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加圧トレーニングと治療

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掲載日:2018.07.30
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

前回は「トレーニング強度が上がると痛みが出る部位①②③④」をコラムで書きました。
今回はその中でも触れた「加圧トレーニングと治療」について、私が加圧スペシャルインストラクターとして現場で実践している事を含めて説明致します。

①加圧トレーニングとは

「加圧トレーニング」の発明者である佐藤義昭先生は、ボディビルにあこがれて中学生の頃からトレーニングを続けていました。当時は専門のジムもなかったので方法は自己流。試行錯誤を繰り返す毎日でした。

ある法事の席でのことです。お経を聞きながら長時間正座していたため、足がしびれてきました。しびれを和らげる為にマッサージをしてみたところ、その時のふくらはぎの張り具合が、トレーニングを行って「追い込んだ」時に非常に似ていたのです。

佐藤先生は、その時の自分の足はどんな状態なのかを検証していきました。「トレーニングをしている時も正座をしている時も、血行が悪くなっている。 ということは、血流を悪くすれば、人工的にハードなトレーニングをした状態を作り出せるのではないか」 このひらめきから、加圧トレーニングは誕生したのです。

その後は、いかにして血流を制限するか、どの程度の圧力を加えるべきなのかなど、何度もトライ&エラーを繰り返しました。誰でも実践できるトレーニングにするには、方法を確立するのと同時に、安全性も確保しなくてはならなかったからです。

そうして、45年以上の歳月を費やした試行錯誤と研究の結果、現在の加圧トレーニングが生まれたのです。また、より広範囲な分野に、加圧トレーニングが応用できる可能性も広がってきています。

②加圧トレーニングと理論とメカニズム

加圧トレーニングとは「適切に血流を制限した状態で行うトレーニング方法」のことです。
専用の加圧器具を使用して、腕の付け根(上腕二頭筋の基部)や脚の付け根(大腿部の基部)に各個人に合った適切な圧を掛けながら、目的に合ったトレーニングや運動を行います。
① 加圧前
血流末梢抵抗値=1.0
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② 加圧時①
血流末梢抵抗値=〜1.7

血流の動脈側を程よく制限し、静脈側を強めに制限することで、腕・脚に血液が多く滞留し、普段は使わない毛細血管にまで血液が流れるようになります。
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③ 加圧時②
血流末梢抵抗値=〜1.7

加圧トレーニングを行うと、負荷が軽くても筋繊維の動員率が高まり、さらに酸素不足となることで血液中の乳酸濃度が急激に上昇します。加圧時に高まった乳酸が筋肉内にある受容体を刺激して、脳下垂体から成長ホルモンの分泌を促進させます。
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④ 徐圧後
血流末梢抵抗値=〜0.6

増加した成長ホルモンは体脂肪を燃焼させ、遊離脂肪酸として血中に放出します。さらに、体内を循環した成長ホルモンは、身体組成の様々な働きに効果的な影響を及ぼします。
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まとめ

今回は加圧トレーニングの基礎の理論とメカニズムについて説明をしました。
毛細血管の発達、成長ホルモンの大量分泌などは、加圧トレーニングの効果として期待できるで、コンテスト前の最後の一絞りに加圧トレーニングを加えるのもお勧めします。

次回は具体的なトレーニングや治療について進めて行きます(^ー^)
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