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マシン倉庫併設型ジム 男衾(おぶすま)ボディビルジムの展望【#1 基本理念編】

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掲載日:2022.04.21
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オシャレな24時間ジムやパーソナルジムが乱立する2022年、埼玉県の片田舎である寄居男衾(おぶすま)にハードコアなボディビルジムができた。令和に入ってオープンしたジムにおいてボディビルと名の付くジムは相当珍しいのではないだろうか。
しかし、ボディビルジムとは名乗りながらも実際はパワー用ベンチやウェイトリフティング用プラットフォーム、パラパワー用ベンチなども揃っており、さらには倉庫内に中古販売用のマシンも保管している。
本記事では男衾ボディビルジムの特徴でもある、通常と異なるコンセプトとビジネスモデルをご紹介していこう。新規事業のアイデアや地域の活性化、空き家活用など、具体的にいつ誰にどう役立つかはわからないが知識の点は思わぬところで線となり、やがて未来で繋がる。ひとまず知っておいて損はない。

お世話になっております

本記事は男衾ボディビルジムのマネージャーである私、せきぐちが作製している。縁あってジムの運営に関わる機会を頂いた次第だ。
せきぐちは今ご覧頂いているフィジークオンラインにて主に「屈強インタビュー」シリーズやイベントレポートなどを担当している。取材させて頂いた選手の皆様、これから取材させて頂く皆様、講演者の皆様、読んでくださる皆様に深く感謝しております。

マシン倉庫とジムの併設

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男衾ボディビルジムのビジネスモデル上の特徴として、中古マシンの販売や買い取りを行うマシンやさんグループ(旧ストロングデポ)埼玉としても業務を行っており、マシン倉庫とジムが一緒になっている点がある。

元々、杉田智之氏(BIG FIVE/男衾ボディビルジム代表)はジム運営の傍らでマシンの中古販売を行うためにジムとは別にマシン保管用の倉庫を借りていた。しかし倉庫の使用面積と費用が比例することで、マシンを大量に保管すると費用もかさみ困っていた。

そこで、同じような価格帯でより広い倉庫を借りてマシン保管用のスペースとジムとして開放するスペースに分けて営業する、坪単価が安い田舎だからこそできる仕組みの導入を試みた。こうして立ち上がったのが男衾ボディビルジムである。

ここに人を招くのだ

ちょっとこわい

ちょっとこわい

清掃前の倉庫は悲惨極まりない状況であった。
元々は玉ねぎを加工する工場だったらしいが土埃舞う薄暗い空間にかつての面影はなく、床には時が止まったように玉ねぎの薄肌色の皮が点在していた。

倉庫の壁には配管が通っていたであろう穴が虚しく残り、無人となってからもその役割を全うし続けていた換気扇や通風口などからも寄居の恵まれた土壌が運び込まれ堆積している、室内と室外の境界を見失った不思議な空間に仕上がっていた。このまま人の手が入らずもう数年も経てば独自の生態系が生まれそうだ。

気が遠くなるが、ここをジムにしなければならない。
まずマシンを1箇所に集めて空いたスペースを清掃し、床のラバーマットを敷く工程を繰り返していく。このマットももちろん他のジムから引き上げてきたものだ。新しい場所で新しい人々のトレーニングを同じように支えてもらうこととなった。
元々床に流れた水を1箇所に集める構造だったのだろう、床がゆるく傾斜している部分もあったが段差を埋めたりマシンや器具の配置を工夫することで最終的にトレーニングへの影響は全くと言っていいほどなくなった。ほんとによかった。

先にマシンを倉庫に入れてしまったので

もうめちゃくちゃである

もうめちゃくちゃである

ジムでも他業種の店舗でも中は空の状態から始まる。まずは全体的に清掃を行い、床材を敷いたり壁面や天井を施工なりDIYなりして内装をおよそ整えてからモノを運び込むのが一般的かつ効率的な流れだ。

しかし本件では倉庫移転の都合上、一切の内装整備や清掃をしないままマシンを搬入せざるを得なかった。
新しい倉庫の引き渡しからまずは清掃を、、、と悠長に構える間もなく、この時点から現行の倉庫と新しい倉庫の費用が二重で発生してしまうため早急に膨大な量のマシンの倉庫移転を行う必要があったのだ。倉庫に二重に支払うのならばその分は今後のジムの運営に充てたいと切実に思っていた。

