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新団体「 NPCJ 」とは?−コンテストの新しい形を目指す−
掲載日:2015.06.05
左から阿部和也選手、伊藤志江選手、小池友仁選手
2015年2月1日、アメリカのアマチュアボディビル最大の団体NPCの大会に準じた大会を日本でも開き、フィットネスの良さを多くの人たちに知ってもらいたいという趣旨の下、一般社団法人NPCJが設立された。
その趣旨に賛同し、今年から新団体に活動の場を移すのが昨年USBBJAPANナショナルズのフィジーク、ビキニ部門で優勝した小池友仁、阿部和也、伊藤志江各選手、そして代表の庄司貴之氏の4名にフィジークへの思い、今後の抱負、ビジョンなどについて語り合っていただいた。
カラダ文化をリードするフィジーク
— 2015年が始まり、みなさんも新たな気持ちでこの一年臨まれることと思います。まず個々のそれぞれの競技に対する気持ちをお聞かせください。まず小池選手、つくづくすごいカラダですね。
小池 ウエストが細いからそう見えるのでしょう。自分ではまだまだと思っています。
— 現在はパーソナルジムを経営されているとお聞きしましたが?
小池 港区白金でIM BODYといいます。
— 全身の雰囲気はオシャレ感いっぱい。
小池 昔は短髪で金髪に染めて、イケイケでしたし、胸元は空けたりと、アニマル系の服を好んでいましたが、いまは黒髪で伸ばし、メガネをかけてとイメージチェンジしました。
伊藤 インテリ風に見えていいし、若いからなにをやってもいい感じ。
— ウエイトトレーニングはいつ頃から?
小池 中学1年から11年目。学習塾を経営する父は空手をやっており、そのため塾に筋トレ用具が多数置いてありました。私もその父の影響を受けて筋トレも空手もやりました。
— まさに英才教育ですね。大会は昨年初めて出場したということですが、その体ならボディビルでにも適応しますがメンズフィジークを選択した訳をお聞かせ下さい。
小池 誤解を恐れず言わせていただくと日本ではボディビルはカッコいいというイメージが損なわれている感じがします。あくまでも周りの人たちにカッコいい、あのようなカラダになりたいという身近で憧れられる存在でいるには、フィジーク路線でいったほうがいいと思ったからです。
— オシャレ感をより表現しやすいのはフィジークということですね。それは大事なこと。
小池 ボクサーパンツをカッコよくはけるカラダをめざしています。
— 阿部選手もメンズフィジークに出場していますがどうでしょうか?
阿部 私の場合、ボディビルに出られるカラダではないので、逆にフィジークという競技が自分のスペックにちょうど合ったものだと思いますから、ボディビルへ出ようという気持ちはありませんでした。
— コンテスト歴は?
阿部 一昨年から出ています。もともと野球をやっていてウエイトトレーニングは必須でした。やっているうちに好きになり、職業(パーソナルトレーナー)となり、選手になったということです。
— 伊藤選手もパーソナルトレーナーですが、コンテスト歴は?
伊藤 2006年から一度も休まず毎年出場しています。
— もう大ベテランですね。
伊藤 休まない理由は一度休むとそのままで出なくなると思うから。だから毎年目標をつくるようにしています。
— コンテストに出るきっかけは?
