フィジーク・オンライン

Ad by SUPLINX

Weekly Monthly Shopping

脊柱起立筋の適度な緊張:トレーニングに影響する日頃の癖(7)

この記事をシェアする

22
掲載日:2017.06.28
記事画像1
フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー)

前回までのコラム「トレーニングに影響する日頃の癖」シリーズ、今回は「⑦脊柱起立筋の適度な緊張」についてです。解剖学・ケア・トレーニング方法などをお伝えしていきます(^^)

脊柱起立筋とは

脊柱起立筋は脊柱から近い順に、「棘筋(きょくきん)」、「最長筋(さいちょうきん)」、「腸肋筋(ちょうろっきん)」の3つの筋肉で構成されています。これらは別々の筋肉ですが、同じ働きを持ち1つの大きな筋肉のように機能することから、総じて「脊柱起立筋」と言われています。

「脊柱起立筋の適度な緊張??」と疑問に思う方も多いと思いますが、「脊柱起立筋の適度な緊張」は今までのコラムで書きました、

① 頸椎の回旋
② 胸椎の伸展
③ 腹横筋の筋収縮反応
④ 腹直筋の適度な緊張
⑤ 股関節屈筋群の弛緩
⑥ 胸郭の可動性
⑦ 肩甲骨後傾・肩甲骨上方回旋の誘導

上記の条件がバランス良く整うと、「⑧ 脊柱起立筋の適度な緊張」が生まれます(^^)
「腰が張りすぎている」「腰が抜けやすい」などの脊柱起立筋の過緊張・低緊張のアンバランスは、筋出力の低下や、怪我にも繋がります。下記が筋緊張の主な定義です。

(1)正常な筋緊張
体重や重力に対して、姿勢を保つのに必要な十分な緊張の高さと、目的行動や外的刺激に対して、素早く適切に対応できる適度な緊張の低さのある状態。
(2)過緊張
運動する範囲が狭くなり、速やかに動くことが困難な状態。 → 将来的には脱臼や関節拘縮の恐れがある。
(3)低緊張
姿勢保持困難で重力に負けないだけの筋緊張を高めることが難しい。

脊柱起立筋の解剖学

脊柱起立筋の筋肉の作用について紹介します。

頸椎・胸椎・腰椎 → ① 伸展「背骨をそらせる」 ② 側屈「背骨を横に倒す」 ③ 回旋「背骨をひねる」

脊柱起立筋は背中の中心の深部にあり、背骨の動きをつかさどる筋肉です。弱ってしまうと腰痛の原因になります。背中にコリを感じる場合、脊柱起立筋群の筋肉に慢性的な緊張が生じている可能性もあります。

背中が反っているタイプの腰痛には、脊柱起立筋より腹筋群を鍛えて筋肉のバランスをとることが大切です。

腹筋・脊柱起立筋・広背筋は「前・中・後」の関係なので、筋力バランスが偏らないようしましょう。

トレーニング&ケア方法

① ヘックスバーデッドリフト
デッドリフトは全身の筋力を高める最高の種目です。たいていは標準的なオリンピック・バーを使って行われますが、近年ヘックスバーを使う人も増えてきています。

ヘックスバーデッドリフトは、六角形の形状をしたバーの中央に立って行われるもので「トラップバー」とも呼ばれ、シュラッグに使われることも多いです。

ヘックスバーで行うほうがより重いウエイトを使えるだけでなく、下背部への負担も減らすことができます。

(1)膝を曲げ、身体を前傾し顔を上げ、腰を後ろに突き出すようにします。膝が極力前に出ないようにし、脛が地面と垂直の角度を保ちます。腹部を突き出すように胸を張り、背筋を一直線に保ちます。(写真1)
記事画像2
(2)足に力を入れてバーを床から浮かせ、膝を後方に、腰を前に突き出すようにして全身を一直線に伸ばしていき、バーを持ち上げていきます。動作中の視線は常に正面を向くようにすること。

バーを上まで持ち上げたら、胸を張り、肩を後ろに引きながら肩甲骨を寄せていきます。(写真2)
記事画像3
(3)同じ軌道を通り、バーを元の位置に戻していく。

(4)身体の固い人、またハムストリングスや臀部の筋力が弱い人などは、バーを床まで下ろすとどうしても腰が丸まってしまいがちです。そのような場合は床から上げることにだけにこだわらず、「トップサイド・デッドリフト」などで、可動域を調整しながら行うのもお勧めです。
※大腿四頭筋などの脚の筋力で上げてしまう場合は、フォームを見直す必要があります。

② 腰部回旋ストレッチ
脊柱起立筋は、関与している肩甲骨・骨盤周辺の筋肉を調整すると、揺るまなかった頑固な張りも解消することが多いです。

(1)大の字に寝てもらい、伸ばしたい側の脚を抱え込みながら横に捻る。
(2)パートナーは中臀筋と膝の外側部に触れながら、ストレッチをする。
(3)中臀筋→大腿筋膜張筋まで筋膜をリリースする。(写真3)
記事画像4
※柔軟性によってこのポジションが取れない時は、浅い捻じり角度から行う。

まとめ

脊柱起立筋は大きな筋肉なので、様々なエクササイズに関与しています。

人間が生まれて基本機能を獲得する生後1年くらいの間に、脊柱起立筋などの体幹の筋肉は、成長しながら自然とバランス良い使い方を覚えて行きます。それが成長するに従い、運動不足やデスクワークで姿勢が悪くなったり、生活の動きのクセで筋バランスが悪くなると、人間が本来持つべき機能からかけ離れてしまいます。

日頃の身体のチェックを見直して、脊柱起立筋のオーバーワークを防ぐように心がけましょう(^^)
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