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トレーニーが陥りやすい、5つの非効率的なトレーニング方法とは?

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掲載日:2016.03.11


プラトーに突き当たってしまったり、思うような効果が得られないといったことは、しばしば起こります。というのも、ボディビルのトレーニングは他のスポーツに比べ、根拠のない神話に満ちているからです。

どこか際立った部分をもつボディビルダーに、どうやってそんなサイズにしたのかを尋ねたことがありますか?答えは多分曖昧で、他の平均的質素の持ち主には適用できないものでしょう。

その方法は、もともとその部分がすばらしい、いわば素質のある者にはいいかもしれませんが、あなたは効果がないかもしれないのです。

ですから、科学に基づいた正しい方法でトレーニングを行う必要があるのです。誤ったトレーニングをしてもなお成長するのは、遺伝的に恵まれたものだけです。あなたが僕の様であるならば(平均的素質の持ち主)、正しくトレーニングをしないう限り、体は発達しません。

非効率的なトレーニング方法をいくつか述べてみましょう。しかし、これらは筋発達にいいと考えられ、よく使われているものです。

(1)ハイレップス
ハイレップス・トレーニングは、ボディビルダーの狙うもの、つまりⅡbタイプの速筋の動員を引き起こしません。ハイレップス・トレーニングは、筋肥大というよりも、Ⅱaタイプの線維を通じて、筋肉の耐久性を高めるものです。

ハイレップス・トレーニングが筋成長を促すと主張するボディビルダーも多くいますが、このタイプのトレーニングは、筋細胞中の筋形質を一時的に拡張するだけです。

筋形質が拡張することにより、一時的に、カリウム、マグネシウムといったミネラルやグリコーゲンが筋肉に溜め込まれてしまいますが、著しい成長は起きません。こういった、筋肉中の液体貯溜は、アナボリック。ステロイドによっても起こります。

(2)スーパーセット
スーパーセットとは、あるエクササイズを行った後に、休憩をほとんどか、あるいは全く取らずに別のエクササイズを行うことで、これは筋肉をよりハードに仕上げようとするボディビルダー達が使っているトレーニング方法です。

スーパーセットの例としては、例えば胸の場合ですと、インクラインダンベルプレスを行ったすぐ後にケーブルクロスオーナーを行う、といった感じになります。

僕個人の意見を述べるならば、スーパーセットはあまりお勧めしません。なぜなら、ボディビルダーが筋量を増やすため、または維持するために行うべき1セット辺りのレップ数のうち、最大である12レップスを越えることになるからです。

それに、二つのエクササイズを休憩をはさまず行えば、最初のエクササイズか、もしくは二番目のエクササイズのどちらかで、全力を出し切れなくなります。これでは、筋肉を維持、発達させることはできません。つまり、これ以上のレップはもう行えないという自分の限界までセットを行うこと(6〜12レップスの間で)が、筋発達や筋量維持にとって必要な基本だからです。

あなたのゴールは何か、今一度見直してみて下さい。体脂肪が少なく、しかも筋量がある体がコンテストで勝利を収めます。ですから、脂肪は落とさなければなりませんが、同時にオフシーズンにつけた筋量は維持しなければなりません。

そのために、脂肪を減らすのは、主に食事、それに有酸素運動で行うべきです。そして筋量を維持するためには、やはり筋肉を発達させるような重さのウェイトを扱うことです。

しかし、スーパーセットを行えば、あなたが以前使っていたような重量を扱うことはできなくなるでしょう。それゆえ、筋量を維持することはできなくなり、コンテスト当日には、フラットな状態でステージに立つことになってしまいます。

また、スーパーセットは、心拍数を上げ、より多くのカロリーを燃やすので、あなたのワークアウトをより有酸素運動的にすることになります。しかし、有酸素運動系の運動を行っているアスリート達を見て下さい。皆痩せています!

これはあなたの望む体ではないと思うので、そうするかわりに筋肉を発達させるということをまず第一に頭において、コンテストのその日まで、ヘビーウェイトを扱うように頑張りましょう。

コンテストの前に少しぐらい重量が減っても、それは構いません。しかし、大幅に減るようでしたら、それはオーバートレーニングか、オーバーダイエット、もしくは有酸素運動のしすぎです。

減量中も筋肉を発達・維持させるような重量を扱うよう努め、もし脂肪を燃やすのに有酸素運動が必要だと感じたら、ステーショナリーバイクをこぐか、トレッドミルの上を歩きましょう。無酸素運動(ウェイトトレーニング)を有酸素的にしないことです。

このように、ハードで、しかもハリのある状態でコンテストに挑むためには、ワークアウトの方針は変えないことです。そのかわり、脂肪を落とすためには、じっくりと時間をかけてカロリー調整と適度な有酸素運動を行うことが大切です。

