フィジーク・オンライン

ダイエットで取り組むべき優先順位④ ビタミン・ミネラル・水

この記事をシェアする

0
掲載日:2020.12.30
記事画像1
フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

今回は「ダイエットで取り組むべき優先順位④」ビタミン・ミネラル・水の役割について紹介していきます。

①各種栄養素が身体に与える影響

三大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂肪に加えてビタミン・ミネラル・食物繊維・フアイトケミカルを合わせて、最近では7大栄養素とも言われてます。そしてこれらの7つの栄養素の働きを円滑にするのが体内水分量、すなわち水です。
それだけに基本となる栄養素が不足してしまうと様々な健康的弊害が出て、ダイエットどころではなくなってしまいます。
図①

図①

例えばこちらの図①のように5大栄養素をバランスよく摂れていれば、各栄養素が補完し合って身体を元気を保ちます。
図②

図②

逆にこちらの図②のように、エネルギーになる炭水化物と脂肪だけを摂ってビタミンやミネラルが疎かになると、5大栄養素のバランスが崩れて体調も傾いてしまいます。
ダイエット的には、糖分を沢山摂ってもビタミン・ミネラルが足りていないと糖分を有効に利用できないので、身体はエネルギー不足と感じて食欲が増してしまいます。
これではダイエットが継続できません。それだけにビタミン・ミネラルは重要です。

②ビタミン・ミネラルの働き

ビタミン・・・体の調子を整えるために三大栄養素とミネラルが体内でスムーズに使われるのに必要。消化吸収、身体の成長、精神の健康、免疫などにも欠かせない栄養素です。脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあり、ほとんどのビタミンは体で作ることができない為、食事から摂取する必要があります。

ミネラル・・・ビタミンと同様に体の調子を整えてくれる栄養素です。ミネラルは体の構成成分や各種ホルモンの材料になります。鉄・カルシウム・カリウム・亜鉛・マグネシウム、クロムなどがあります。ビタミンと同じくほとんどのミネラルは体で作ることができない為、食事から摂取する必要があります。

③ダイエットで大事なビタミン・ミネラル

今回はダイエットですので、特に注目したいビタミン・ミネラルを上げると、
ビタミンB1→炭水化物をエネルギーに変換します。不足すると糖をエネルギーに変えられなくなるため脂肪として蓄積しやすくなり、身体も疲れやすくなります。

ビタミンB2→脂肪をエネルギーにします。不足すると脂肪をエネルギーに変えられなくなるため、脂肪として蓄積しやすくなります。

ビタミンB6→タンパク質を代謝し、アミノ酸を使うときに必要です。つまりはタンパク質を沢山摂るアスリートほど必要になります。

ビタミンB12→葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビンの生成します。つまりは貧血の予防に繋がります。

ビタミンC→コラーゲンの合成、細胞の接着剤として筋肉や骨の材料になります。抗酸化作用もあるので、有害な活性酸素から身体を守ります。
ビタミンBとCは水溶性ビタミンです。一回で大量に摂っても尿で排出してしまいますので、少なくとも3回に分けて小まめに摂取して一日中円滑になるようにしてください。

亜鉛とマグネシウム→各種ホルモンの材料、筋肉を緩めたり、リラックスさせる効果もある。

④水

身体の体内水分量は成人男性で60〜65%あると言われています。主な役割としては栄養素・ホルモンの運搬、老廃物の排出、体温調節などを行います。体液中の電解質は浸透圧を保つなど生命維持に重要です。

その為、身体の体内水分量が
体重の1%減ると→パフォーマンス低下
体重の2%減ると→喉の渇き
体重の3%減ると→集中力低下
になりますので、喉が渇いた時は既に1〜2%体内水分量が減っている可能性があるので、小まめな水分補給が必要です。
そして軽度の脱水で副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)やコルチゾールが増加し、酸化ストレスも増加します。
ダイエット的には細胞内に水が満たされている状態になると脂肪の分解を促進しますので、高温多湿の環境下では電解質のバランスを考えた水分補給が重要です。