伊藤 ゴールドジム名古屋金山店オープン時にトレーナーとして加わったことで、ボディビルダーの皆さんのコンテストに向けての身体づくりや調整、そしてステージを間近でみていてとても感動したのがキッカケで、自身でもチャレンジしてみたいと。
ですが、ボディビルカテゴリーには魅力を感じず、女性らしい筋肉美のコンテストである健康美大会へチャレンジしました。そこからさらに上を目指していくこと、自分への挑戦としてずっと出場しています。さすがにビキニは無いと思いましたが、マスターズクラスがありましたのでチャレンジしました(笑)ビキニへのカラダづくりはとても勉強になりましたね。
— もともとラインがビキニ向きだと思います。
伊藤 そうですか?手足が短いのでキャラクターでカバーしています(笑)。
— その明るさが持ち味だし、イメージアップにもなっていますね。
伊藤 これまでやってきた積み重ねもあるのでしょうけれど、私を見て続く人が増えてもらいたいという思いも込めての46歳でビキニ初挑戦でした。
— 今後の目標、抱負をお聞かせください。なかでも小池選手はウエストの細さとバルクの大きさは日本人には稀なカラダだけに、ぜひ世界をめざしてもらいたい逸材だと思っています。
小池 国内は昨年までと決めていたので、何か海外の大会に出たいです。
— えっ、国内は一年だけでもう海外?
小池 一度国内での評価を受けてからと思っていたので、優勝できましたし。
伊藤 でも一回はNPCJの大会に出ておきませんか?それに7月にはNPCのミスターロサンゼルスにNPCJの選手も参加する予定だから。
小池 そうですね。名古屋大会ではバリバリに仕上げることができたけど、東京大会は甘かったし、もっと調整をしっかりやらないといけないとも思っています。今年は新団体スタートの年でもありますし、もう少し考えてみます。
— 阿部選手はどうですか?
阿部 私はサイズもそんなにないし、自分自身を客観的にみたときに外国で戦っていけるカラダでもない。国内で自分と同じクラスのなかで勝ち続けるという目標のほうが正しいと思っている。175㎝以下級のクラスに強いこだわりがあります。参加者の多いクラスでもあるし。小池選手も言われましたが、一般の人から目標や憧れを抱かれるような存在でありたい。
— 阿部選手のそのキリリとした目はステージ上で武器になりますね。
伊藤 時代劇、歌舞伎役者の雰囲気を感じますね。
阿部 目つきが悪いと言われたりしますが、3歳の娘はとてもほめてくれます…親バカで(笑)。
— 伊藤選手は?
伊藤 これからもビキニへ挑戦し続けるのは悩みどころですが、カラダが変わってきているのでもう少し突き詰めたいし、そしてその経験を指導にも生かしていきたい。現在ビキニはブラジル、アメリカ人といったインターナショナルな選手層ですが、日本人を増やす意味でもまだまだ頑張ります。
— 皆さん、普段のトレーニングはどんな所でやっていますか?伊藤選手はご自身のスタジオですか?
伊藤 はい。ただパワーラック2つだけなのでほかのジムへも行きます。なによりも一人ぼっちだと気持ちが入らない。みんなの視線を感じながらやるほうが好きなんです。
小池 私はベンチ、スクワット、デッドリフトなどがメインなので自分のジムが主力。肩などのアイソレーション系の種目のときに、ゴールドジムへ行ってマシンをやります。
阿部 勤務先のクラブと自宅近くのフィットネスクラブの二つですが、職場はやはり気がねしてしまうのでフィットネスクラブのほうが中心になっています。
新しい形のコンテストNPCJ
選手と観客が共に楽しめるステージ作りを目指すと語るNPCJ代表・庄司貴之氏
— ここで話題を変えて、NPCJのめざす方向性を代表の庄司さんにお聞きします。
庄司 実は私はフィジークもボディビルもビキニともまったく関係ないITベンチャー企業の世界にいて、たまたまトレーニングをしていた関係で、縁あってこのたび代表に就任させていただくことになりました。日本特有のガラパゴス化にならないよう、アメリカではカラダを鍛えている人は尊敬されるように日本でもそういう風潮にもっていきたいと考えています。
— 具体的なものがありましたら。
