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オーバートレーニングを防ぐために注意すべきこと

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掲載日:2016.06.24


オーバートレーニングの主な兆候および症状


■その1 ストレングス、またはサイズの減少がみられる場合
筋肉を肥大させるには、オーバーロード(過負荷)ををかけなければなりません。この最もよい方法が、より重いウェイトを挙げることです。

もし、あなたのストレングスが、ベンチプレス、レッグプレス、ベントオーバーロー、デッドリフトといった基本種目で、長い間向上しないとしたら、あなたはオーバートレーニングに陥っていると思っていいでしょう。

セットやレップを増やすことで、ただ単にパンプさせても、筋肉は発達しません。これは99%のトレーニーにあてはまることです。

■その2 ほとんどか、あるいはまったくパンプせず、筋肉がフラットに見える場合
僕がヘビーウェイ卜で、6〜10レップス行った時はいつも筋肉がパンプし、トレーニング後、半日経ってもパンプが続いているように見えます。逆に、トレーニング中、筋肉に血液が集まってこない場合は、オーバートレーニングに陥っているんだな、と分かるのです。

大切なのは、毎回のトレーニングて、よりヘビーなウェイトを扱うことであり、さらに、強く、はちきれんばかりのパンプを得ることなのです。

もし、体調がよくなかったり、パンプが得られなかったりした場合、僕はジムを後にし、その日はトレーニングを休みます。体がついてこないのに、無理にトレーニングしても、カタボリック・プロセス(タンパク異化)が進むだけです。

■その3 刺激物が無性に欲しくなる場合
紅茶やコーヒー、それに朝鮮人参や麻黄といったハーブの中に合まれるカフェインは、ワークアウト前に摂ると、非常に効果があります。集中力、筋収縮が高まるのです。僕もこれらを使うことにより、素晴らしい成果を得ることができました。

しかし、オーバートレーニングの兆候をごまかすために、これらを利用してはいけません。とても疲れているのに、これらで自分を覚醒させて、無理なトレーニングをしないでください。

こういった刺激物は、正しくトレーニングし、それに見合った休息が取れているときにはじめて、ワークアウトを実のあるものにし、筋肉を大きくするのです。カタボリック状態にあるときに刺激物を摂ることは、カタボリック・プロセスに拍車をかけるようなものです。

■その4 やる気に欠ける場合
筋肉をつけるのに良い方法は、コンセントリック(リフテイング)部分てウェイトを爆発的に挙げ、エキセントリック(ネガティブ)部分では、しっかりとコントロールしながら下ろしてくることです。

爆発的な挙上は、モ卜・ニューロンと呼ばれる神経を喚起します。そしてこのニューロンが喚起されればされるほど、より多くの筋線維が使われるのです。

この爆発的な挙上を行うには、やる気が必要です。しかし、カタボリック・ホルモンがたくさん体内を循環している場合には、アグレッシブになることは到底できません。

■その5 ジムに行くのがつらいと感じる場合
僕が知っているコンテストビルダーたちは、皆トレーニングが大好きです。トレーニングが楽しい、というよりもむしろ義務のように感じられる時は、カタボリズム(異化作用)が優勢で、トレーニングするだけ無駄だと思っていいでしょう。

たとえコンテスト前でも、トレーニングを休むこと恐れてはいけません。ワークアウトから110%の成果を引き山すために、しっかりと充電しましょう。


今まで述べてきたように、継続的に筋肉を発達させるためには、カタボリック(筋肉をすり減らすような)ホルモンの分泌を促すようなオーバートレーニングを避けなければなりません。

ところが、オーバートレーニングに陥り、発達が頭打ちになっているボディビルダーの中には、アナボリック・ステロイドに頼ろうとする者がいるのも事実です。彼らは、ドラッグが、カタボリック・ホルモンの分泌を抑えてくれると思っているのです。

しかし、ドラッグは、短期的には効果があるかもしれませんが、結局カタボリック・ホルモンがステロイドに勝って、そのうちドラッグを使っても発達しなくなってしまうでしょう。

ですから、より賢いやり方は、まずオーバートレーニングに陥らないようにすることなのです。

では、オーバートレーニングを防ぎ、筋肉を発達させるために大切なことを4つ、お話しましょう。


オーバートレー二ングを防ぐために注意すべきこと


■その1 休息
運動をしている人は、していない人よりも、たくさん眠らなくてはなりません。眠っている間に、体は回復し、成長するからです。夜は少なくとも8時間の睡眠を取ることをお勧めします。9時間や10時間なら、なお良いですね。

