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ファンクショナルトレーニングとプラントベースの食事でボディメイク/小田 寛隆 (2/2)

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掲載日:2015.06.05


— 一昨年のスポルテックで行われた第1回のベストボディ大会から出場されていたと思いますが、参加されてどのように感じましたか?
当時はまだアバクロのモデルをやっていて、アバクロ仲間と数人で参加しました。普段からモデルとして自分の肉体を人前に出していたので、かなり自信があったのですが、大会に参加してみて、そのレベルの高さに圧倒されて、何も出来ないまま皆、見事に敗退しました。

今振り返ると、あの時は大会に臨む考え方が全く甘かったです。でも、それからです。その時全く歯が立たなかったことが悔しくてその後は燃えました。それから、日本にもこんなにレベルの高い方々がいるんだなとビックリしました。

日本人も徐々に海外の志向のようにシフトしてきた感があります。今まではトレーニングもしてなく、ただ細ければカッコいいと言われていた感じでしたが、これからはある程度、筋肉がバランス良くついたいわゆるフィジーク的な身体がカッコいいと言われるようになってきたと感じます。

私たちフィットネス業界に関わる者がいろいろな活動をすることにより、もっとこの認識を広めて行きたいと思います。そしてこれはトレーニングに対する意識を変えることにより、日本人の考えもポジティブに変えることができると思います。

私自身、トレーニングを始めて、前向きになり生活にも張りが出てきて、精神的にも強くなりました。それがみんなのライフスタイルに入り込めば、もっと日本は良くなると思いますし、仕事ももっと良くなると思います。そういう意味もあって、日本にもっとフィットネスを浸透させたいと思っています。


プラントベース=植物性たんぱくで身体づくり




— 昨年からファンクショナルトレーニングに切り替えたということですが、今はウェイトトレーニングを全くやってないのですか?
はい、今は全くやっていません。休みの日にトレーニングする場合も公園などに行って自重トレーニングをするような感じです。先にご説明したとおり、Monkey Bar Gymのトレーニング方法がベースとなりPXTが出来ていて、私たちのPXTのモットーはマシンを一切使わないというものです。そして、食事はプラントベースということにこだわっています。

— プラントベースとはどういうことですか?
それは植物性中心ということです。プラントベースの中にビーガンやベジタリアンがあるのです。プラントベース自体は食事の中に植物性のナチュラルな物をメインに置いています、という食事の取り方の事を言います。基本的に動物性のモノからタンパク質はとらない食事法です。

— 植物性タンパクとは具体的に何から摂っているのですか?
今摂取しているのは大豆たんぱく、小麦たんぱくになります。具体的には豆腐、納豆、豆乳、豆類、ナッツ類といった食品です。そして、今日はタンパク質の摂取が足りていないという時は、オーガニックのソイプロテインだったり、小麦プロテインを飲んだりします。

— 小麦プロテインというのはあまり聞きませんが、小麦は炭水化物ではないのですか?
私が飲むのはオーガニック系のアメリカ製品ですが、小麦プロテインというのがあるのです。日本ではあまり一般的ではないですが、小麦にも少量のプロテインが含まれていてそれから作られています。巷では良質のタンパク質は動物性と言われています。ホエイなどは吸収も良いとか。しかし、Monkey Bar Gymは世界で一番健康志向のジムだと言われているくらい健康にこだわりを持っていて、そこではプラントベースが推奨されています。

では、なぜプラントベースかというと、動物性たんぱくには発癌性の懸念だとか身体に良くないものであるのです。日本も戦前は癌での死亡率は低かったのですが、食事が変わってアメリカの食事が入ってきたことにより、癌の死亡率が高くなり、糖尿病患者も増加してきています。アメリカの三大疾患は心臓病、糖尿病、癌と言われていますが、それが日本にもそのままは行ってきてしまっています。その原因は私から断言はできませんが、その主な原因は動物性たんぱくだと言う専門家の方がいらっしゃいます。

