怪我をしたとき 「冷やす?」 or 「 温める?」 (3/3)
掲載日:2015.06.05
冷湿布や温湿布は本当に温熱、冷却効果をもっているか?
正直なところどちらにも温熱や冷却の効果はあまり期待できないと考えたほうが良さそうです。いわゆる温湿布と言われるものは成分にトウガラシチンキ(カプサイシン)を使用しているため、「温感」を感じるだけで実際に温める作用はありません。冷湿布にはハッカ油(メントール)などが含まれているため「清涼感」を感じる程度で、実際にシップに含まれる水分量で大量の熱を奪い取ることは出来ないと考えられます。お子様の頭をしっかりと冷ましたいなら、おでこにシップではなく氷枕の方がより安全、効果的に行えますのでお勧めです。
また、冷湿布といえども長時間貼り続けると、皮膚からの熱放散を邪魔するために、かえって温度が上昇する可能性がありますので、その観点からもお勧めではありません。但し、痛みの緩和などの効果はあるかもしれませんので、使用する場合には短時間(1〜2時間程度)で貼り替えるなどの工夫をすれば良いでしょう。
安全な冷却法
冷却時の保温
冷却時は全体の体温を奪われないよう保温シートや毛布を使用する。局所のみを冷却することがポイント
それでは最後に実際にどのようにすれば安全に効果的に冷却を行えるのかについて解説しましょう。
まず、冷却する際に考えられる副作用に「凍傷」があります。43℃前後でタンパク質の変性が始まるお話をしましたが、低温においても変性する温度があります。それは0℃を下回った時です。つまり0℃以上で冷却しなくてはならないということです。さらに効果的にとなれば、直接カラダに当てることができて凍傷を起こさない0℃のものが最適でしょう。
実はそれを全てクリアするのが「氷」なのです。自宅の冷凍庫で作った霜のついた氷は通常マイナス7℃前後と言われていますが、時にマイナス20℃になることもあるそうです。これでは0℃を大幅に下回るために使用できません。そこで、氷をザルなどに入れて水洗いすれば、霜が取れて安全な0℃の氷を簡単に作ることができるのです。0℃の氷は解けきるまで0℃より上がりも下がりもしない非常に安定した冷却効果を発揮してくれます。保冷剤などの蓄冷体は温度が一定せず、0℃を下回る可能性もあるため応急的に使うこと以外お勧めはできません。
①氷のう又はビニール袋を2〜3枚用意します。
②氷を水で洗い流して下さい。(霜をとり凍傷を防ぐ)
③氷のう又はビニール袋に氷を入れます。それを患部に直接当てタオル・バンド等でしっかりと固定して下さい。又、冷却中は毛布・厚手のタオル等をかけて全身の防寒に努めてください。
④時間は20分間以上続けて行って下さい。(2分以上で鎮痛効果スタート)
②氷を水で洗い流して下さい。(霜をとり凍傷を防ぐ)
③氷のう又はビニール袋に氷を入れます。それを患部に直接当てタオル・バンド等でしっかりと固定して下さい。又、冷却中は毛布・厚手のタオル等をかけて全身の防寒に努めてください。
④時間は20分間以上続けて行って下さい。(2分以上で鎮痛効果スタート)
繰り返しおこなう場合は、冷却時間と同様のインターバルを置いて行ってください。プレーのインターバル中には筋温を下げすぎずに冷却出来るダイナミックアイシング(クーリング)がおすすめです。これは同じようにして作った氷のうを振動させながら、アイスマッサージのイメージで移動させながら行う方法です。
③についても補足です。ここでご紹介した冷却法はあくまで「局所」のみの冷却であって、全身の冷却ではありません。全身が低温になれば免疫力の低下を起こして風邪などの感染症を引き起こすことも考えられます。繰り返しますが、あくまで「局所」のみです。
③についても補足です。ここでご紹介した冷却法はあくまで「局所」のみの冷却であって、全身の冷却ではありません。全身が低温になれば免疫力の低下を起こして風邪などの感染症を引き起こすことも考えられます。繰り返しますが、あくまで「局所」のみです。
冷却の方法
一度に冷却するのは2箇所まで
冷やしたい場所が複数ある場合も、同時に冷やすのは2箇所程度に止めるとよいでしょう。是非根気よく試してみてください。
今回は身近なものを使って簡単に行えるアイシング&クーリングをご紹介しました。
次回は、関節機能と筋機能の両方を考慮したウォームアップと部位別のセルフケアについてご紹介いたします。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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- MODEL: 好川 菜々(Nana Yoshikawa)
生年月日 1978年6月25日
出身地 大阪府
血液型 AB型
身長 164cm
所属 雅ボクシングジム
タイトル
2005年 第3回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フライ級 準優勝
2006年 第4回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フライ級 優勝
2008年 第6回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会ライトバンダム級 優勝(2階級制覇)
2012年 第10回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会フェザー級 優勝(3階級制覇)
2012年 第7回AIBA世界女子ボクシング選手権フェザー級 ベスト16
戦績
アマチュア:77戦55勝、プロ:1戦1勝
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 001 ]
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