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飛距離アップの為に回旋動作を最大化しよう!

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掲載日:2019.04.10
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飛距離アップの2つ目のポイント

前回のコラム#9「大きな力を出すために腰は回さない!」では、スィング中の力の伝達ロスを最小限にすること。つまり、動いている部分を急激に減速させるために、腰部を回さないように安定さえることをお伝えしました。

今回は、飛距離アップのための“上半身と下半身の逆ひねり”=“上半身と下半身の切り離し”についてお話します。

スィング効率を高めること=傷害予防=飛距離アップ!!

以前のコラム#3「腰痛予防のために、上半身と下半身を分離して動かそう(骨盤回旋)」において、上級ゴルファーの動きの中にはある“共通項”があるとお伝えしました。

“身体を動かす順番”ですよね。
繰り返しになりますが、この部分は強調してお伝えします。

上級者は、とても理にかなった体の動かし方をすることをTPIの統計データが示しています。
「効率のよいスィング」が、「怪我の発生頻度を低く」する。
そして、「素晴らしいボールを打ち出すこと=より遠くにボールを飛ばすこと」を実現するのです。

では、もう一度その“運動の順番”を確認しましょう。

① トップの切り返しのあと、骨盤が最初に動く(回旋する)。
② 2番目に胴体(胸椎)が回旋する。
③ 3番目にリードアーム(右打ちの場合、左腕)が動く(加速する)。
④ 最後にクラブヘッドが動き加速する。


この“運動の順番“を実現するためには、上半身と下半身を分離する能力が必要となります。

まず、下半身から回旋が始まる。
次に上半身が回旋を始める。
その後、下半身が回旋を止め、上半身が下半身を追い越す。同一方向に回旋するのですが、そのタイミングは同時ではないのです。
上半身と下半身をそれぞれ独立させ、分割した状態で動かさなくてはなりません。

分割して動くことで、“力”が順番に伝達していく。

ゴルフスィングのような回旋運動は、よく鞭のように例えられます。
一つの部分が加速し、その部分が減速し始めると、次の部分に“力”が伝達し急激に加速する。
これを繰り返し、末端部分で最高速度に到達します。
この身体の各部位の“動作の時間差”を作ることが重要です。

そのために、体の各パーツを独立して動かすことができるようにトレーニングしていきましょう。

体を回旋させるエクササイズ

バランスボール ロシアンツイスト(※このエクササイズはバランスボールを活用します。)

・バランスボールに両肩をのせ、ブリッジのように腰を持ち上げ姿勢をつくる。
・腕をまっすぐ上に伸ばして、両手でウェイトプレート(2㎏程度)を持つ。
・下半身を安定させ、上半身(胸から上の部分)を90度右にひねる。
・元の位置に戻り、同様に左にひねる。
・この動作を繰り返す。
バランスボール下半身ツイスト(※このエクササイズはバランスボールを活用します。)

・バランスボールの上に腰の部分をのせ腕立ての姿勢を作る。(両足は空中に)
・上半身を安定させ、下半身(骨盤)を90°右にひねる。
・元の位置に戻り、同様に左にひねる。
・この動作を繰り返す。
ケーブルパンチ(※このエクササイズはケーブルマシンかチューブを活用します。)

・左足を前に出し、スプリットスタンスをとる。
・上半身はアイアンを構える時のように前傾姿勢をつくる。
・右手で後方上部にあるケーブル(もしくはチューブ)を掴み正面を向く。
・下半身を安定させたまま、上半身を回旋させる。
・規定回数を行ったら、足を入れ替え、左手でケーブル(もしくは、チューブ)を掴み同様に動作する。


どのエクササイズも、動かすべき身体の部分を強調し、その部分だけを動かすことがポイントです。各種目、左右10回を目安に実施してみてください。
次回のコラムでは地面反力を得るための下半身筋力強化のエクササイズをご紹介します。
  • 中井 大輔(なかい だいすけ)
    【経歴】
    盛岡医療福祉専門学校非常勤講師
    NSCAジャパン東北地区アシスタントエリアディレクター
    盛岡大学付属高校硬式野球部(2017~)
    専修大学北上高校男子サッカー部(2018~)

    山形大学理学部時代にはスキーに明け暮れ、卒業後は一般企業へ就職するも、スキーやスポーツの想いを断ち切れず渡米。スポーツ指導の専門家を目指し、野球では2006年・07年に全米チャンピオンになったDivision1のオレゴン州立大学へ編入。米国NSCA認定Strength & conditioning specialistの資格習得。大リーグのシンシナティ・レッズでのインターンシップや大学でのトレーニング指導を通じて数多くの指導経験を積み、帰国。帰国後は、フィットネスクラブの店舗マネージャーや野球の指導を専門に、神宮大会や甲子園大会へ出場を果たす。’17年よりCREDOへ加入しトレーニング責任者を務める。