理想的なのは、夜に9時間眠り、ワークアウトの後の、食事をしたら、15〜40分間の仮眠を取ることです。もちろん、調子よく感じられる睡眠時間というのは、人によって異なりますので、これは一応の目安です。

ただ、毎晩同じ時間に寝て、毎朝同じ時間に起きるようにしてください。睡眠パターンを一定に保つことにより、体は成長するからです。

■その2 インテンシティー
ボディビルで使われる、インテンシティーという言葉には、いろいろな意味があります。一般的なのは、どのくらいヘビーにトレーニングするのか、ということですが、同時にどのくらいの頻度で、ということも含まれます。

ボディビルを本格的にやろうとしている人にとって最良なのは、各部位を4〜6日に一度のペースで鍛えることです。それ以上行うと、疲労が積み重なり、たとえ睡眠が十分に取れていたとしても、筋肉を失うことになりかねません。

それに、セット数が多すぎると、ウェイトの軽い重いに関わらず、体の回復力が失われてしまいます。私がナチュラルビルダーである皆さんにおすすめするのは、ヘビーウェイトで6〜10レップス行い、最もヘビーなセットで100%力を出し切ることです。つまり、もうこれ以上は、自力では上がらない、というところまで行うのです。

ただし、セット数を多くこなせばいい、と考えるのはやめてください。それぞれの種目の1セット1セットで自分の力を出し切るのです。

そうすれば、筋肉を刺激し、成長を促したことになります。やたらにセット数を増やしても、体は疲労するだけですし、オーバートレーニングに陥って発達が限られてしまいます。

■その3 ダイエット
アナボリック状態を作り出すためには、適切なインテンシティーと、それに見合った休息、さらに、正しいダイエットが必要です。このうちのどれか一つでも欠ければ、オーバートレーニングに陥る危険が生じます。

まず、大切なのは、十分なカロリーを摂ることです。これが意外と難しいのですが、ウェイトゲインパウダーをうまく使えば、マクロニュートリエンツ(三大栄養素)を効率よく摂ることができます。

そして、ハイ・カーバボハイドレイト(高炭水化物)に、質の良いタンパク質を適度に組み合わせれば、筋肉を作るのに理想的な食事となります。

カーボは、筋肉中にグリコーゲンを補給する、いわば燃料のようなもので、アミノ酸は、さらなる筋発達のための材料といえるでしょう。できれば、ウェイ・プロテイン(乳タンパクの一種)を含むパウダーを探してください。

ウェイ・プロテインは、免疫システムを活性化します。

免疫システムが強くなれば、グルタミン(アミノ酸の一種)の再合成が行われます。グルタミンの値が低ければ、たとえカロリーが十分に満たされていても、筋肉は成長しませんから。

また、ウェイ・プロテインと炭水化物の組み合わせは、筋発達の助けとなるインスリンの分泌を促す最良の方法です。スモール・ミールも、インスリンの値を上げてくれます。何しろ、インスリンは、カタボリック・ホルモンの影響を打ち消してくれるのですから。

■その4 サプリメンテイション
ウェイトゲインパウダーで、筋発達に必要なマクロニュートリエンツを補給する一方、さらにサプリメントを使用することにより、カタボリック・プロセスを阻止することができます。

僕は、プロテインパウダーというのは、非常に優れたサプリメントだと思います。

またオルニシン・アルファ・ケトグルタレイト(OKG)、ブランチド・チェーン・アミノ酸、そしてクレアチンも、数あるサプリメントの中でおすすめできるもので、回復をスピーディーにし、オーバートレーニングのマイナス効果を打ち消してくれます。

しかし、これらのサプリメントが役に立つからといって、休息、インテンシティー、食事をないがしろにしないでください。今まで述べてきた4つの要素が揃ったときに初めて、究極のアナボリック状態が生まれるのですから。

休息や正しい食事を摂らずに、サプリメントに頼るのはやめるべきです。また、たくさん食べることによって疲労を回復させようなどと思わないことです。食べ過ぎた分のカロリーは、脂肪に変わるだけですから。



  • ■究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ 究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック ]

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