知っておきたい筋肉についての基礎知識②
ポイント2-40. 筋肉が収縮しながら力を発揮する際の筋収縮様式を短縮性収縮(Concentric Contraction・コンセントリックコントラクション)と呼び、このような筋収縮によるトレーニングをポジティブトレーニングと言う。
また、筋肉が伸長しながら力を発揮する際の筋収縮様式を伸張性収縮(Eccentric Contraction・エクセントリックコントラクション)と呼び、このような筋収縮によるトレーニングをネガティブトレーニングと言う。
一方、肘を曲げた状態から、ダンベルを脱力せずにゆっくりとコントロールしながら下ろす動作の際には、上腕二頭筋は引き伸ばされながら収縮しています。
この様な筋肉の収縮様式を伸張性収縮(Eccentric Contraction・エクセントリックコントラクション)と呼び、この筋収縮によるトレーニングをネガティブトレーニングといいます。
しゃがんだ状態で静止してからジャンプしたり、止まった状態からのスタートダッシュや加速の局面などでは、短縮性収縮の筋力やパワーが必要となります。
一方、ジャンプからの着地やダッシュからのストップや方向転換などの局面では、伸張性収縮の筋力やパワーが必要となります。
なお、伸張性収縮を強調して行うネガティブトレーニングは、通常のトレーニングよりも筋肉へのダメージが大きく、筋肉痛が発生しやすいといわれており、実施にあたっては、十分な配慮が必要です。
ポイント2-41.一定の速度で行われる動的な筋収縮を等速性収縮(Isokinetic Contraction・アイソキネティックコントラクション)と呼び、このような筋収縮によるトレーニングをアイソキネティックトレーニングと言う。
この様な筋収縮様式を等速性筋収縮(Isokinetic Contraction・アイソキネティックコントラクション)と呼び、このような筋収縮によるトレーニングをアイソキネティックトレーニングといいます。
アイソキネティックトレーニングを正確に行うためには、高額なトレーニング機器が必要となりますが、油圧シリンダーの抵抗を利用した油圧式トレーニングマシンや電磁抵抗を利用したトレーニングマシンなどにより等速性筋収縮に近い状態でトレーニングを行うことができます。
これらのトレーニング機器では、動作を開始してあらかじめ設定したスピードに到達すると、いくら全力で力を発揮しても、それ以上のスピードに加速できないようになっており、一定スピードに制限された条件の中で、さらにそれ以上速く動作を行なおうとすることによって、反作用の動きで筋肉に負荷がかかることになります。
水中における運動では、水の抵抗によって等速度に近い動作が行われるため、トレーニング手段としてアイソキネティックトレーニングが行われる場合があります。
しかし、水泳以外の他のスポーツにおいては、等速性筋収縮がほとんどみられないことから、筋力の発揮特性を詳しく測定したい場合や、障害のリハビリテーションを目的とした場合を除き、競技力向上のためのトレーニング手段としてはあまり用いられていません。
ポイント2-42.伸張性収縮から短縮性収縮への素早く切り返す筋収縮サイクルを行うトレーニングをプライオメトリックトレーニングという。
ジャンプを行う前に一旦しゃがむ動作を行うことによって、ジャンプを行うために使用される大腿部や臀部の筋肉が瞬間的に引き延ばされます。
筋肉が引き伸ばされると、伸ばされ過ぎて筋肉が損傷を起こすのを防止するための安全装置として、伸張反射という神経系の機構によって、引き伸ばされた筋肉を収縮しようとする働きが起こります。この様な伸張反射が起こった時にタイミングよくジャンプを行うと、通常よりも高く跳ぶことが可能となります。
プライオメトリックトレーニングは、瞬間的に大きなパワーを発揮する能力、すなわち爆発的パワーの発揮能力を高めるための有効な手段とされていますが、筋肉をいったん伸張させてすばやく切り返す際に、瞬間的に非常に大きな衝撃が加わります。
このため、特にジャンプ動作によるプライオメトリックトレーニングを実施する際には、スクワットで体重の1.5倍の重量を上げられるくらいの脚筋力が必要であると言われています。
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