【街ジム訪問】前オーナー佐々木隆氏から引き継いだ「体道」 大森ボディビルセンター(大森トレーニングセンター)#2
デザイナー出身! 異色のJBBF一級公認指導員
(北岡)そうなんです。私の前のオーナーの佐々木隆氏は私の同級生のお父さんで、私が師匠と仰ぐ人です。彼の考え方に共感していて、今、大森ボディビルセンターで会員の方にお伝えしていることも師匠から受け継いだ考え方が多いのです。
もちろん、自分なりの考えも取り入れて、よりわかりやすいように改良し続けていますが。
私は家も近かったし、子供の頃はよくこのジムを遊び場のようにして過ごしていたんです。師匠と話をして育っていくうちに、いつかこの人のようになりたい、同じような道を進みたいと思うようになりました。
でも私は何もできるものがないと感じていて、一緒に何かをしたいなどと口にすることはできなかったのです。
将来のことを考えたときに、やりたいと思うことを仕事にしたいと思っていました。好きなのは絵を描くことと音楽。そして、あるデザイナーの講師の方のお話を聞く機会があり「この世の中にあるものすべてデザインされていないものはない」という話を聞きました。
「なるほど!」と思いました。
洋服や靴もそうですし、電車のつり革も今座っている椅子も人が住む家も、すべて人が考えてデザインされているんだということに気づかされました。「世の中で必要とされているのはデザインだ」と思ったんですね。
それでデザインの道に進んだのですが、何日も徹夜が続く激務で体をこわすことになってしまいました。仕事を続けることが難しくなり、再び頼ったのが佐々木氏でした。
「これからどうしよう……」と。
そのとき師匠が「体を作るのもデザインだよ。君がやりたいことと一緒だとは思わないか。人に感謝される素晴らしい仕事だよ!やる気があるなら、ここで私が持っているノウハウをすべて教えてあげるよ」という言葉をかけてくれたんです。
迷いはありませんでした。一緒に仕事がしたいと思っていたことが叶うんですから。
毎日、大森ボディイビルセンターに通い、体を鍛え始めました。私は中学・高校と6年間水泳部に所属して、ある程度トレーニングを経験していたつもりだったのですが、ここで体を作り始めてわずか3ヶ月でみるみると体が変わっていくのを感じました。
「今までなんて効率の悪いトレーニングをしていたんだろう」と思いましたね。そこで師匠からトレーニングの基礎を1から学び、トレーナーの資格を取って経験を積んだのです。
北岡健太郎さんがリスペクトしている、前オーナー佐々木隆氏
大森ボディビルセンターを作った前オーナー 佐々木 隆 氏
(北岡)師匠はもともと理容師で、その世界ではトップに上り詰めました。今の天皇陛下が皇太子時代に散髪をさせていただいたこともあるそうです。
理容をはじめとする事業家として歩み、司法試験に合格して法律相談をしたり、印刷会社を経営したり、数々の事業を展開し成功を収めたあとも、全てを手放して再スタートしてみたり、なんでもゼロからスタートして、次々と社会的な成功を収めていった人でした。
そんな彼も昭和30年頃、仕事が忙しく体力もめっきりと落ちてしまっていたときに「ボディビルという健康になるスポーツがある。仕事ばかりではなく、きちんと食事もとって体を作りなさい」とある人から教わり、独学でトレーニング器具もきちんとしたものが無い中、手作りで工夫したりしながら体を作っていったと聞いています。
その後、サンケイ・ボディビルセンターに通い、さらに身体づくりを追求し、精神的にも肉体的にも2廻りも3廻りも大きくなっていくことになります。理論をしっかりと構築する人だったので、彼なりに細胞の活性化やリンパの流れなども勉強して、意識主体を取り入れた独自のメソッドを作り上げていきました。
今は閉鎖されましたが、サンケイ・ボディビルセンターには、あの作家の三島由起夫さんも一時通っていらしたことがあるそうですよ。
ボディビルで得た喜びをみんなにも分けてあげたいと考え、昭和40年代にこのジムを作ったそうです。設立当初から、どんな悩みでも相談に乗るという理念が掲げられて、それが今に繋がっていることにも大きな喜びを感じています。
そして、ボディビルという言葉を広めるべく、強い選手を育てることにも力を注いでいきました。
当時のボディビルのトップクラスは大森ボディビルセンター所属の人たちがズラリと並んでいました。
今日本のボディビル界を引っ張って行っている人達の中にも大森ボディビルセンター出身の方も多いですし、自分もその歴史と理念を継承していく責任を強く胸に抱いて営業しております。
師匠のやり方は、茶道や剣道のように「体動」という言葉を使っていて、外見の体だけでなく厳しいトレーニングを通して強い精神力も育てるという考え方です。
青少年たちの成長にも心を砕き、私が中学〜高校生という多感な年頃の時もこの人には悩みをなんでも話せました。おかげで道を踏み外すこともなく、まっすぐに育ったと思います。
■このジムは着替えの男女別ロッカールームもあり、シューズロッカーもあるので置き靴が出来ますね。
(北岡)シャワーなどの設備もちゃんとあります。フェイスタオルやバスタオルも無料で貸出ししています。
必要に応じて、スポーツシューズやウエアーも無料で貸し出してます。
トレーニングルームの外には、練習後ゆっくり話し会えるように椅子とテーブルがあり、お茶を飲んだり、タバコを吸うこともできます。
医療認定器具として許可を受けている日焼けマシンもあります!
