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【街ジム訪問】ボディビル審査員が教える、理論に基づいた体づくりができるジム! ヘルシーハウスあつぎ #1

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掲載日:2017.07.05
厚木商工会議所の向かい。2階窓のポスターが目印です。

厚木商工会議所の向かい。2階窓のポスターが目印です。

本厚木駅から徒歩で8分、商工会議所の目の前にある建物の2Fにあるヘルシーハウスあつぎ。とてもキレイで明るい雰囲気のジムです。

オーナー兼トレーナーの中嶋 浩樹さんは若い頃から数々のボディビル大会で上位の成績を残してきたレジェンドの一人です。


「効果の差は指導力の差」と言う中嶋トレーナーの考えとヘルシーハウスあつぎでのトレーニングについてお話を伺いました。
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ヘルシーハウスあつぎの創設者、中嶋浩樹会長。
数々のボディビル大会での優勝経験を持ち、現在は指導者の他に審査員としても活躍中。

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明るくゆったりとしたトレーニングスペース。リラックスしてトレーニングができそうです。


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プロテインやジムオリジナルのウェアの販売スペースも。


ラグビー選手からウェイトトレーニングの道へ

若かりし頃の中嶋浩樹会長

若かりし頃の中嶋浩樹会長

ーーウェイトトレーニングとの出会いは?
ヘルシーハウスあつぎは1982年の創立。私が27歳の時ですから約35年の歴史があるジムです。
もともと高校時代からラグビーをやっていて、その体づくりのために取り入れたのが、ウェイトトレーニングを始めた最初でした。

それまでは体を作るためにトレーニングをするという環境に無く、
下半身は走り込んでいたのでそれなりに鍛えられていましたが、上半身とのバランスが悪いと感じていたのです。

そこで18歳の時に大森ボディビルセンターに通い、ウェイトトレーニングを始めました。
ウェイトトレーニングをして改めて感じたことは、「トレーニングをやれば変わる」ということです。

トレーニングを始めて5ヶ月ほどで体重は60.8kg、胸囲は87cmになりました。効果が目に見えるのでトレーニングに夢中になり、のめり込んで行きましたね。

ウェイトトレーニングをする競技としては、ボディビルとパワーリフティングという2つの選択肢があったのですが、当時はボディビルがブーム。

どうせやるなら人から注目される方が良いと考えて、ボディビルの道を進みました。
人に見られていると頑張れるじゃないですか。

20歳くらいからボディビルの大会に出始めましたね。
当時の大森ボディビルセンターには日本のボディビル界でトップクラスの選手がたくさんいたんです。

そのようなトップレベルの選手を間近で見ながらトレーニングできたことは私にとって、とても幸運だったと思います。
またこのようなジムでは横のつながりも強くて、仲間意識もとても強かったのです。

先輩方に私はとても可愛がっていただきました。
今でもその関係は続けさせていただいています。
その後、引っ越しをして、赤羽トレーニングセンターにも通うようになりました。

趣味は人生を豊かにする。趣味と仕事のバランス

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ーーご自身でジムをやろうと思っていらしたのですか?

それが、ジムをやりたいという気持ちは当初、全くなかったんです。
ヘルシーハウスあつぎを始めることになったのも簡単に言うと“成り行き”なんです(笑)。

大会にもよく出場するようになり、上位の成績を収められるまでになりました。
20歳くらいの頃から
「お金を出すからトレーニングジムをやってみないか?」
というお話は時々いただいていたのですが、
私は「それでは自由に働けなくなるのでは」という思いがあったんですね。

それと仕事と趣味は別。
私にとってウェイトトレーニングやボディビルは仕事ではなく趣味なんです。

仕事というのは生活を豊かにするかもしれませんが、趣味は人生を豊かにするものだと思っています。

その両方のバランスをとって生活する方が、よりスマートだと。
そのバランスをとった生活を今実現しているのです。

仕事もしていましたが、結婚して子供も欲しい。
そうすると仕事だけではなく、家族と一緒に過ごす時間も大切にしたい。

さらにミスター東京で決勝に残れるようになってきたので、自分自身のウェイトトレーニングをする時間もきちんと取りたいと思うようになりました。

思い立ってから2ヶ月でジムをOPEN

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ーージムを作ろうと思っていなかった中嶋会長が本厚木にヘルシーハウスあつぎを創立したのは?