庄司 違う世界で働いてきた視点から見ると、日本のフィットネスもアメリカ同様もっと楽しくてもいいと思っている。現在日本の全人口の4%がフィットネスクラブに通っていると言われていますが、それをアメリカ並みの20%強まで引き上げたいと考えています。その方策の一つとして本物のコンテストとともに、敷居の低い誰もが参加したくなる、自分でもやれるんじゃないかなというものも併せて開催したいと考えています。真面目な面もあり、楽しめる面もあり、ようするに選手と観客が一体となってコンテストを創り上げていくという雰囲気のなかでスキルアップしていきたい。そして将来を考えた場合20代を開拓していかないといずれ衰退していくので、その年代を取り込むための啓蒙活動を重点的にしていきたいと思っています。
— たしかに男女とも20代の競技人口は少なく、危機感を持って取り組まなければなりません。25歳の小池選手はポテンシャルが高く、今後日本を代表する選手になっていってもらいたい。活躍すれば同年代の人たちの刺激になって活性化していくはずです。
阿部 なによりも25歳という年齢が大きな武器になっている。私もほんとうに同世代やそれ以下の世代に夢を与える存在になってもらいたいです。
— カラダだけでなく冒頭のほうで小池選手が言われたカッコよく、オシャレ感が大切という考え方が若者にとって共鳴するものだと思います。
伊藤 その要素をフィジークは持っていますし、マーケットも広いです。NPCJは一からのスタートですからいろんな試みにチャレンジしていきたい。たとえばみんなが出たくなるような名称のカテゴリーを設ける。アメリカにはロックスタービキニ、エナジー系ドリンクのモデルコンテストがあったりするので、スポンサーを探してモデルサーチみたいなものをやりたいですね。
— 原則、脱がないといけないけど、参加者を増やすためには少しハードルを下げて露出度を少なくしてもいいと思います。参加者が増えれば、その関係者が応援に来るから観客も増えるという相乗効果が期待できる。ところで今年の大会の予定は決まっているのでしょうか。
庄司 全国で7〜8カ所予定しています。名古屋、仙台、広島、茨城、千葉など。そして11月15日の東京大会はNPCJの最高峰の大会ですから、ボディビル、フィジーク、ビキニの3部門を開催しますが、それ以外ではフィジークとビキニだけの大会があってもいいし、新部門も設けていきたい。キッズフィジークなんかいいかも知れません。とにかく多くの人たちにステージに立つ喜びを味わってもらいたいですね。
伊藤 裾野を広げるためにも大会は重要なツールであり、その中身が大事。今年最初の大会は阿部さんの地元ですよね。
阿部 はい、5月31日吉祥寺で開催します。フィジークとビキニだけで、チャレンジマッチ的な色合いのルーキー系の大会です。
— 伊藤さんの地元、名古屋はいかがですか?
伊藤 6月には名古屋で趣向を凝らしてイベント性の強いもの。具体的にはまだ決まっていませんが、観客の方もただ観客席で見るだけものにはしたくないと考えています。とにかくワクワクドキドキするような仕掛けをしていかないと注目されないし、広がっていきません。
— これからは既成概念に捉われないことが大事ですね。
庄司 NPCJは一般社団法人として設立されました。おかげさまで我々の趣旨に賛同して多くの企業様が支援を表明してくれています。スポーツ、アパレル、飲食など幅広い業種です。
伊藤 社員全員でヨガをやっているえびせん屋さんがあったり、ラーメン屋さんは本社の屋上に立派なジムがあったりと、そういう会社が応援してくれるので一般の方々へのPRにもなると思います。
庄司 アパレルメーカーさんと提携して筋肉がきれいに映えるようなウエアを考案中。デザインを選手のみなさんから提案してもらっており、出来上がったら実際に選手に着てもらい、春頃にそれを撮影して販売していきたいと思っています。トレーニングをやってカッコいいカラダを創り上げた人が、ちがう分野でも活躍できるチャンスをつくってあげたいのです。
小池 たしかカラダづくりは容易ではないけれど、その先に何かがあればやる気が生まれてきます。
なによりもカッコよく、オシャレ感がないと広まっていかない、そこをキーワードにして雑誌作りも団体の活動もしていかなければならないと強く思っています。みなさん、本日はお忙しい中、ありがとうございました。
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 005 ]
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