マシーントレーニングが最良だと言えない理由
掲載日:2015.10.02
マシーン(一般的にユニットが組まれ、何種目もトレーニングができて、重さの部分が差しピンなどの調節によりワンタッチで変えられるもの)によるトレーニングとフリーウエイト(パーベル、ダンベル、鉄アレイなどの重量物を用いて行う)トレーニングとでは、筋力を向上させる上ではどちらが効果的なのでしょうか。
実際はそれぞれに特徴があり、一概にどちらが良いということを判断することは難しいのですが、私たちは以下のように考えています。そういう話は、多く聞くと思います。
まず筋力トレーニングは、機械や用具を使用して行う方法と、自己の体重やパートナーの体重を利用し、パートナーが徒手による抵抗を加えて行う方法とに大別されています。
さらに、用具を使用して行う方法は、「マシーントレーニング」と「フリーウエイトトレーニング」として分類されます。一般的には、フリーウエイトトレーニングで高められた筋力は、スポーツ競技の場で使用される筋力発揮のパターンに近いため、競技力向上をねらいとした場合のトレーニング方法として適しているといわれています。
これに対して一般的なマシーントレーニングは、固定された直線状を動作するので、バランスを取る筋肉などの動員が少なく、リハビリや高齢者などの筋力向上に過しているといえます。
このような理由から、筋力強化運動は、フリーウエイトで行い、ケガをした当初のリハビリトレーニングは、マシーンで行う、というように実施者の状況や目的に合わせた選定をするということが効率的であるといえます。
以下に、フリーウエイトトレーニングの代表的な特徴(長所、短所)を示してみます。
フリーウエイ卜トレーニングの長所と短所
長所
① どの方向にも自由に負荷(重量)が扱える。
②運動動作中、体が固定されず、バランスをとりながら実施するので、スポーツの競技中使われる筋力発揮、筋コントロールのパターンや、日常的な動作に近い動きとなる。
③負荷(重量)の小刻みな調節が可能である(最低500g)
④負荷(重量)を下降から拳上にもっていく動作(カウンタームーヴメントという)において、筋肉に適度な筋ダメージを与えるため爆発的な筋力が獲得できる。
⑤用具の値段が安価である。
⑥用具を収納でき、動作中もあまり広いスペースを必要としない。
⑦一つの用具(例えばパーベル1セット)で、多くの種目を実施できるので何セットか用具があれば、多人数でバラエティーな種目を一度に実施できる。
短所
①負荷(重量)の挙上位置や下降スピードを間違えると、筋肉や関節、靭帯などを痛めることがある。
②多くの場合、重量物を手に持って直接動作するので、ふざけた振る舞いを行ったり、集中力を欠くと重量物落下などの危険の可能性がある。
③用具において見た目の豪華さがないので、特に初心者のトレーニング意欲を喚起しにくい。
④ケガをして最初のリハビリトレーニングや中高齢者ではじめての運動をする場合、筋力不足や筋コントロールに不慣れなことが原因で(技術的な原因で)、負荷(重量)を上下する動作中、正しい軌道位置から外れやすく、筋肉や関節、靭帯などを痛めることがある。
その他のこともあげられますが、以上がフリーウエイトトレーニングの代表的な長所(利点)と短所(欠点)です。このことから、フリーウエイトトレーニングを実施する場合、長所(利点)を最大限に発揮し、短所(欠点)を最小限に抑える方法として、個人の体力と筋力に合わせた負荷(重量)設定、体幹固定フォームと呼吸方法、挙上下降位置と正しい動作軌道、適切なスピードやテンポ、などということを意識して行うことが重要になってきます。
一方マシーントレーニングの代表的な特徴(長所、短所)を示してみますが、おおよそフリーウエイトの特徴と反対のことがいえると思います。
マシーントレーニングの長所と短所
長所
①ほとんどのマシーンの動作軌道が固定されているので、リハビリトレーニングや初心者が指導を受けることなく実施しても高負荷を使用しない限り、動作そのもので筋肉や関節、靭帯などを痛めることが少ない。
②動作をする位置と、持ち上げる負荷(多くの場合プレートのウエイトスタック)が離れたところにあり、重量の落下によるケガが少ない。
③用具に見た目の豪華さがあり、特に初心者のトレーニング意欲を喚起しやすい。
④いろんな種目に熟練していなくてもトレーニングを実施できる。
短所
①身体も、動作する軌道も固定された状態で運動を実施するマシーンが多く、その点、日常動作やスポーツの競技中にその様な動作が行われることは少ない。
②軌道が固定された場合、動作中にバランスをとる必要がなく、運動に参加する筋肉が少なくなる。
③カウンタームーヴメントが発生しないマシーンが殆どである。
④1台1種目に使用が限定されているものが多い。
⑤アシストトレーニング(補助者を利用したトレーニング)が実施しにくい。
⑥用具を収納できないし、多種目に対応するマシーンを設置した場合、広いスペースを必要とする。
⑦負荷(重量)の小刻みな調節ができない。
⑧用具の値段が高価である。
⑨極端な身長差(体重差に適応していない場合が多い。(身長180cm以上の男子や、身長の低い女子の場合)
以上のようなことが、マシーンの長所(利点)、短所(欠点)としてあげられます。このように列記した上で総合的に考慮すると、現状では、バラエティーさが要求されるスポーツ選手の筋力強化運動には、正しい方法(動作、負荷設定)で実施するならば、フリーウエイトトレーニングの方がより適しているといえるでしょう。
ここで述べたいポイン卜
1.高価なマシーンで行うトレー二ングのみが、最高に効果的であると思うのは間違い。
2.今のところ、正しくフリーウエイトを使用したトレー二ングにかなうものはないようである。(シンプルイズベスト)
3.ただしフリーウエイ卜を使用する場合、注意しながら実施する。
4.マシーントレーニンク、は初心者のトレー二ングやリハビリ運動としては優れている。
1.高価なマシーンで行うトレー二ングのみが、最高に効果的であると思うのは間違い。
2.今のところ、正しくフリーウエイトを使用したトレー二ングにかなうものはないようである。(シンプルイズベスト)
3.ただしフリーウエイ卜を使用する場合、注意しながら実施する。
4.マシーントレーニンク、は初心者のトレー二ングやリハビリ運動としては優れている。
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