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ダイエットで取り組むべき優先順位①

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掲載日:2020.09.06
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
今回は「ダイエットで取り組むべき優先順位」について紹介して行きます。

①「ダイエットで取り組むべき優先順位」とは

世の中には沢山のダイエットメソッドがあり、私個人的にはダイエットしたい方のライフスタイル・趣味・嗜好・気質に合っていて、極端に健康を害するものでなければ、メソッドや方法は何でも良いと思っておりますが、唯一、「筋肉を残して無駄な体脂肪を落とす」ということがダイエットの王道になると私は思います。

仮に急激なダイエットで早く体重が落ちたとしても、脂肪と同時に筋肉も落ちてしまうと、ダイエットを緩めた時にリバウンドしてしまう可能性があります。
その為には、人間の基礎代謝を司る、筋肉を落とさない為の「運動」と「食事」(栄養摂取)の基礎が大事になってきます。特に今回は「食事」(栄養摂取)を中心にお話していきます。

私が現場でダイエット指導をしていても、運動を頑張っているのに、栄養摂取の優先順位的に惜しい行動をしてしまい、痩せも太りもしないスパイラルに入ってしまってる方もいます。
そこで、ダイエットで取り組むべき優先順位をピラミッド的に順番にしてみました。
この順番がずれてしまうと、ほとんどのダイエットが効果がなかったという結果になってしまいます。
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①カロリー摂取の収支状況
②三大栄養素の比率・種類
③食事回数、食事時間
④ビタミン、ミネラル、水
⑤サプリメント


そしてここに書きませんでしたが、ピラミッドの一番下の根っこは、「自責のメンタルでダイエットを継続する信念」になります。「仕事が忙しいくて・・・」「付き合いで食べ過ぎちゃって・・・」など、他責ではなく、自責でダイエットの環境作りをして、例え食べ過ぎたとしても、翌日は食事を抑えたりし、自分で軌道修正してダイエット期間を取り組むことがとても大事です。

②カロリー摂取の収支状況

まずピラミッドの1番下を司るのは、カロリー摂取の収支状況です。素人、玄人問わず、体脂肪の減少の基礎はこれがベースとしてあります。
体重が右肩上がりに増えている方には、苦言を呈するようですが、「〇〇ダイエットを試したけど効果無かった」、「ジムで全身の筋トレしたけど痩せなかった」などの話を聞きます。
私がその時に「どんな食事内容でダイエットしていましたか?」と聞くと、「食事は変えずに普通に食べていました!」と答える人が多いです。
これは体重が右肩上がりに増えてるときは、ほとんどの場合、必要摂取カロリーに対して食事の摂取カロリーが超過しているので、食事を生活活動量に合わせてある程度は減少させなければ、カロリーの収支がマイナスに行かない状態でダイエットしているので、これでは運動や食事の頑張りが、ダイエット的には惜しい結果になってしまいます。
ここで、ある二人の方のダイエット例を紹介します。

①一日に平均的な栄養摂取をしているが、標準体重より少しウエイトオーバーの普通に食べ男君

普通に食べ男君の生活で一日に必要な摂取カロリー=1800キロカロリーとします。
普段と変わらず1食600キロカロリーの食事を、朝+昼+晩=1800キロカロリー摂取し、一日250キロカロリーは消費する流行の〇〇エクササイズを、1ヶ月するようになりました。そうしたら単純計算ですが、
1800-1800=0 0-250=-250 -250×30=-7500キロカロリー
1ヶ月で7500キロカロリー消費し、体脂肪を1kg減らすのには、7000キロカロリーのマイナスが必要なので、このまま順調に行けば約1kgの脂肪燃焼が見込めます。

②一日に超過した栄養摂取をし、肥満体重の沢山食べ男君

沢山食べ男君の生活で一日に必要な摂取カロリーは、身体も大きいので=2400キロカロリーとします。普段と変わらず1食1000キロカロリーの食事を、朝+昼+晩=3000キロカロリー摂取し、一日250キロカロリーは消費する〇〇エクササイズを1ヶ月するようになりました。そうしたら単純計算ですが、
3000-2400=600 600-250=350 350×30=10500キロカロリー
普段の食事の超過分が多く、1ヶ月で10500キロカロリーオーバーしているので、ダイエットどころか、逆に体脂肪が増えてしまう可能性があります。
超過している食事が日常になると、「普通に食べているのに痩せないんです・・・」と言う感覚にもなりますが、体重が右肩上がりに増えている場合は、本人が思っている以上に、1人前の食事と言えども量が多い可能性があります。また、外食も多いと、調理で使う油の摂取量も増えるので、見えないカロリー超過をしていたりします。

③カロリー摂取の収支状況が他に与える影響

またピラミッドの下から2段目の「三大栄養素の比率、酒類」の項目において、「低炭水化物をしたけど痩せなかった」「低GI食品に置き換えダイエットしたけど変化が無かった」という場合、上記のように、低炭水化物にしていても一日の必要なカロリー以上に、他のタンパク質や脂質でカロリーを取ってしまい、カロリーの収支状況がプラスに働いている場合があります。これでは三大栄養素の比率を変えても思うように結果が出ません。

ピラミッドの3段目の食事の回数、食事の時間も、カロリーが超過していると、変化を加えてもダイエット的には結果が出なかったりします。
当然その上にある、ビタミン、ミネラル、水、サプリメントも、ピラミッドの下段のベースのカロリー管理がある程度できていないと、意識して摂取しても、健康にはなりますが、体脂肪の減少は起こりにくいと思います。
これはダイエットという船の航海を例にすると、船を進める為のガソリン、食事の栄養を積み過ぎて重くなり、船が全く進まなくなっている状態と似ています。

④ダイエットカロリーの計算

あくまで数字的な目安になりますが、下記が活動量にあったダイエットカロリーの計算になります。

除脂肪体重×28.5=一日の基礎代謝
除脂肪体重×28.5×生活活動強度指数(1.3~1.9)-500=ダイエットカロリー

除脂肪体重とは、脂肪を除いた体重になりますので、極端な例ですが、100kgで体脂肪10%の人でしたら、除脂肪体重は90kgです。
生活活動強度指数はあまり動かない人で1.3、ハードにトレーニングする方で1.9になります。この生活活動強度指数によってカロリー摂取が大幅に変わってきますので、生活活動強度指数を上げることも重要です。

私も食べるなとは言っていません。あくまで運動が行える範囲の、生活活動量にあった摂取カロリーまで下げるだけなので、食品を選べばしっかり栄養が取れるので、健康を害するような食事制限ではありません。
沢山食べていたのを減らすのが辛い気持ちも分かりますが、ダイエットが頭打ちになっているのなら、食べ過ぎていないか、1日、そして1週間の摂取カロリーが取り過ぎていないか見直し、カロリー計算は少し難しいと思いますので、1度食事内容のメモをつけて、どれくらいの量を食べてるか把握してみてください。

「親の甘茶が毒になる」という慣用句がありまして、親が甘やかし過ぎて子供を育てることはかえってよくないという意味なんですが、大人になると厳しく身体を管理してくれる親は自分自身なので、自分の身体を甘やかし過ぎない厳しい親になってみてください!!

まとめ

今回は「ダイエットで取り組むべき優先順位」の「カロリー摂取の収支状況」を紹介しました。カロリー管理は一見息苦しく感じますが、そのルールを守れば結果として楽にダイエットが進みますので、ダイエット期間とダイエットカロリーを明確に決めて取り組んでみてください。
次回のコラムはその続きの「栄養摂取の比率と種類」になります。

ダイエットで取り組むべき優先順位②「三大栄養素の比率・種類」

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  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