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第2部 現役理学療法士が選ぶ、上半身トレーニングの質が激変する神筋〜僧帽筋&前鋸筋〜

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掲載日:2019.03.20
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目次

・シンプルに肩の構造を理解する(肩甲胸郭関節の着目して)
・肩甲骨の動きの問題と肩の痛みとの関係性
・僧帽筋と前鋸筋の機能解剖
・神筋トレーニング法

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なぜ神筋なの?

もうお気づきの方もいるかもしれません。
そうです、僧帽筋と前鋸筋の作用にはこれらの問題を解決する為の素晴らしい作用を持ち合わせています。

皆さんにこれらの素晴らしい筋肉の機能的な可能性や存在に気づいて欲しいという気持ちから、勝手に“神筋 かみきん”と呼ばせて頂きました(神アプリとかありますよね)。

私が対象としている患者さんでは、日常生活レベルでの肩関節の負荷に対してこの僧帽筋と前鋸筋が上手く使えていなかったり筋のパフォーマンス自体が低下している方も少なくありません。

私も含めてトレーニーの方達は、日常生活上の負荷ではそれほど問題にはなりませんが、何十キロものダンベルを持てば話は別です。

何も持たずにこのような肩甲骨の動きの問題を持つトレーニーは高負荷では、怪我をしてしまうことは容易に想像できます。

そして肩関節において特に気をつけなくてはならないのが、筋トレを始めたばかりのトレーニーです。
ジムでマシンの使い方を教えてくれても、あなたの体の状態を教えてくれる人はいないでしょう。

ジムに通い始めて1ヶ月、筋肥大はそれほどしていなくても使用重量は神経系の適応によってグングン伸びていきます。
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楽しくて仕方がありません、そんな時期あなたは「筋肉をとにかく大きくしたい」、「挙上重量を上げたい」、「どんなサプリを飲めばでかくなれるのか」、「筋トレユーチューバーみたいになるにはどうしたらいいの?」こんなことで頭がいっぱいでしょう。

誰しもが通る道ではありますが、自分に合ったフォームでないままに重量だけが伸びていくことで関節の適応閾値を超えてある日あなたの肩は悲鳴をあげるでしょう。
関節の悲鳴といっても少しの違和感だけかもしれませんし、取り返しのつかない損傷かもしれません。

筋肉に負荷をかけるということは、関節に負荷をかけることであることを絶対に忘れないようにしましょう。

神筋トレーニング法

この2つの筋肉を上手く使えるようになる前にひとつ大切なポイントがあります。
僧帽筋と前鋸筋は肩甲骨の動きの問題を解決する為の素晴らしい作用を持つ反面、ひとつ相反する作用を持っています。

それが僧帽筋による“内転”と前鋸筋による“外転”です。
肩甲骨は他の関節と違って胸郭上を浮いたような構造のため、どちらか一方の強い筋があるとそちらに容易に引っ張られてしまいます。

この2つの筋肉を鍛えるためには内転し過ぎず、外転し過ぎず肩甲骨が上手く回転するようにトレーニングすることがポイントとなります。

肩甲骨が内転しやすい方は、少し前鋸筋を強調するように、肩甲骨が外転しやすい方は僧帽筋を少し強調するようにトレーニングすると良いと思います。

では実際にこの2つの筋肉をどのように鍛えていくのか、もちろん痛みの原因となる動きの問題というのは人それぞれなのですが、中でも私がお勧めするトレーニング法をいくつか紹介していきます。

前鋸筋トレーニング

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まず立って壁に向き合い、図のように肩関節を約45°屈曲位で肘関節を70〜80屈曲した姿勢を開始姿勢とします。

このとき肩関節と肘関節は少しリラックスすることが大切です。
次に、逆ハの字に肩関節を屈曲していきます。
肩関節を屈曲するときには肩甲骨の下角を前側方に引き出すイメージを持つと、より上方回旋が促すことが出来ます。
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上方回旋を促す場合には、直線上に真っ直ぐに屈曲していくと肩甲骨がより外転・挙上しやすくなるため広背筋の影響を受けやすくなります。

