筋トレのセット数はどのように決めるべきか?
掲載日:2016.02.24
私たちは、初心者などトレーニング、実施期間が1年未満の選手を対象とする場合、1種目についてベーシックに合計「5セット程度」は実施するよう指導しています。ただし腹筋種目、リスト(手首)、ネック(頚部)、カーフ(下腿三頭筋)などを「除く」トレーニング種目があくまで対象です。
また、スクワットは50%の重量を実施する前に、自重だけで(無負荷)軽く30回程度アップを行ないますし、気温が低いときはそのセット数も増加させるようにしています。扱う重量が増えれば以下で説明しているアップセットの%増加割合を小刻みに行なうので、したがって合計6セット以上となります。
では、前記のベーシックな場合の説明をしていきましょう。
下記の5セットの内訳は、前半の1、2セットを「ウォーミングアップセット」(短く言う場合は=アップセット)と呼び、3、4、5セットを「本トレーニングセット」(短く言う場合は=本セット)という言い方をします。ここでRM(限界回数)まで実施していきますので、アップセットはそれまでの準備運動的役割として実施し、本セットからがトレーニングと考えて下さい。
実際に「筋力」を向上させる目的で行なわれる「70%のトレーニング」の内容を見て説明をすすめて行きますが、実施する前に選手個人の推定(計算上の)1RM(最大筋力)が、何kgになるか調査する(5-15RMの範囲で)必要があります。
ここでは、仮に最大筋力=1RM=60kg=100%としています。
例題や計算問題で学んだように、「70%のトレーニング」の場合、
①1セット目は、最大筋力(100%)に対する割合は、共通で
・50%=30.0kg×10回
②2セット目は、本セット70%と50%の中間の割合である
・60%=36kg与35.0kg(2.5kgの倍数)
③3セット目以降は、
・70%=42kg与42.5kg(2.5kgの倍数)となります。
以上の算出結果をまとめると【表2】のようなトレーニングにまとめられます。網掛けの部分が実施部分です。
【表2】
設定重量の4、5セット目に、「前セットで調整」とあるのは、3セット目のRM回数を実施してみた結果、42.5kgで13RMに近ければ、次の本セットを同重量で実施した場合、13RMを下回ることになり13〜17RMの範囲にならないので、-2.5kg下げた40kgで実施するという意味で重量を記入していません。
このように本セットが70%の指定があるメニューの場合、扱う重量を調整して実施上の判断回数のRMをキープするようにします。
各セットのインターバル(休息タイム)は60秒〜90秒程度ですが、スクワットやベンチプレスなどの大筋群を行なう場合、使用筋肉のインパクト割合が高いことと酸素消費量が多いことなどの理由から、90秒〜120秒あるいは180秒程度の、本セットのインターバル(休息タイム)を取るようにします。
しかし初心者の場合は扱い重量が低いということと、こちらの記事で説明しましたRMの深さ(心理的限界)が浅いので、90秒程度で充分といえます。
このように一つの種目を1セット行なう毎に、インターバル(休息タイム)を取りながら、目的のセット数をやり遂げた後、次の種目を同じように実施していく方法をセット法とよんでいて、特にトレーニング導入初期に用いる実施方法です。
実際に1日で行なうメニューを提示すると以下のようになります。
5種目を選定したトレーニングメニューの例
1.ベンチプレス(大胸筋)70%トレーニング=本セット(3セット)
2.バーベルカール(上腕ニ頭筋)80%トレーニング=本セット(3セット)
3.フロントプレス(三角筋)70%トレーニング=本セット(3セット)
4.スクワット(大腿四頭筋)70%トレーニング=本セット(3セット)
5.シットアップ(腹直筋)70% トレーニング=本セット(3セット)
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