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K's式メイントレー二ング!トレーニング内容を変更する場合のやり直し方法

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掲載日:2016.06.08


トレーニング内容を変更する場合


今まで行っていたトレーニングをいったん終了した後に、トレーニング内容を変更する場合のやり直しの方法を紹介します。

方法としては、トレーニング内容を変更しない場合のやり直しとほとんど同じで、セットベストの-10kg、もしくは-20kgからはじめ、セットクリアするごとに2.5kgずつ、もしくは5kgずつ重量上げていくことになります。

ただし、トレーニング内容を変更しないやり直しと違い、新しいトレーニングでのセットベストが分からないため、推定のセットベストを算出してからやり直しを行うことになります。

「そんなのやってみれば分かるだろう?」と思う人もいるでしょう。確かに新しいトレーニングメニューで重量を探りながら1、2回トレーニングすれば、新しいトレーニングでの大体のセットベストは分かります。

しかし、やり直しを行うタイミングというのは調子が悪いときになるため、その状態で新しいトレーニングメニューを行っても本来挙がるはずの重量は挙がりません。

それに、例え調子が良いときに新しいトレーニングメニューを行ったとしても、今まで行っていたトレーニングに体が慣れてしまっているので、そのたった1、2回のトレーニングでは本当のセットベストは分からないのです。

それだったら、わざわざ貴重なトレーニングの時間を、重量を探るためだけに費やすのなら、最初から新しいトレーニングでの推定のセットベストを算出し、すぐにやり直しの期間に入ったほうが良いということになります。

この新しいトレーニングでの推定のセットベストは、今まで行っていたトレーニングのセットベストと、新しく行うトレーニングの回数とセットクリア条件の差を考えて算出します。

例えば、セット内容=8回狙い×2セット、セットクリア条件=2セット8回挙げる、セットベスト=100kgx8回×2セット。このような人が、セット内容=6回狙い×4セット、セットクリア条件=4セット6回挙げる。以上のような内容に更する場合を説明します。

やり直しの方法


まず最初に回数の差を考えます。この場合は8回→6回と回数が2回減ることになり、その2回分重い重量が挙がることになります。あくまで目安としてですが、一般的に5回から9回の範囲であれば1回につき2.5kgの差が出るので、この場合は2.5kg×2回で5kg、100kg+5kgで105kgが6回挙がることになります。

次にセットクリア条件の差を考えます。これもあくまで目安になりますが、セットクリア条件では2セットごとに2.5kgの差が出ます。例えば、「1セット○回挙げる」から「3セット○回挙げる」に変更するのであれば、セットクリア条件に2セット差があるので、2.5kg分だけ難度が上がります。

上の場合では「2セット挙げる」から「4セット挙げる」に変更となり、セットクリア条件に2セットの差が出るので、2.5kg分だけ難度が上がります。

回数の差を考えて+5kg、ことからセットクリア条件の難度が上がることで-2.5kg。100kg+5kg-2.5kgで102.5kg。以上のことから、100kg×8回×2セット=102.5kg×6回×4セット。あくまで目安としてですが、このようになるわけです。

トレーニング内容を変更しない場合のやり直し同様、この推定のセットベスト-10kg、もしくは-20kgの重量から始め、セット数やセットクリア条件の難度を上げたりしながら、やり直しを行います。

トレーニング内容を変更する場合のやり直しと、トレーニング内容を変更しない場合のやり直しの効果はほとんど同じですが、トレーニング内容を変更する場合のやり直しにはそれにプラスして、新しいトレーニングの導入を円滑にするという効果があります。

ずっと記録が伸びていないのに、全くトレーニングメニューを変えようとしない人。このような人を見たことはないでしょうか。そういった人の多くは、同じトレーニングを続けたいと思って続けているわけでなく、他のトレーニングをしようと思ってもうまくいかず、仕方なく同じトレーニングを続けてしまっています。

記録が伸びなくなってきたら誰もがトレーニング内容を変え、新しいトレーニングを試そうとします。ただ、このときにほとんどの人が重量を下げず、重い重量のまま新しいトレーニングを行ってしまいます。

新しいトレーニングを試そうしているときは通常はあまり調子が良くないときで、そのうえ自身が慣れたトレーニングではないため、思い描いているようにトレーニングを進めることができません。

思い描いているようにトレーニングを進めることができず、結果が得られないとなると、「このトレーニングは自分に合ってないのか?」、「前のトレーニングの方が自分に合っている」と考えるようになり、新しいトレーニングに慣れ、そのトレーニングで少しの結果も得ないまま、元のトレーニングに戻してしまいます。

そして、記録も伸びないのに仕方なく同じトレーニングを続けるという悪循環に陥ってしまうのです。

このような悪循環に陥らないためにも、新しいトレーニングを導入する際にはやり直しを行い、軽い重量からしっかりと体を慣らしながらトレーニングを進めていくことになります。

