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ハリウッド俳優 ケイン・コスギ スペシャルインタビュー / トレーニングは長く続ける事が大切

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掲載日:2015.06.05


父であるハリウッドスターのショー・コスギの影響で子供の頃から、アクションスターを目指していたケイン。ハードなカラダ作りが高じて、テレビ番組「筋肉番付」、「スポーツマンNo.1決定戦」そして「SASUKE」などでは、プロアスリート並みの運動能力を発揮し、幾多の伝説を作ってきたケイン。

そんなケインも40歳となり、俳優として円熟期を迎えつつあり、現在はハリウッド映画を中心に活動している。既にアクションスターとしての地位を確立しつつあるケインではあるが、さらに進化したアクションをこなすために、日々のトレーニングと食生活の管理を怠ることはない。

50歳になったときも、今と同じように動けるカラダで、アクションを自分で演じられる俳優でいたい。様々なトレーニングにチャレンジしてきたケインから、トレーニングを志す人たちへのアドバイスは「トレーニングは長く続ける事が大切」。シンプルな言葉ではあるが、トレーニングの神髄を付く言葉でもある。

本年3月28日からはハリウッド映画「ニンジャ・アベンジャーズ」が日本で公開される。欧米各国で絶賛を浴びたケインの格闘技ファイトに大注目である。



— 本日はトレーニングに関する事を中心にいろいろとお聞かせ願います。
はい、お願いします。昔、中学生から高校生くらいの時、ボディビルにとても憧れていました。その頃はまだアメリカに住んでいて、自分の身体はすごく細かったからシュワルツェネッガーの身体に憧れて、毎月ボディビル雑誌を買っていました。ガリガリだったから、自分の顔の写真を切り抜いて、ボディビルダーの写真に貼ったりしていました。

中学生くらいの時、いろんなトレーニング方法とか、筋肉に対してはこういう種目でやった方がいいとか、かなり考えていました。でも、まだ中学生だったからなかなか筋肉は付かなかったですね。

— その頃からウェイトトレーニングをやっていたのですか?
はい、軽くやっていました。中学・高校の部活でスポーツはアメフトとバスケをやっていたので、その補強として普通にベンチプレスとかやっていました。アメリカでアメフトをやっていた頃はチームの中で一番小さかったです。アメリカ人の体格はもうヤバイですね。ボブサップみたいな人がゴロゴロいます(笑)。

そして、本格的にトレーニングを始めたのは18歳の時、日本に来てからです。その頃からアクションスターになりたかったから、きちんと鍛えて、見せる筋肉を付けることもそうだし、動けるカラダ、怪我をしにくいカラダをつくることを目的にやっていました。

— 日本に来られてからどのような形でトレーニングを行いましたか?
最初は自分で基本的なベンチプレスとかチンニングとか、よく雑誌に載っているような基本のトレーニングをやっていました。筋肉番付に出るようになった頃からは、そこではプロの選手たちと戦わなければいけないので、自分だけのトレーニングだと限界があると思い、トレーナーをつけて、様々なトレーニングをやっていました。

— あの頃、筋肉番付ではアスリートの人達と対等に戦うというか、勝っていた訳ですが、そのためのトレーニングをしていたのですか?
そうです。例えばサスケだとサスケ用のトレーニングをしていました。サスケの場合、クライミング系の種目が多く、第1ステージ、第2ステージでは瞬発系が多いので、それをクリアするためには身体が軽い方がいいので、ウェイトを少し落としてクライミング用のトレーニングばかりやっていました。

お正月にスポーツ選手と戦うときはパワー系が多かったので、筋肉を増やしてパワーを付けて、あとは走ったり、ダッシュしたり…、もちろんダッシュとかはプロの選手に勝てないので、ダイビングの技術を磨き、なるべく低くとか、いろいろ練習しました。

体脂肪4%まで絞り込むために




— そういう時は指導者の方がいらしたのですか?
はい。指導してもらっていました。今までいろいろなトレーナーを付けてきました。自分一人でトレーニングする時もあるのですが、どうしても自分に甘い時がありますよね。自分が疲れて、あーやりたくないとか…そういう状態がすごく嫌です。

それを考えると、やっぱりトレーナーをつけて、モチベーションを上げて思いっきりやった方がいい。ボクは元々結構負けず嫌いなので、トレーナーをつけると、「これ10回とか、20回やってくださいとか言われた時、20回ちょうどだと自分が負けた気がするから、根性で21回やったりして、21回やれた時は自分で「勝った!!」みたいにゲーム感覚でやります。ずっと同じトレーニングをやり続けると飽きてしまうし、カラダへの刺激もなくなるから、どんどんいろんなことにチャレンジして自分との戦いを敢えてする、それはやっぱり強くなりたいから。

— 今もずっと継続してウェイトトレーニングをやっていますか?
そうですね。映画とか作品によってカラダを変えたりしています。
2年前は、今度日本でも公開する「ニンジャ・アベンジャーズ」の撮影がありましたが、相手の主役の方はスコット・アドキンスというイギリス人の結構有名なアクション俳優で、昔から良く知っていたんですけど、とにかく筋肉が凄いんです。それだと、筋肉をそこまでボリュームつけることは厳しいので、なるべくカットを出そうと2ヵ月間にわたり、週5回、3時間のトレーニングをして、コアトレーニング、動きのトレーニングメインで、ダイエットもかなり厳しく3週間から1ヵ月で72㎏、体脂肪4%まで絞り込みました。

