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フィットネスの痛みに悩むすべての人へ贈る~最先端!痛みをマネジメントするMSIの考え方~

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掲載日:2018.10.01
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理学療法士としてリハビリテーション科に勤務し、予防医学の普及にも努める興津 佑亮(おきつ ゆうすけ)氏。ワシントン大学発祥の理論「運動系機能障害症候群(MSI)」を活用し、「痛くなったら治してもらうという受け身的な視点ではなく自分で痛みをマネジメントするという新しい視点」をコンセプトにしたコラムを掲載!

MSIとの出会いと経験

私は理学療法士として病院で地域の方を対象として、障害をお持ちの方の社会復帰を12年お手伝いしてきました。様々な知識や技術を研鑽する中で怪我や病気になる以前の状態からの関わりというところに興味がありフィットネスもその1つです。

私自身も学生時代、仕事場面、トレーニングなどで様々な怪我を経験してきました。専門家としても恥ずかしい話ですが、これらの怪我の経験や病院での経験を通して素晴らしいコンセプトと出会うことが出来ました。

私の専門はMovement System Impairment Syndromes (以下MSI) 、日本語で運動系機能障害症候群と言ってアメリカのミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学が発祥のコンセプトです。普段の動作や姿勢がどのように筋骨格系の痛みに関連しているのかを理解するのに非常に優れたコンセプトです。

2013年、2014年に実際にアメリカのミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学にMSIコースを受講してきました。
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みなさんがご存知の錦織圭選手や室伏広治のトレーナーのロビーオオハシ先生はワシントン大学出身の理学療法士で、このMSIコンセプトを一般の方々からプロの選手に幅広く応用しており、スポーツ業界からも多くの注目を集めています。

痛くなったら治してもらうという受け身的な視点ではなく、自分で痛みをマネジメントするという新しい視点を気づかせてくれるのがMSIです。

筋骨格系の痛みはどこからやってくるのか?

あまり専門的な用語が多いと分かりにくいので少しわかりやすく説明したいと思います。
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図を見てイメージしてみてください。車=身体、運転手=頭脳です。
車が故障してしまったとき、あなたはどちらの運転手が中から出てくると思いますか?

左側のいかにも車のことなんてわかってなさそうな荒っぽそうな運転手?それとも右側のいかにも優しそうで丁寧な運転をしそうな運転手でしょうか?

大抵の方は故障した車から出てくるのは左側の運転手だと思いますよね。
車の故障もそれを動かす運転手が大切なのと一緒で、故障(怪我)には必ずそれを引き起こす原因があるのです。

故障した場所が発生源(痛みを引き起こしているだろう場所)で、それを引き起こした荒っぽい運転が原因(姿勢や動作)と考えるとわかりやすいかもしれません。

痛みは主に発生源と原因の両者を考えると適切な介入が可能となります。

今までの医療業界は痛みの発生源を特定することとそれを取り除くことに尽力してきました(例えば故障した箇所を特定してタイヤが故障していたら、タイヤを変えるなど)。

しかしMSIでは、痛みを引き起こした発生源(組織)ではなく、痛みを引き起こした原因である姿勢や動作に着目しています。

痛い場所(故障した場所)を特定することも大切なのですが、何よりも大切なのはなぜ痛くなったかという原因(荒っぽい運転)を理解することにあります。

荒っぽい運転をしていれば故障した箇所を何度変えても結果は同じですよね?車であれば何度故障しても部品を取り換えれば済みますが人間はそうはいきません。

大切なのは運転手の教育であることが理解できると思います。

同じ病名でも症状の出方が異なるのはどういうことか?

実はこのような考えは、腰痛でいえば、腰が過度に曲がると腰痛になるよ、腰が反り過ぎると腰痛になるよ、なんて以前から皆さんがなんとなく気づいていたことなのですが、MSIの素晴らしいところはそれを分類して体系化したところにあります。

同じ腰椎椎間板ヘルニアでも、腰椎を曲げて痛い人、腰椎を反らして痛い人、捻って痛い人がいますよね?

同じ病名でも痛みの出る動きというのは異なることが多いのです。同じジムに通う同じ腰椎椎間板ヘルニアで腰痛を経験したことがあるAさんが、同じ腰椎椎間板ヘルニアで腰痛持ちのBさんに「こうしたら腰痛治ったよ」とアドバイスをしてもBさんには逆効果だったなんてことは良くなります。

このように、筋骨格系の痛みに関連する病名だけでは我々が適切に治療を導いていく為の情報があまりにも足りないのです。

同じ病名のAさんとBさんですが、大切なのはそれぞれの痛みの出る動作のパターンを確認してそれぞれに合わせた動作や姿勢を日常生活の様々な場面で修正していくことです。
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病名だけではなくそれぞれの原因(タイプ)に合わせた治療がMSIアプローチの基本となります。

MSIで最も大切なのが患者教育!

最後に何よりも大切なのが、患者教育になります。なぜ痛くなったのかを患者さん自身が理解することが最善の結果を導くキーポイントとなります。

我々理学療法士が目指すべきは、患者さん自身がなぜ痛くなったかを理解して、患者さん自身が自分の身体の専門家になってもらうことかもしれません。

自分の身体の運転手であるあなたが、自分の身体に合った適切な運転をすることで身体は良い状態を維持できるのです。
人間なのでどれだけ丁寧な運転を心がけても時には怪我をすることもあります。ただ、それがなぜ怪我をしたのかを考える癖をつけるのが大切です。

そのきっかけとなれる理学療法士をこれからも増やしていきたいと思います。

あなたが健康の為に始めたフィットネスを死ぬまで継続できるように、私もこのコラムを通じてみなさんにヒントを届けていきたいと考えています。

次回は特にみなさんが悩まれている腰痛に関するトピックをMSIの視点からお話しできればと思います。


注意:記事の中での痛みとは、筋骨格系の痛みを指しますので必ずしもすべての痛みを対象としているわけではありません。
  • 興津 佑亮(おきつ ゆうすけ)
    【所属】
    西淀病院、NexusMotion大阪、MovementSystemLab
    【経歴】
     2007年~現在まで西淀病院 リハビリテーション科にて勤務。急性期から回復期、在宅で整形外科、中枢神経系疾患と様々な臨床現場での経験あり。入職当初より環境に恵まれPNFの学習も続けており。現在はMSIアプローチとPNF等を利用して患者の治療へ応用して実践している。全国でMSIアプローチ講習会を講師、アシスタントとしても活動している。
    【認定資格等】
    ・理学療法士
    ・IPNFA 認定 PNF Basic course 1+2 修了
    ・IPNFA 認定 PNF Advanced course 3 修了
    ・Diagnosis And Treatment Of Movement System Syndromes Introduction to Concepts and Applications.(導入編コースを現地で修了)
    ・Diagnosis And Treatment Of Movement System Syndromes Upper Quarter Advanced Applications.(応用編上肢コースを現地で修了)


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