なお、今まで行っていたトレーニングと異なるトレーニングを行うのに、やり直しと呼ぶのはおかしいと思う人もいるかもしれませんが、方法そのものがほとんど同じのため、やり直しと呼んでいます。


K's式メイントレーニングでのやり直し


K's式メイントレーニングでのやり直しの方法


K's式メイントレーニングでのやり直しを簡単に紹介します。

やり直し期間中はセットAは行わず、ウォーミングアップ終了後すぐにセットBのメインセットを行います。重量の設定は通常のやり直しと同じですが、セット数を「規定回数が挙がらなくなるまで」から5セットに変更し、合わせてセットクリア条件も「1セット8回挙げる」から「5セット8回挙げる」に難度を上げ、セットクリアするごとに難度を低くしていきます。

セットベスト重量でセットを組むときにはセットAを普段通り行うようになり、セットBのメイントレーニングのセット数、セットクリア条件も通常のK's式メイントレーニングの方法に戻します。

なお、セットCに関しては、やり直し期間中も通常のK's式メイントレーニングと同じように設定し、通常通り行うようにします。

■やり直し期間のサブセットと補助種目
STEP3のパターン3のように、メインセット後にサブセットを行うようなトレーニングの場合、メインセットと同時にサブセットでもやり直しを行います。(K's式メイントレーニングを除く)重量はメインセットのやり直し同様、サブセットのセットベスト重量(推定でのセットベスト重量)-10kg、もしくは-20kgからはじめますが、セット数やセットクリア条件は通常時のトレーニングと同じに設定します。

補助種目に関しては、やり直し期間中も通常通り行います。やり直し期間中の前半は通常のトレーニングと比べてトレーニングが物足りなく感じる分、どうしても補助種目で頑張りたくなるでしょう。しかし、補助種目で頑強りすぎてしまうと疲労がたまってしまい、やり直しの効果が薄れてしまうため、あくまで通常通り行うようにします。

■やり直しを行ううえでの注意点
やり直しを行ううえでの注意点をいくつかあげたいと思います。

まず、あらかじめ決めた回数が軽く挙がったからといって、それ以上の回数は決して挙げないことです。やり直しを開始したばかりであれば、セットベストよりもはるかに軽い重量を扱うことになり、いくらセット数やセットクリア条件の難度を上げていたとしても、軽くこなせるはずです。

しかし、ここであらかじめ決めた回数以上を挙げてしまうと、やり直しによる疲労の軽減やフォームの改善につながりにくくなってきます。

次に、インターバルを極端に短くしないことです。通常のトレーニングと比べると重量が軽い分、インターバルも短くてすみますが、インターバルを元々10分取っていたのを、いくら重量が軽いからといって3分にするなど、極端に短くしないようにします。

間違っても、「軽い重量でもインターバルを短くすれば筋肉を追い込んでパンプ感を得られる」といったような、ベンチプレスを強くするためのトレーニングからはずれたトレーニングを行わないようにします。

そして、これは当然のことになりますが、セットクリアできた場合だけ、重量を上げるようにします。

■サイクルトレーニングとの違い
K'sジムで行われているやり直しは、一見するとサイクルトレーニングに近いものになっていますが、その大きな違いはトレーニングを行う目的になります。

サイクルトレーニングでは軽い重量からトレーニングを始め、フォームや挙上動作を改善しながら重量を上げていき、最終的にあらかじめ決めておいた日(週)にピークを合わせて記録を更新することを目的にしています。そのため、その日(週)までのトレーニングはほぼ必ずと言っていいほどクリアできる内容となっています。

これに対してやり直しでは、セットベストまでの重量では、セット数を増やしたり、セットクリア条件の難度を上げたりして、あえてクリアしにくい状況を作ります。

つまり、自身が今まで長い時間をかけて少しずつ記録を伸ばし、こなしてきたトレーニングを、さらに難しい状況で文字通りやり直す。やり直すことによって、本来持っているはずの実力を出せるようにすること、その実力をさらに引き上げることを目的としています。

ここで紹介した内容を、「そっくりそのままやれば絶対にベンチプレスが強くなる」と言うつもりはありません。トレーニングというものは、試行錯誤し、自身の求める結果を出すもの、そしてその試行錯誤そのものを楽しむものです。

ここで紹介した内容は、その試行錯誤をする際の手助けとして、多少なりとも役に立つのではないでしょうか。


  • ベンチプレス 基礎から実践 ベンチプレスが誰よりも強くなる(VOL.1)
    平成23年9月1日初版1刷発行
    著者:東坂康司
    監修人:児玉大紀
    発行人:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ ベンチプレス 基礎から実践 ベンチプレスが誰よりも強くなる(VOL.1) ]

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