ちなみに筋肉番付の時は76〜77㎏でしたが、今度また3月に別の映画の撮影があるので、カットも必要だけど、72〜73㎏まで絞るとちょっと細めに見えるので、今はボリュームをつけて76㎏です。
最終的には76㎏で体脂肪5%くらいで、筋肉とカットを出したいので、先月と今月は少し重いウェイトを扱い、それプラス、サーキットトレーニングをします。そして、来月はジャンプ系とかの動きを入れながらがメインです。

— 結構たくさんのバリエーションのトレーニングを行っているんですね。
そうですね。今までいろいろ挑戦してみました。加圧トレーニングとかも。いろいろ挑戦してトライして、自分に合ったトレーニングをやり込んでいくのがいいですね。

ハードな撮影で痩せてしまう




— 今は映画がメインですが、撮影はどのくらいの期間がかかるのですか?
2〜3ヵ月こもりっきりで、特にアクション映画は毎日毎日ハードで、カラダを見せるシーンがあったら、それは最初の方に撮りたいですね。なぜなら撮影中はなかなかトレーニングもできないし、食事もきちんとできないので、どんどん細くなっていきますから(笑)。

— 今度はタイで撮影とお聞きしましたが。
タイに行ったら食事は大変だし、トレーニングも難しいと思います。カラダを絞ってカットを出す必要があって、食事だけだとなかなか難しい時はマルチビタミンとかグルコサミン、そしてプロテインなど、サプリメントを摂るようにしています。それから、もちろんリポビタンDも飲んでいます。タイにはなんと、タイバージョンがあって、現地でも人気があるんです。

— 今の生活のベースは日本ですか?
はい。ベースは日本です。日本にいる時に集中的にトレーニングするというパターンになっています。今は特に映画の準備期間なので、しっかりトレーニング時間を確保するようにしています。ほとんど毎日ストレッチは1時間しています。やっぱりアクションとかする中で、カラダは柔らかい方がいいですし、怪我の予防にもなる。

そして、週4〜5回は外でランニングをします。ジョギングとか、ダッシュ系、400mもたまに走っています。筋肉のカットを出すにはダッシュ系とか400mを走るのがいちばんいいですね。

— 最近はハリウッド中心の活動となっているのですか?
そうです。ここ3年くらい、ハリウッド中心です。やっぱり英語がいちばん話しやすいし、世界のアクション映画はやはりアメリカがいちばん。たまに中国や香港の映画からのオファーもくることはあります。

ケイン・コスギ氏 出演作品


ニンジャ・アベンジャーズ
2015年3月28日(土)ロードショー!!
「エクスペンダブルズ」シリーズの製作者が贈るケイン・コスギとスコット・アドキンスのダブル主演作。
日本とタイを舞台に妻子を殺された影の消耗品軍団(ニンジャ)の壮絶な復讐を描くノンストップ・バトルアクション。ケイン VS アドキンスのクライマックスの格闘技ファイトは欧米各国で絶賛を浴びている。権威あるアメリカの「アクション・エリート賞」で年間最優秀ベスト・アクション映画賞受賞。
ニンジャ・アベンジャーズ 公式サイト


TEKKEN 2 KAZUYA'S REVENGE
ケインのハリウッド映画、単独初主演作。
ニコラス・ケイジ主演作「ゴーストライダー」シリーズを手がける米クリスタルスカイ社が製作する「TEKKEN」シリーズの第2弾!! 全米で2014年8月DVDリリースされた

MAXX
日米泰合作・ハリウッド映画
ケイン・コスギ主演プロジェクト映画(2015年作品)
本年3月よりクランクイン



ケインの普段の食生活についてなど...続きは PHYSIQUE MAGAZEINE 005号をチェック!

  • ケイン・コスギ
    1974年10月11日生まれ。アメリカ・ロサンゼルス出身。
    父ショー・コスギに1歳半から武道を習い始め、日本空手・剣道・柔道・古武道・テコンドー・中国武術とあらゆる武道に携わる。スポーツエンターテインメント番組TBS「筋肉番付」で好評を博し、2004年、CX「すぽると!」ではキャスターにも挑戦。
    さわやかな青年のキャラクターを活かし、NHK教育TV「英語であそぼ」や2004年からNHK教育TVの新番組「からだであそぼ」にメインレギュラーとして出演し、「ポンキッキーズ」に続く子ども番組やテレビ朝日「はぐれ刑事純情派」などに出演し、幅広いファン層に支持されている。
    現在多数のCMや、ドラマ、映画等で活躍中。2007年から本格的にハリウッド・アジア映画界に進出し、2014年、ハリウッド映画「TEKKEN 2:KAZUYA’S REVENGE」に主役として抜擢される。
    ケイン・コスギにとってハリウッド映画での単独初主演作品となり、最新作「MAXX」で世界を舞台に更なる飛躍が注目される。

Photo :
Akasaka Tomohiro
ヘアメイク :
浅井昭彦
スタイリスト:
片山彰乃
衣装提供:
Reebok
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 005 ]

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