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人生を豊かにするタンパク質摂取の秘密③ ダイエットに勝利するタンパク質のお得な6箇条 

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掲載日:2021.07.11
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
前回は「タンパク質の総論」、「タンパク質の食品ランキングベスト10」でした。
今回は「ダイエットに勝利するタンパク質のお得な6箇条」です。
ダイエット中は、運動量を増やし、カロリー摂取も抑えるので、普段より疲労も貯まります。タンパク質はそんな貴方の危機的状況を守ってくれるスーパーヒーローです。
ダイエットを快適に成功させる、タンパク質の6箇条を順番に紹介します。

① ダイエット時の筋肉の分解を抑える。代謝低下を防ぐ

ダイエット時、極端な栄養不足と長時間のトレーニングが続くと、身体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。筋肉が落ちてしまうと基礎代謝も下がるので、身体はカロリー消費を下げ、ダイエットのペースも鈍くなります。
それを防ぐ為にも、筋肉の材料となるタンパク質の量を、トレーニング初級者は体重あたり1.5〜2gは摂ると良いです。
そして競技志向の中・上級者は体重あたり2〜3g摂ると良いです。ダイエット中でも結構な量ですよね。そこで食事以外の間食で、小分けしてタンパク質を取ることが重要です。
特に9つの必須アミノ酸、バリン・ロイシン・イソロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・ヒスチジンは抑えておきたいです。
EAA「必須アミノ酸(Essential Amino Acid)」のサプリメントは、筋肉の合成・分解抑制の為に、トレーニング前・後にお勧めです。

②必須アミノ酸が脂肪分解ホルモンを作る。

タンパク質食品から必須アミノ酸が取れますが、牛肉の牛レバー・マグロ・鶏胸肉などに多く含まれる、必須アミノ酸のフェニルアラニンは、脂肪分解ホルモンをつくります。
食事から摂取したフェニルアラニンが、フェニルアラニン→チロシン→アドレナリンなどの神経伝達物質が合成→アドレナリン分泌→ホルモン感受性リパーゼを活性化→中性脂肪の分解といった流れで、体脂肪の分解をサポートしますので、必須アミノ酸の不足は脂肪燃焼を停滞させます。

③三大栄養素の中で最も身体の脂肪になりにくい

三大栄養素のタンパク質、炭水化物、脂肪の中で、タンパク質は食事誘発性熱産生が最も高いです。食事誘発性熱産生=DIT (Diet Induced Thermogenesis)とは、食後に消化・分解する過程で、栄養素が体熱となって消費されることです。三大栄養素によってその割合も違い、タンパク質30%、脂肪4% 炭水化物6%が消化のエネルギーで使われます。ですので、100キロカロリーのタンパク質を取っても、30キロカロリーはDITで使われることになりますので、タンパク質は低脂肪な食品なら脂肪になりにくいのでお得です。

④食欲抑制ホルモンが食欲を抑制する

タンパク質を摂ると、腸からコレシストキニン(CCK)という消化管ホルモンが分泌されます。それが食後の満腹感となって食欲を抑制します。
ですので、食事にタンパク質を加えることで、この働きを利用して食べ過ぎを防ぐことができます。白米だけ、パンだけ、お菓子だけなどの、炭水化物のみを食べた時に、食欲が止まらなくなるのがこの為です。なるべく定食系の食事を心掛けましょう。食欲のコントロールに腸は超大事ですw

⑤タンパク質食品に含まれるビタミンB群が脂肪燃焼する

タンパク質食品には各種栄養素の代謝に重要なビタミンB群が豊富です。
ビタミンB1→炭水化物をエネルギーします。不足すると糖をエネルギーに変えられなくなります。
ビタミンB2→脂肪をエネルギーにします。不足すると脂肪をエネルギーに変えられなくなる為、脂肪として蓄積しやすくなります。
ビタミンB6→タンパク質を代謝し、アミノ酸を使うときに必要です。つまりはタンパク質を沢山摂るアスリートほど必要になります。
ビタミンB12→葉酸と協力して、赤血球中のヘモグロビンの生成します。つまりは貧血の予防に繋がります。
ビタミンB群は、三大栄養素の働きを円滑にし、身体を元気にします。身体が元気で代謝が良い時に、最も体脂肪が燃えます!ビタミンB群は水溶性ビタミンですので、小まめに摂取するようにしましょう。

⑥タンパク質のGI値が低い

GI値とはグリセミックインデックスのことで、食後血糖値が上昇する食品を数値化して分類した物です。ブドウ糖を100とし、数値が高いと血糖値が急激に上がり、数値が低いほど血糖値が緩やかに上がります。
殆どのタンパク質食品は30〜50とかなり低い値になります。食事にタンパク質を加えることによって、食事全体のGI値を下げることにもなります。
血糖値が高くなると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌します。インスリンは脂肪の合成もするホルモンなので、糖質の摂りすぎは脂肪になりやすいです。
逆に、血糖値が低い時は、膵臓からグルカゴンというホルモンが出ます。このグルカゴンが分泌している時は、脂肪の分解が進みますので、ダイエット中は炭水化物過多にならず、食事はタンパク質を中心にし、グルカゴン分泌優位なライフスタイルを心掛けたいです。

まとめ

私も現役のボディビルダーの頃は、ダイエット中のカタボリックな時、タンパク質には「命(筋肉)を救われた」と言っても良い位お世話になりました。
近年、コンビニなどでもタンパク質食品は手に入りやすくなったので、今回のダイエットに勝利するタンパク質のお得な6箇条を胸に、タンパク質を食事に取り入れて、人生を豊かにしてくださいね♬

筋トレのお得な8大メリット

  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