広背筋は皆さんご存知の通り、肩甲骨を下方回旋するため、前鋸筋の上方回旋を促したい場合にはこの逆ハの字が理想的です。
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まず壁に向き合い、図のように約90°肩関節を屈曲し、肩幅よりも少し広めに手を壁に押し付けます。

その状態で片足ずつ後方へ足を移動していきます。
すると相対的に肩関節は屈曲し、壁を押すことで肩甲骨の上方回旋を促します。

Wall Slideと違いWall Pushは手掌面(手のひら)から圧縮刺激が入力されることで、より肩関節のインナーマッスルを刺激し、肩甲上腕関節の安定性も合わせて改善することが出来ます。

注意点としては、あまり足を後方へ移動し過ぎると腹筋や大胸筋への負荷が強まり、正しく肩甲骨の上方回旋を促すことが出来なくなります。

僧帽筋トレーニング

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これは前鋸筋で説明したWall Slideの進化版と思って下さい。
Wall Slideの完成した位置から最後に、小指を壁から少し離します。
小指を離す時に肩甲骨を後傾+内転することで僧帽筋の特に下部線維を機能的に使うことが出来ます。
もちろん前鋸筋のWall Slideの流れから、最後に小指を離し僧帽筋も合わせて行って頂いても構いません。

注意点としては、元々肩甲骨の後傾が不足している方は代償的に胸椎を伸展しやすいので、小指を離す前に腹部に力を少し入れた状態で、肋骨があまり挙上しないようにして行って下さい。
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壁に背を向け、肩関節を90°外転位から肩甲骨を壁につけることで肩甲骨の内転の動きを維持しながら肩関節を頭上まで外転します。
このエクササイズはシンプルに見えますが、大胸筋や小胸筋が硬く短縮している人は自重でも非常にハードなエクササイズです。
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常に意識は肩甲骨(特に肩関節後面あたり)が壁から離れないようにすることです。
肩甲骨が外転してしまうと肩甲上腕関節の水平伸展が強まり肩関節のストレスが増加するので、もう一度言いますがまずは自重でトライしてください。
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この僧帽筋の機能を改善するエクササイズですが、大切なポイントがもう一つあります。
先ほどの僧帽筋エクササイズでも説明しましたが、肩甲骨の内転や後傾が不足している方ほど肩関節を外転していくと代償的に脊柱が伸展することがあります。

開始姿勢で少し腹部に力を入れた状態でしっかり肩甲骨の内転と後傾を意識して実施してください。


第1部と第2部、どうだったでしょうか?
エクササイズの方法などは静止画では少しわかりにくい部分もあったかもしれません。
今後もTwitterなどで、そこでしか発信していない内容や各関節の運動学や解剖学など、皆さんのトレーニングのヒントを発信していきますので、この記事を読んだ方でフォローされていない方はぜひフォローをよろしくお願いします。
  • 興津 佑亮(おきつ ゆうすけ)
    【所属】
    西淀病院、NexusMotion大阪、MovementSystemLab
    【経歴】
     2007年~現在まで西淀病院 リハビリテーション科にて勤務。急性期から回復期、在宅で整形外科、中枢神経系疾患と様々な臨床現場での経験あり。入職当初より環境に恵まれPNFの学習も続けており。現在はMSIアプローチとPNF等を利用して患者の治療へ応用して実践している。全国でMSIアプローチ講習会を講師、アシスタントとしても活動している。
    【認定資格等】
    ・理学療法士
    ・IPNFA 認定 PNF Basic course 1+2 修了
    ・IPNFA 認定 PNF Advanced course 3 修了
    ・Diagnosis And Treatment Of Movement System Syndromes Introduction to Concepts and Applications.(導入編コースを現地で修了)
    ・Diagnosis And Treatment Of Movement System Syndromes Upper Quarter Advanced Applications.(応用編上肢コースを現地で修了)