私も最初、身体を大きくしようと肉ばかり食べていました。そしてNEXTに入社してから、40代のトレーナーが2人いるのですが、お二人とも身体は綺麗で、健康的ですし、私なんかより数段動けるのです。それを見た時に凄いと思い、正直感動して、それ以降トレーニングも同じ方法でやろうと決意しましたし、お二人の食事がプラントベースだったので、私もそれを真似してみました。

そうすると身体は楽になりましたし、肉を食べていた時は結構、胃もたれなどがあり、その他動悸がしたり、血糖中のコレステロール値、血圧も高めだったのですが、食事を植物性に変えただけで、全部正常値になりました。結果的にプラントベースを半年間続けたことにより、健康を得られたという実感がありますので、健康のコントロールは食事内容が第一だと考えます。

自分の身体を作っているものは、口から食べたものだと思います。現在、基本の食事はプラントベースであって、肉を一切食べないという訳ではありません。やっぱり肉はおいしいので、食べたくなる時もあります。ベジタリアンのような完全な制限ではなく、ストレスを溜めないためにもたまには肉も食べることはあります。自然なものを摂っていると、身体が綺麗になっているような気がしませんか?それというのは知識や認識がある訳ではなく、身体が自然と感じるものだと思います。




— コンテストに出場される際の調整で、どのくらいの体重を落とすのですか?
だいたい1kgくらいです。もともとプラントベースでやっているので、食事内容は変えようにも変えることができないです。しいて挙げるならば米などから摂取する炭水化物の量を多少少なくするという感じです。植物性たんぱくを摂取する際には、そこには多少炭水化物や脂肪もついてきてしまいますが、だからと言って、ササミだけにするとか極端な食事にはしたくはありませんでした。すべてはバランスです。

— トレーニングに話しは戻りますが、これまでウェイト中心に行っていたトレーニングを昨年6月に、ファンクショナルトレーニングに切り替えた、つまりウェイトトレーニングをやらなくするにあたって、不安のようなものはありませんでしたか?
もちろんありました。まわりはみんなウェイトトレーニングをガンガンやって身体作りをしている訳ですから。でも大会に出るからには負けたくないので、自分を信じて、自分が決めたことをやり抜くということが、どんなことでも大事だと思うので、ファンクショナルトレーニングをやり続けました。

ウェイトトレーニング中心にやられている方にも是非、ファンクショナルトレーニングを体験していただき、ある程度やられてから再びウェイトトレーニングに戻って欲しいのです。そうすると今までと違った意識の仕方だったりして、ウェイトトレーニングの効果も上がるかと思います。

— 将来に向けての目標をお聞かせください。
日本でもフィットネスというものをライフスタイルの中に提案したいと思っています。今の日本人は家と職場の往復で、今はその途中に例えばスターバックス等のカフェに立ち寄ることで、そこがサードプレイスと言われていますが、本来のサードプレイスはジムではないのかと思います。自宅でも職場でもない、もう一つの自分の空間の提案がでできたらよいです。日本全体がもっと良くなるためにも、これからフィットネス業界が担う役割は重要で、その中で自分もその環境を作っていきたいと思います。





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  • 小田 寛隆(おだ・ひろたか)
    身長:178cm, 体重:73kg
    職業:NEXT Mitaka Base(※現在「 Body Make Studio 3RD Place) マネージャー兼トレーナー
    趣味:映画鑑賞、読書
    1986年5月19日生まれ
    福岡県出身

GYM :
NEXT Mitaka-Base
TEL.0422-38-8721

※現在「 Body Make Studio 3RD Place (サードプレイス)」
〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-5-8-B1
TEL 0422-60-2286
営業時間 平日 11:00-22:30 土日 10:30-16:30
休館日  毎週水曜日
http://www.bodymakestudio.com/
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 001 ]

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