に摂取して欲しいです。

そして炭水化物を減らすとマグネシウムが減りやすいので、硬水のミネラルウォーターを飲むのもお勧めです。
その他にはカルシウム、食物繊維が不足しがちなので意識して摂取して欲しいです。

ケトン回路を活性化するにはMCTオイルが有効ですが、慣れていない方は一回に摂る量が多いと浸透圧性の下痢を起こしてしまうので少しずつ摂ると良いです。
1gから始め、その後2〜3gにして、最大5g摂るようにするとエネルギーに変わり、ケトン回路が活性化しやすいです。

④1日の食事例(男性の場合)

朝ご飯
卵5個、ブロッコリー、アスパラガス、トマト1個、アボカド半分、グレープフルーツ半分

昼ご飯
ステーキ300g、ナッツ40g

夜ご飯
青魚300gかレバー300g
野菜、アボカド半分、グレープフルーツ半分

⑤ケトンダイエットのメリット

①効果が早い→体重減少が早いので、やる気も出る。
②空腹感が少ない→炭水化物を摂らないと血糖値が過剰に上がらないので、血糖値の上下動が少ない。
空腹感は血糖値が下降した時に感じやすいので、炭水化物を摂るダイエットに比べて空腹感が少ない。
③炭水化物が苦手で、肉・魚・卵が好きな人には続けやすい。

⑥ケトンダイエットのデメリット

①油が消化できない人
②肉食が苦手な人
③トレーニング経験少ない、筋肉量が少ない女性にはやや不向き。(筋肉量が多い人ほどケトン回路が機能しやすいです)
④外食はメニュー選びが大変

ケトンダイエットは単に糖質を制限すればよいだけではなく、タンパク質や良質な油、野菜もしっかり摂らなくてはいけません。
ですので「普段から炭水化物多めの外食中心です」という方は、覚悟を持ってPFCバランスを変えなければいけません。

まとめ

今回はケトンダイエットの具体的な栄養摂取、メリット、デメリットを紹介しました。
ケトンダイエットは中途半端にやっても意味がないので、PFCバランスを守って安全に行なってください。

次回は前回・今回の①②を踏まえ、ケトンダイエットを行う際の素朴な疑問のQ&Aを紹介していきます。
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