女性の更衣室としても利用可能なタンニングルーム
今ではレア級?! 歴代のトレーニーが使い込んだマシンがずらり、、、
ずらりとバーが並び、その横には見慣れないマシンが、、、
ケーブルクロスオーバーができそうなマシンですが実は、、、
上部の滑車が移動可能で細かい引っ張る方向も調整可能なラットプルダウン。 ワイヤーの位置を変えればローイングも可能に
こちらは、想像できる通りの、、、
スクワットマシン。カーフレイズ等も
?? ベンチが置いてあるということは、、、
プレスマシン。バー位置を下げれば、かなり深めまで下ろすことも可能です。ショルダーシュラッグやアップライトロゥなど、用途は様々。
若いトレーニーは見たことも無いであろうこんなマシンも
垂直式のレッグプレス。力がダイレクに伝わり角度が浅いものよりも効かせることができます。
錆びついているが歴代のトレーニーと同じものを使用していると思うと感慨深いものがあります。
敷居が高いのは入り口だけ、、、地域に根ざしたトレーニングが継続できるジム
実は私も肩こりがひどく、体験コースで指導していただきました。ゴルフクラブを使ったり、バランスボールの上に座ったりしながら、普段は使わないくらい関節を動かして、運動不足の私はあっという間に汗が吹き出てきます。
そうしている間にも北岡トレーナーはトレーニングしている人、一人ひとりに目を配り、「〇〇さん、次は5kgくらいのダンベル持って。上に、そうそう、それ15回やってみてください」と丁寧に指導しています。
マンツーマンではないのですが、放置されるなんてことはありません。マニュアル的なメニューを作って機材の使い方だけを説明して「あとは何かあったら言ってください」的なクラブとは全く違うんです。ちゃんと指導してもらえている、と感じるからこそ通い続けるし、結果を出せるのでしょう。
スタイルが抜群にいい会員の女性にお話を伺ったところ、
「きっかけはお友達に誘われたからなんです。もともとダンスをしていたのですが、こちらに来てみてその友人の体つきが3ヶ月ほどでみるみる変わってきて。だから私も、という気持ちになりました。ハードな運動はしなくても自分に合ったペースでできるのがいいですね」
とおっしゃっていました。 トレーニングはもちろんですが、顔見知りの会員の方とのおしゃべりも楽しいと。楽しみながら通いたくなるジムのようです。
自分のペースで目的を達成したい人、トレーニングしながらお友達の輪を広げたい人、などゆるい目的の方にもオススメのジムです。何よりも前オーナーの佐々木隆氏の理念を受け継ぐ、北岡トレーナーの人柄に惹かれて通う人も多いのでしょうね。
また7割が女性という比率の高さも、街ジムの高い効果や継続性、コスト面でいかに優れているのかを証明しているのかもしれませんね。
【街ジム訪問】 大森ボディビルセンター(大森トレーニングセンター)編
丁寧な指導と抜群の効果。口コミだけで広がり女性会員7割に #1
前オーナー佐々木隆氏から引き継いだ「体道」#2
文:Aya Wada
マシン操作 Model:工藤 巧
大森ボディビルセンター(大森トレーニングセンター)facebook
■住所
東京都 大田区大森北1-36-5 本田ビル5F
(最寄り駅:大森駅、徒歩3分)
■TEL
03-3764-8706
■メール
kentaro828@gmail.com
■営業時間
平日・土曜 10:00~21:00
日曜 10:00~18:00
休館日:火曜日
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