ジムを始める直前は健康体力研究所の営業マンとして、かなり良い条件で働かせてもらっていたんです。
しかしこのままの生活スタイルを続けるのではなく、ワークライフバランスについて考えるようになったんですね。

子供も生まれて、もっと将来の生き方について考えなきゃいけないと思いました。

当時は本格的なジムもそう多くはありませんでした。
私がこれまで培ってきた経験も活かせると考えて、ジムを開くことにしたんです。

大会に頻繁に出場していたおかげで、雑誌に取り上げられたりして、少しは名前が知られていました。

私の事を慕ってくださる方たちが20名ほどいらして、ジムを作って欲しいというお声をいただいたのです。
その方たちのご尽力もあって、ここ本厚木に引っ越してジムを創ることになりました。

思い立ってから開設するまで約2ヶ月でしたね。
計画性はあまりなかったです。

でもこうしてトントン拍子に運ぶことができたのは、人に恵まれている、強運だったと心から思います。

重いリヤカーを引っ張っていると、見ず知らずの人でもリヤカーを押してくれる人が現れるんですよね。
そう見えるぐらいの努力はしていたつもりですが、辛いとか大変だったと思ったことは一度もありません。
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中嶋会長のボディビル大会の写真を集めて作った中嶋会長の顔写真。
会員でデザイナーをなさっている方が誕生日に贈ってくださったのだそう。

会員の方からも慕われているのがわかります。
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この当ジムのロゴは当時赤羽トレーニングセンターの重村尚さんが作ったレッドウイングスのロゴで譲っていただいたんですよね。
Aは厚木のAでもあるし(笑)
今はうちしか使わなくなってしまいましたが。

ストイックとは無縁?! コンテストビルダーでもトレーニング時間は年4日未満

ーーボディビルは趣味なのですか??


はい。今は趣味を仕事にしている感じです。
いくらストイックにトレーニングをしていると言う人も、実際に体を動かしている時間はそれほどでもないんです。

それなのに、ストイックさやハードさを皆さん過剰に言うので、ウェイトトレーニングの人口が幅広い層に広がっていかないんですよ。

ウェイトトレーニングを知らない社会人や主婦が警戒してしまったり、自分とは別の世界だと思い込んでしまう。

ウェイトトレーニングなんて、すごく楽で、効率も効果も高い運動なんです。考えてもみてください。

例えば、
1週間に6日間、3分割に分けてトレーニングをするとします。
そうすると、1つの部位のトレーニングは1週間に2日だけです。

1年間約50週ありますが、1日に2時間のトレーニング時間を取ったとして、
だいたい半分以上は皆さんインターバルで消化していて、実質負荷を掛けているのは1時間程度。

1つの部位をトレーニングしているのは週2時間x50週、1年で100時間。
つまり365日の4日ほどなんです。
大げさにストイックにトレーニングしていると言っても、せいぜいこの程度ですからね。

でも、逆に一部位に負荷をかけられる時間が年4日、100時間しかないとしっかりと分かっている選手もいて、
そのような選手は効率的なトレーニングを追求したり、サプリメントにこだわったりもします。

1年間をONとOFFに分け、体重を大きく変動させることも問題だと思っています。
体にも負担がかかりますし、せっかく作り上げた良い体も、大会期間中以外はだらしなくなるのはもったいないですよね。

それに増量期を作って、その間に重いウェイトを持ち上げて、筋量を増やすとおっしゃる方もいますが、
ほとんどの選手が前年度の大会と同じ階級に出場するんですよね。
「あれっ、結局筋量増えてないじゃん」って(笑)

それよりも、常に筋肉が見える状態で、体のシルエットを確認しながら、
筋肉をつける所、形を変えるところなどを意識してトレーニングをした方が良いと思ってます。

脂肪を落としてから初めて体の形、筋肉の形を知るというのは変ですよね。

ちなみに私の場合は、大会前でも減量はしませんでした。
したがって増量期という考えもありませんし、1シーズンに5、6試合無理なく出場することもありました。

できるだけ多くの大会に出ることによって、名前を知っていただく機会も多くなりますし、
体に無理なことをしていないのでトレーニングが辛いと感じたこともありません。

食事も何か特別な食べ物をとったり、プロテインを飲んだりということはほとんどしていないのです。
家族と同じものを毎日食べています。

誰でも1日は24時間しかありません。そのうちの8時間は仕事をしているとします。
睡眠時間だって8時間くらい取りますよね。

残りの8時間が自分の自由になる時間と考えても、時には残業をしたり、
人との付き合いで食事に行ったりと、どんどん削られていきます。
その中で1時間のトレーニング時間を取ることができるかどうかは、その人次第です。

