筋トレ初心者向け!BIG3の基本的なトレーニング方法<スクワット編>
掲載日:2016.03.29
私たちの分野では、人間の体を動かす最も基本となる、立ち上がる(スクワット)、「押す」、または支える(ベンチプレス)、「引く」、または、「つかまる」(デッドリフトorリフトアップ)を三大筋群(それぞれ脚部/胸部/背部)の運動、または種目を3大種目といい、トレーニングの基本として必ず実施するようにしています。
今回は、この3大種目の「スクワット」の解説から行ないます。
スクワット(狙いとする筋肉−大腿四頭筋全体)
動作に使用する主な筋肉
大腿四頭筋、脊柱起立筋、大殿筋
大腿四頭筋を鍛える代表的な種目です。走る、急なストッピング、立ち上がる、跳ぶ(ジャンプ)、蹴る(キック)など、大腿四頭筋の緊張と連動して使用される筋肉も含めて、効率よくトレーニングする種目です。
呼吸
挙上しながら(立ち上がるとき)息を吐き、下降しながら(しゃがみ込むとき)息を吸います。
シャフ卜の握りと担ぐ位置
オーバーグ、リップで肩幅よりやや広く左右対称に握り、首の後ろの僧帽筋に担ぐ(よく初心者では第七頚椎の突起あたりに載せる場合がありますが、痛さがある上にバランスも良くないのですすめられません)。
テンポ
1、2、3のリズムで下降し一旦静止。1、2のリズムで挙上します。
フォーム
スクワットラックを使用した場合、シャフトを肩幅よりやや広く左右対称に握り、シャフトの真下に入り首の後ろの僧帽筋に担ぐ。背スジを伸ばしてラックから外し、摺足で1、2歩下がりもう一度立幅を調整確認し、前を向いて胸を張り、動作を開始する。
立幅は、腰幅よりやや広く構えます。動作中は、背すじを真っ直ぐにした姿勢で、膝を極端に突き出さないようにし、担いでいる重量と体のバランスを取るように、上体を前方に傾けるようにしゃがんでいきます(動作中の前傾はあくまで自然に傾く程度とします。後ろに低い椅子があり、それに腰掛けるイメージをします)。
動作が完了したら、摺足でラックの近くまで進み、背スジを伸ばしてスクワットをするように膝を曲げ静かにラックにバーベルを掛けます。
代表的に起こりやすい、悪い例
① 膝を痛めるスクワッ卜その1(膝を内側に絞る)
正面から見て、膝を内側に絞る(内側に向ける)と内転筋などを使用するので拳上しやすくなりますが、膝関節にひねりが入るため、関節内の靭帯や半月版、内外側副靭帯、筋肉の停止腿などを痛める原因になります。
特に筋力の弱い女子や、成長期の男子にこの傾向がみられますので注意しましょう。
② 膝を痛めるスクワッ卜その2(膝が前に出過ぎる)
横から見て、膝が前に出すぎた(結果的に踵が浮く)状態で行うと、大腿四頭筋の膝周りに負荷が集中し、痛める原因になります。
なお、動作中に横から見た膝位置は、屈曲したときにつま先の少し前(約5cm程度以内)になるか、あまり出ないように意識すれば修正されます。
また、アキレス躍が硬く柔軟性の無い選手は、このようなフォームとなることがあります。
③ 腰を痛めやすいスクワッ卜(上体が前傾する)
脚の動作(膝の曲げ具合と膝を出す方向)は正しいが、前傾した動作でのスクワットは、重量の多くを腰で支えているので脊柱の負担が増えることと、腰部の動作範囲が大きくなることがあって、腰部の故障の原因となります。
また、大腿四頭筋への負荷が弱くなり、脚部に対するトレーニング効果も低くなります。
バーベルを担ぐ前の段階で、何も持たずに自重だけでしゃがみ方(ヒンズースクワット)の練習をすることで、スムーズな導入が可能になります。
「スクワット」は単純な種目と思いがちですが、動作時のスタンス幅の「狭い」「広い」また、膝を曲げる角度が「大きい」「小さい」とかいうバリエーションによって、トレーニング効果の違いがあります。機会があればこのことも詳しく述べてみたいと思います。
また初心者の場合、動作のスタンス幅を、基本スタンスから外れない程度の許容範囲で、どのくらいにしたら一番自分にとって「安定するのか」「スムーズに動作しやすいのか」という点をあらかじめ調べる必要があるでしょう。
なぜならば意外と柔軟性と動作は密接な関係にあるからです。しかし、どのような理由があっても基本から大きく外れる立ち幅は論外です。
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