マシンの流通、意外にある

ジムは「マシンやさんグループ埼玉」の倉庫としても機能する都合上、望む望まないに関わらずマシンの撤収や搬入も業務として行うことになる。本件で中古マシンの搬入/搬出に関わって初めて知ったが、思いのほかマシンの流通は盛んに行われているのだ。
あるジムが閉鎖するのでマシンを引き上げ、あるジムではマシンの入れ替え、ある人は新しくジムを作るのでマシンをセットで一式。家トレを主とする個人からもマシンや器具の問い合わせがある。マシンがこんなに頻繁に流通しているとは知らなかった。今日あなたがジムに行く途中ですれ違ったトラックのコンテナにもマシンが積まれていたかもしれない。

ただ、引き取ったマシンがすぐに出て行くとは限らない。実際、引き取ったマシンや器具が多すぎて広大な倉庫にも収まらない有様だった。今まで倉庫が従量課金だった反動か、保管費用が変わらない魅力は収容量の概念を薙ぎ払い引き取りを加速させた。その結果ジム内にマシンが溢れ出し、足の踏み場がない日すら珍しくなかった。横に突き出たチェストプレスのグリップが体に刺さった事も一度や二度ではなく、十分な通路や導線を確保する重要性を実感した。

幽霊会員ゼロシステム

収益構造に対する理念の話をしておこう。男衾ボディビルジムは基本的に定員を100名に限定した月額制だが、連絡なく一ヶ月来館がないと自動的に退会扱いになる。要するに幽霊会員がゼロなのだ。
一般的な会員制のビジネスにおいては利用しなくても会費が発生するが、男衾ボディビルジムはそれを良しとしない。使っていないのならば払わなくて良い。

もちろんどうやっても一ヶ月近く来れないときもあるため事前に連絡を頂ければ継続できる。しかし特筆した理由なく一ヶ月近くジムに足を運べないのであれば、その人にとって少なくとも現時点ではトレーニングの優先順位が高くない、もしくはどうしても取り組めないことを示している。それならばひとまずは優先順位の高い方に注力してもらいたい。
一ヶ月来ないと退会扱いは厳しい規則のようであるが、利用者側にしてみても理にかなったシステムと考えることもできる。

これはあくまでも「辞めていっていい」のではなく「引き止めない」ニュアンスであることを強くお伝えしたい。もちろん継続して楽しくジムを使ってくれることは大変光栄極まりなく、ジムを運営していくためにも会費収入なりマシン販売収入なりが必要不可欠になることは言うまでもない。

なお、ジムのサイトのトップページではオープニングイベントの参加予約数や現在の会員数も常に表示を続けている。透明性が高く、強みも弱みも共有できる、ひとえに真摯なジムでありたいのだ。

オープニングイベント参加予約受付中!

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2022年5月3日(火・祝)、男衾ボディビルジム オープニングイベントを開催致します!各分野の特別ゲストを招いた超豪華な体験型イベントです。参加者様ご予約受付中!
(BIG FIVEの7周年も同日なのでぜひそちらも一緒にお願いします)
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イベント内容(順不同)

・日本ハイインテンシティトレーニング協会
体験トレーニング&デモンストレーション

・フリップタイヤ 
デモンストレーション&体験会
JAPAN STRONGESTMAN UNITY 代表
中嶋 健詞氏

・車椅子ボディビル ゲストポーズ
三浦浩選手

・ウェイトリフティング体験講習会
講師 立教大学重量挙げ部コーチ
宮村 淳氏
極楽トレーニング倶楽部 

・パラパワーリフティング 
体験会&デモンストレーション
吉田進氏

・ポージング講習会
吉田真人氏

・ゲストポーザー
須江正尋選手

・ランチ マッスル弁当

・キッチンカー 
石焼ピザ ネコのカネコ

・YOUTUBE撮影 
Projectターシー

オープニングパーティー
総合プロデューサー
相川浩一