私がウェイトトレーニングやボディビルのための体づくりは趣味というのも、
人生において、かけられる時間を考えても、せいぜいそのくらいという考え方が常に頭にあるからです。

理論に基づいた丁寧な指導が効果につながる

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ーーホームページでも「効果の差は指導力の差」とおっしゃっていますね。


指導力の差というのは「観察力の差」だと思っています。
人それぞれ個性があって、どなたでも良いところと弱いところをお持ちです。

本来、筋トレというと、弱いところを強くするものであるはずなのです。
しかし何の知識も持たずにトレーニングをすると、鍛えているつもりの筋肉ではなく、
ほかの強い筋肉がカバーしてしまっていることが多いのです。

ある動作をするときに使う筋肉は一つではありません。必ず幾つかの筋肉が作用しています。

つまり、動作的にはできているように見えても、鍛えたい筋肉には軽い負荷しかかかっていない。
それではあまり効果は期待できないですよね。

イメージ的には鍛えたい筋肉のみに負荷をかけ動かす、周りの筋肉の力を借りないということ。
重い負荷をかけてマシンを動かせばいいというものではないのです。

鍛えたい筋肉が持てる重量を持つだけ。それでいいんです。

周りの人よりも重い負荷をかけているのに結果が出てこないと才能がないのではないかとか、スランプに陥ってしまう人もいます。

でも、それは才能がないのではなくて、
根本的なトレーニングの仕方が間違っていることが多いですね。

ただマシンで重たいものを動かしているだけ。
適した重さを使わないと別の筋肉の力を使って動かしてしまい、思うような効果は期待できません。

筋肉の断面積のサイズと力の出力は、ほぼ比例します。
つまり、扱える重量が増えているにも関わらず、狙った部位が太くならないのはトレーニングの仕方に問題があると言うことなのです。

正しいフォームで使う筋肉を意識してトレーニングしないと、思うような効果は得られません。
マシンを使ったトレーニングでも、どこに意識を持って、どのように筋肉を動かしているのか、
きちんと理論的に説明をしてトレーニングをしてもらうように心がけています。

初めていらした方お一人お一人にしっかりと面談。観察します。

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ーー初めてヘルシーハウスあつぎを訪れた方は、どのような指導を受けられるのですか?


初めていらしたときに問診票などはありませんが、しっかりと面談をします。
目的を伺って、体つきや、その方の歩行姿勢や重心の位置など、
クセをよく観察して、その方の弱いところを把握するのです。

それと、ご家族の理解があるかどうかも必ずお聞きすることですね。トレーニングをする上でとても重要と考えています。

きちんと続けて通えるかということもありますし、
取り組んでいることに対して、ご家族の理解があるかということはとても大事です。

身近な人に褒めてもらえるかということはモチベーションに大きく影響します。
褒められるということはとても重要なんです。

大人になると人を応援したり、励ましたりはしますが、
なかなか自分を褒めることは極端に少なくなります。

トレーニングを続けていくために大切なことは、できることをカウントしてくことです。
できることが少しずつでも確実に増えていきますから、
できないことを数えるのではなくて、
「今日も通うことができた」とか「今日はこれができた」とか。
ちょっとしたことでもできることをカウントすれば、やる気もアップします。

早く結果を出すことに固執してしまうと、空回りして挫折しやすい。
継続しないと結果は出てきません。山登りと同じです。

近道をしようとすれば、その道のりは絶対に急な坂なんです。
急な坂を登ることができれば良いのですが、多くの人はそうはいきません。
そんな時は、急な坂を登る準備、それなりの体づくりをしなくてはならないのです。

ボディビルの基礎作りは雪だるまと一緒で、芯を作ることがとても大事。
最初はそれほど重くない重量でも、体の芯を作っていけば、あとは転がすようにどんどん体がついてくるようになります。

最初は物足りなく感じるかもしれないけれど、きっちりとフォームやトレーニングの習慣を作り、コンスタントにやることが成功のコツです。

目標は先にあっても、そこへ向かうためのルートはきっちりと見ていないとダメですね。
そのルートを一緒に作っていくのがトレーナーの役割でもあると考えています。



文:Aya Wada



▼【街ジム訪問】ヘルシーハウスあつぎ編

ボディビル審査員が教える、理論に基づいた体づくりができるジム! #1

JBBF一級審査員が教える。競技に勝つためのテクニック #2


今回取材にご協力頂いた
ヘルシーハウスあつぎ の情報はこちら


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