そして気をつけたいのは、カフェインとアルコールの過剰摂取です。カフェインの過剰摂取は利尿作用を高め、アルコールは分解の過程で水分を使い脱水を引き起こすので、運動後のカフェインやアルコール摂取は過度にならないよう気をつけましょう。

⑤食品からビタミン・ミネラル・水を摂るには

① 野菜、果物を食べる
野菜、果物は水分も多く満足度も高いです。
私の体重が100kgあった頃の食生活では、野菜の摂取はほぼゼロでした。当時は野菜を美味しいと思わなくて、野菜を食べるくらいならエネルギーになる主食を食べようと間違った考えを持っていました。
当然これでは身体に必要な栄養素が入って来ないので、身体は不足した栄養を補おうと近くにある炭水化物や甘い物を摂り太るという負のスパイラルに入っていました。

近年、野菜だけでビタミン・ミネラルを摂るにはかなりの量を摂らないといけないと言われていますが、低カロリーの野菜を美味しいと感じて沢山の量を食べられることはダイエットに有効です。しかし果物は果糖が多いので、摂取タイミングはトレーニング前後などに限定した方が賢明です。

② タンパク質をバランス良く食べる 
ダイエットに有効なビタミンB群はタンパク質に多いです。鶏肉、豚肉、牛肉、魚、豆、卵など食品によって含まれるアミノ酸やビタミン、ミネラルも違うので、なるべく低脂肪な食材を選んでメニュー豊富な献立を考えてください。

③ ナッツや乳製品  
マグネシウムはビタミンDとEが豊富です。脂肪も多いですが「ミラクルナッツ」という言葉があるほどカシューナッツ、クルミ、アーモンドは栄養価が高いです。
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品はビタミンD、カルシウムが豊富です。しかしナッツと乳製品はカロリーが高いので、活動量に合わせた摂取を心掛けてください。

④ 発酵食品を取り腸内環境を良くして、栄養素の吸収UP
納豆、ヨーグルト、キムチ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品は、腸内環境を整え栄養素の吸収を良くします。内臓疲労がある方などは腸内環境を見直して発酵食品を摂ることをお勧めします。

⑤ 未精製食品を食べる 
白米や白パンなどは、精製される課程で本来持っているビタミンやミネラルも取り除いてしまします。未精製の玄米、全粒パン、全粒パスタなどはビタミンやミネラルが豊富です。中でもミネラルのクロムは未精製食品に多く、インスリンの感受性を向上させます。
また未精製な食品ほど食物繊維が多く消化がゆっくりになり、急激に血糖値を上げることがありませんのでダイエットの強い味方です。

⑥ なるべく素材をそのまま食べる
魚・肉系の肝などの内臓や魚の頭などにはビタミン・ミネラルが多いです。苦手な人でも調理法によっては美味しく食べやすくなります。小魚などは丸ごと食べれる栄養の塊です。

⑦ 苦手な食品もたまに摂る
苦手な食品には、摂れていない栄養素が沢山あります。
そして苦手な食品を減らして行くことによってダイエット食品を美味しく食べ続ける能力が身につきます。
これが結構大事なので、苦手な食品もたまに食べて克服してみてください。

⑧ サプリメントを有効利用する。
忙しい現代社会、全ての食事を栄養バランス良く料理する時間はなかなか取れないと思いますし、苦手な食品を克服するのにも時間がかかると思います。各種ビタミン、ミネラルのサプリメントで補いながら、ダイエット期間を乗り切るのも一つの手段です。

まとめ

ビタミン、ミネラル、水が身体に与えている影響は大きいですよね。ダイエットをしていて疲れが溜まってきたり精神的にも継続できない場合は、今回の栄養素を摂ると格段に元気になりますので一度試してみてください。
次回のテーマはダイエットサプリメントです。お楽しみに(^^)

筋トレのお得な8大メリット

  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