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炎症を抑える食べ物6選

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掲載日:2022.04.28
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

今回のテーマは「炎症を抑える食べ物6選」です。前回の「炎症を起こす食べ物5選」の摂取を気をつけて、さらに今回の炎症を抑える食べ物を摂取すれば、怪我の早期回復に繋がります。

①青魚(イワシ、鯖、秋刀魚)

イワシ、鯖、秋刀魚などの青魚には「オメガ3系脂肪酸」が豊富に含まれ、オメガ3系脂肪酸には抗炎症作用があります。
脂肪酸は大きく分けると常温で固まる「飽和脂肪酸」(バターやラードなど)と、常温でも固まらずに液体のままの「不飽和脂肪酸」の2つがあります。

「オメガ3系脂肪酸」は不飽和脂肪酸の一つで、魚のほか、シソ油(エゴマ油)やアマニ油にも多く含まれています。不飽和脂肪酸はほかに、「オメガ9系脂肪酸」(オリーブオイル、アボカドなど)、「オメガ6系脂肪酸」(サラダ油、ごま油など)があります。
これらの脂肪酸を1:1:1とバランスよく摂ることが健康につながります。
オリーブオイルやサラダ油は日常的に使う人も多く、さまざまな加工食品に含まれていることもあるので、私たちは自然とこれらの油を多く摂っています。
一方で、なかなか摂れないのがオメガ3系脂肪酸ですので、魚、亜麻仁油、エゴマ油などを積極的に食べるようにしたいです。

青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富です。この2つもオメガ3系脂肪酸に分類されます。
DHAは脳を活性化させ記憶力をアップさせるといわれているほか、認知症の予防や改善も期待されています。
EPAは血管や血液などの健康維持のために必要な栄養素で、血中の中性脂肪値を下げ、いわゆる血液サラサラ状態にしてくれます。
その他にも青魚に含まれるビタミンDは抗炎症物質を増やし、炎症を誘発する物質を減らします。血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きもあります。

1日に摂る目安は、EPAとDHAを合わせて1日1g摂ると良い言われてますので、イワシ=1尾、サケ=一切れ、鯖=一切れ、サンマ=半分 がだいたいの1日の摂取目安になります。

②ブロッコリー

ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜には抗がん作用があると言われています。抗がん作用があるということは、抗炎症作用も期待できます。
ブロッコリーに含まれるフラボノイドには抗炎症作用が示唆されており、βカロテン、ビタミンCにも抗炎症作用があるため、炎症を鎮める効果が高いことが分かります。
ブロッコリーは1日に100グラム程度が摂取量の目安です。

③ブルーベリー

ブルーベリーのようなベリー類には食物繊維に加えて、抗酸化物質のアントシアニンが豊富です。この物質は体内の炎症を抑制し、がんのリスクを下げてくれる可能性が示唆されています。

ブドウやブルーベリーなどに含まれるポリフェノールの一種である「レスベラトロール」は炎症性腸疾患での免疫調節の活性を示し、症状を改善する例もあります。
ブルーベリーの1日摂取目安量は1日あたり1/3カップ。1回分で約80g摂取することで病気のリスクが減ると言われています。ドライブルーベリーでは10g程度となります。

④アーモンド、ナッツ類

食品からの炎症を避けるのに重要なことの1つが、飽和脂肪や砂糖を含む食品を避けることです。飽和脂肪の代わりにアーモンドのような一価不飽和脂肪を含む食品がお勧めです。
一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)は飽和脂肪酸の代わりに摂ると動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールを減らし、動脈硬化の防止に役立つ善玉(HDL)コレステロールはそのまま維持させる性質があります。結果、血管の炎症が減ります。そして多価不飽和脂肪酸より酸化されにくい性質を持ちます。アーモンドにはビタミンEとマンガンも豊富に含まれています。

1日に摂るナッツの量ですが、ナッツを間食のメインのオヤツと考え、約100kcal~150kcalを適量とした場合にはアーモンド20~25粒、カシューナッツ12~18粒になります。
ナッツはカロリーも高いので、摂りすぎには注意してください。

⑤ショウガ

ショウガには「ジンジャーロール」といわれる、抗炎症・鎮痛効果を持つ物質が含まれています。ジンジャーロールはショウガに含まれる辛み成分の一つです。
関節炎の痛みは、プロスタグランジン、ロイコトリエンという物質が体内で作られることで起こります。

プロスタグランジンはホルモンに似た物質です。これは血圧や血液凝集など様々な生理作用に関わる、なくてはならない物質です。しかし、その中に炎症を発生させるものがあります。ジンジャーロールはこの酵素の働きを抑えることで痛みの原因であるプロスタグランジンの生成を抑え、関節炎から来る痛みと炎症を抑えます。

プロスタグランジンは主に急激な痛みに関わる物質です。一方、関節炎には慢性的な痛みが伴います。それに関わる物質がサイトカインとよばれるものです。このサイトカインが何らかのバランスが崩れ大量に発生すると関節炎のような激しい痛みが発生します。

体内でのサイトカインの合成はロイコトリエンという物質により進められます。ジンジャーロールはこのロイコトリエンの合成を抑え、慢性的な痛みの元を断ち切るようにします。
サプリメントなどで、ジンジャーエキスとして1日500mmgは摂りたいです。

⑥MSM(メチルスルフォニルメタン)

MSM(メチルスルフォニルメタン)とは、硫黄化合物の1つです。慢性的な痛みを伝える神経線維である「C線維」を遮断して、関節痛、腰痛、リウマチ、筋肉痛などによる慢性痛に効果があるといわれています。
炎症の刺激は神経を通って脳に伝えられますが、神経の伝達を邪魔することで痛みを緩和します。そのため抗炎症と言うよりは神経痛に効きます。また、アレルギー症状を緩和する効果などもあります。

硫黄=MSMは、肉や魚、牛乳、野菜、果物、穀物などに含まれ、ニンニクやネギなど、臭いの強い野菜に多く含まれています。
身体の体重の2%を硫黄=MSMが占めており、体内ではカルシウムの次に多い元素で、ナトリウムの約3倍も存在します。
年齢とともに食品からの硫黄の吸収力が落ちてきますので、MSMサプリメントのように吸収しやすい形で摂取すると良いです。関節系のサプリメントとしては、グルコサミン、コンドロイチンを含んだフォーミュラータイプのサプリメントをお勧めします。
1日MSNを2000mg摂ると体感できます。

まとめ

今回紹介しました、炎症を抑える食べ物6選を意識して摂れば、前回の「炎症を促進する食べ物5選」の食品が、身体に入る隙が無くなります。そして慢性炎症のような疲労が抜けない、関節炎が治らないなどの症状が緩和します。早く怪我を治したい方は、不必要な食べ物を見分けて、必要な食べ物を身体に入れましょう。
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