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アーノルドへ怒涛の9ヵ月!ビキニアスリート サンキン・サチ (2/2)

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掲載日:2015.06.05

TEAM BOMBSHELL


TEAM BOMBSHELLのコーチであり、IFBBプロのERIKAと


私は昨年サチ選手が立った3度の舞台のすべてを観てきたが、緊張と要領を得ていない8月のオールジャパン。2度目の舞台で笑顔を見せる余裕ができた9月末のベストボディ、そして11月にはベストシェイプで髪型からメイク、身のこなしにいたるまで、ビックリするほどの進化が目に見えたUSBB。

これほどの短期間に、回数を重ねるごとに大幅にインプルーブをしてくるサチ選手。そこには何か秘訣があるのだろうと思っていたが、現在、本場アメリカを拠点にする女子限定のフィットネスチームの一員になっていて、専属のコーチから徹底的に指導を受けているということだ。

そのチームの名前はTEAM BOMBSHELL。元フィギュアの選手SHANNON DEYが代表となって、一般の人に対するダイエット指導から選手養成までの指導を行っている。現在、アメリカのフィギュアやビキニのトップ選手の多くはこのBOMBSHELLに所属しているとのことで、IFBBプロを昨年32名、一昨年38名輩出し、Ms. Bikini Olympia チャンピオン 2名IFBB Bikini International チャンピオン 2名も所属する米フィットネス業界のエリート集団だ。

昨年11月に入って一気にそこからポージングを練習したという。全身写真や動画を送ると、コーチ陣がどの部分を強化すべきなどを的確にアドバイスしてくれる。それぞれの選手の個性を生かし、最も美しく映るやり方を細かく指示してくれる。

日本にはこのように、トレーニングからポージングまで本格的に指導してくれるシステムはあまり馴染みがないが、フィットネス先進国・アメリカでは当たり前のように、このような指導システムが確立していて、それは選手の側には嬉しいシステムだが、指導者側にとっても、まさにWIN-WINの関係が成立する素晴らしいビジネスモデルであると言えよう。

入会すると担当のコーチが決められて、ダイエット、トレーニング、ポージングすべてに於いて細かなアドバイスをしてくれるのだが、サチ選手の担当は運良くVANESSAというヘッドコーチに当たった。TEAM BOMBSHELL側としても、恐らく初めての日本人であり、サチ選手の情熱の度合いも伝わっているようで、何事においても出来る限りのサポートをしてくれているようだ。

このTEAM BOMBSHELLは日本の競技者にもお勧めしたいところだが、コミュニケーションはもちろんすべて英語なので、英語に自信がない人は要注意であることは伝えておきたい。

アーノルド出場の決断




このように2013年、3本のステージを経験して、TEAM BOMBSHELLの指導もあって、年末の段階では既に、心も体も一流のビキニ・アスリートとしての資質を兼ね備えていたサチ選手。5月にビキニをやると決意してから、わずか半年でそこまで到達したとは驚き以外の何者でもない。2014年からはアメリカの大会に出場すると言うことを聞いていたが、アメリカではシーズンになると毎週のようにコンテストが開催され、その規模は大小様々である。

昨年末、サチ選手から「アーノルドに挑戦してみます」というメールをもらった。それを聞いて、すぐにアーノルドの日程を調べると、2014年の2月末で、残された時間はわずかに約3ヵ月しかなかったのである。アメリカのコンテストを目指すと聞いてはいたが、いきなり世界最高峰であるアーノルドのコンテストに出場するとは考えてもいなかったので、最初はその知らせを懐疑的に思った。

また、アーノルドはIFBBに属するコンテストなので、そもそも出場資格があるのかどうか疑問に思った。なぜなら、日本人が正式なルートでアーノルドなどの海外のコンテストに出場するとなると、そのハードルは決して低いものではないからだ。

IFBB主管の国際大会は世界各国の傘下団体(日本ではJBBF)から選抜、もしくは推薦された者だけが、出場する資格を有することになる。日本ではまだビキニの大会が開かれていないし、ボディフィットネスでも日本チャンピオンになっている訳ではないサチ選手をJBBFが推薦する理由は無いのである。

ところが、サチ選手にはその点、とても有利な状況があったのである。それは、ご主人がアメリカ人で、サチ選手自身、グリーンカード(アメリカ永住権)取得者なので、アメリカ人と同等の扱いを受ける事ができるということなのだ。サチ選手は現在、立場上アメリカNPC所属選手となっているので、アーノルド出場申請も問題なくパスすることができた。

コンテスト当日




2014年のアーノルド・アマチュアのプレジャッジは2月27日に開催された。大会では女子については、フィジーク、フィギュア、フィットネス、ビキニというカテゴリーが存在するが、ビキニの人気は圧倒的で、今回の大会だけでビキニの総出場者数は約300人にのぼった。サチ選手の出場したAクラスは最多人数で65名の出場で、その中から、決勝進出者はわずかに10名のみという狭き門であった。

いよいよプレジャッジが開始された。10名ごとにステージに登場してポーズをとっていく、私はサチ選手を知っていて、今回最も注目している選手だったので、すぐにその姿を確認することができ、他の選手と比較しても良い位置にいるのではないかと感じていた。特に持ち前の細いウエストは参加選手中最も細いのではないかと感じていた。やや緊張の面持ちはあったものの、スムーズなポージング、アピールの仕方など、どれをとっても良い出来映えであった。

しかし、全体で65名。そして10名ごとのプレジャッジは予想以上にスピーディーな進行で、慎重に比較をしながらの審査はできないのではないかと感じていた。もちろんジャッジはサチ選手の事を知る人はいないので、あの中から10名決勝進出者になるのは、至難の業であるだろうと直感してしまった。

結果はその予想通り、結局サチ選手がファイナルに進むことは無かった。サチ選手曰く、舞台から見ていても、ジャッジの視線が自分に来ることがほとんどなかったとのことで、やはり回数を重ねてジャッジに顔と名前を覚えてもらうということが、今後必要になってくるのであろう。

とにもかくにも、日本人として初めて夢舞台に立った経験は、大きな自信になり今後の活動に多大な影響をもたらす貴重な体験であったことは間違いない。

夢のゴールはまだこれから


日本に戻って、今後の活動予定を聞いてみた。
今年はとにかくアメリカで、カリフォルニアを中心に、コンテストには出られるだけ出て、顔を売っていきたいとのこと。そしてどこかの大会で優勝して、IFBBプロの資格を取ることを目標としている。そして、IFBBプロになることができたとしても、その称号を得ることをゴールとせず、プロのコンテストそのものに参戦することを目標としているということだ。

そして今年、アメリカでやれるだけのことをやって、最終的には日本に戻ってそのスキルを日本に還元していきたいとのこと。ビキニを中心に、日本でフィットネスの文化をもっと広めるための活動をしていきたいと考えている。

今や日本人としてビキニのパイオニア的存在となったサチ選手。世界デビューの場をあえてアーノルドという最も大きなステージにしたその行動力は特筆すべきものである。頭の中に投影されている理想の姿。それを現実のものにするために今後も彼女は走り続けるのであろう

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Text & Photo :
Yasu Nakajima
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 001 ]

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