このスーパーセットに代わるものとして、2つの異なる部位(拮抗筋)を4〜10レップスがギリギリできる重量で行う方法が考えられます。

もう一つのよい方法は、同じ部位に対して2つのエクササイズを選びますが、1つのエクササイズを4〜5レップスしかできない重量で行った後、次のエクササイズも4〜5レップスしかできない重量で行うというものです。

これらの方法を用いれば、Ⅱb線維を刺激することができるでしょう。

(3)スローモーション・トレーニング
このタイプのトレーニングでは、通常中くらいの重さのウェイトが使われます。そして、ゆっくりとウェイトを上げ(爆発的でも加速的でもありません)、エキセントリック部分では、しっかりとコントロールし、10秒くらいかけてウェイトを下ろします。このトレーニング方法が有効でないのは、中程度の重さのウェイトを使用する点です。それはⅡb線維を刺激しませんから。

筋肉は一般的に、エクササイズのエキセントリック部分ではコンセントリック部分(リフティング・パート)に比べ、50%強いものです。ですから、より良い方法は、なんとかして上げた重量よりも50%重いウェイトを下ろすようにすることなのです。

理想的には4〜10レップスしか上がらないような非常に重いウェイトを上げ、それよりも50%重いウェイトを下ろすことです。例えば、あなたが200ポンド(90kg)でベンチプレスを行うとしたら、300ポンド(135kg)で下ろしてくればいいのです。

ライフサイクルで有名なライフフィットネス社では、この原理を生かしたマシンを作っています。また、この原理は、プリーチャーカール、レッグ・エクステンション、レッグ・カールをはじめ、いくつかのエクササイズで使うことができます。

例えば、僕がレッグ・カールを行う時は、自力でできる最大限のところまでやった後、パートナーにウェイトを押させ、できる限りの抵抗を加えてもらい、それに耐えるようにしています。

(4)プレエグゾース卜・トレーニング(事前疲労トレーニング)
このタイプのトレーニングとは、ベーシック・エクササイズ(基本種目/例えばベンチプレスのような)の前に、アシスタンス・エクササイズ(補助種目/例えばケーブルクロスオーバーの様な)を行うものです。

事前疲労の目的は、相助作用的、補助的な筋肉の果たす役割を減らすことにあります。しかし、それは同時にベーシック・エクササイズで必要とされる力をも取り去ってしまうのです。

ベーシック・エクササイズは、運動神経単位と筋肉を最も使うものです。ベーシック・エクササイズこそが最も早く、最も効率的に筋肉を作るのです。ベンチプレスやスクワットの方が、ケーブルクロスオーバーやレッグ・エクステンションなどよりもずっと多くの筋肉を使うのです。

それなのになぜ、ベーシックに劣るエクササイズで筋肉を疲れさせなければならないのでしょう。筋量をつけたいならば、まずベーシック・エクササイズを優先すべきです。それからアシスタンス・エクササイズに移行すればよいでしょう。

(5)ヘビー&ライト・システム
これを、筋肉作りに有効な手段である計画的なサイクル・トレーニングと混同しないで下さい。ヘビー&ライト・システムは、ただの負荷の重い日と軽い日を設けるものです。

この方法は、回復を促進するかもしれませんが、やはり僕は、常にヘビーに、4〜10レップスの範囲で行うのがよいと思います。もちろん、全身が(そのトレーニングに)適応し、調子良く感じる場合の話しですが。

そのためにも、ワークアウトの間には、しっかりと完全な休息を取り、十分に回復させてやらなければなりません。

Ⅱbタイプの速筋線維は、頑固で、拮抗力があります。それらは、なかなか動かしにくいのです。ですから、トレーニーは、4〜10レップスしかできないようなヘビーウェイトで、しかも各レップにおいては、爆発的、加速的動作を用いて、これらの線維を動きに参加させなくてはならないのです。

軽いトレーニングでは、怠け者のⅡb線維を決して動員することはできません。軽いトレーニング、ハイレップスまたは量の多いトレーニングは、Ⅱa線維をターゲットにしたものです。この線維は、筋肥大という点からすれば劣っています。オールアウト・トレーニングのみが、Ⅱb線維を動員し、成長させるのです。

ここで大切なのは、オールアウト・トレーニングは、十分な休息を必要とするということです。たとえジムで100%の努力をしようとしても、疲れていれば成長することはできないでしょう。

一生懸命やっているつもりでも、扱える重量は本来できるはずのものよりも軽く、爆発的挙上や加速のテクニックを行おうにも、その能力は限定されてしまいます。

ヘビートレーニングで成功する鍵は、セット間、およびワークアウト間に、十分な休息を取ることです。ほとんどのトレーニーは、ワークアウト間に十分な休息を取っていません。ですから、成長を引き出すのに十分なだけ、自分を追い込むことができないのです。

事実、ほとんどの者が、量が多く頻繁なワークアウトの結果、オーバートレーニングに陥り、十分ハードにトレーニングできていないのが現状ですから。



  • 究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ 究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック ]

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