フィジーク・オンライン

人生を豊かにするタンパク質摂取の秘密④

この記事をシェアする

0
掲載日:2021.09.07
記事画像1
フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)

今回は「人生を豊かにするタンパク質摂取の秘密④」の最終回です。テーマはタンパク質と健康です。
タンパク質の役割は、筋肉作りの他にも、骨、臓器、髪、爪、肌、血液、体内のホルモンや各種酵素、免疫物質なども作り、栄養素の運搬も行います。今回はその中でも、骨と髪と神経伝達物質について説明します!

①タンパク質と骨

まず骨の役割ですが、身体の運動の支え・血液を作り・カルシウムをストックさせています。
成長期に骨の先端部分の軟骨細胞に成長ホルモンが働きかけると、軟骨細胞が増殖して骨が伸びます。
この軟骨細胞の材料となるのがタンパク質です。
近年、成長期にスクワットなどの骨長軸方向に負荷をかける運動をすると、骨が伸びると言われています。

骨の材料となるタンパク質が不足すると、骨密度が低下して骨粗鬆症になります。
その予防として、タンパク質と合わせてカルシウムとビタミンDを同時に摂ると腸管でのビタミンDの吸収が良くなり骨を強化します。ビタミンDは日光浴でも生成されますので、1日15分は日の光を浴びましょう。

②タンパク質と髪の毛

髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質です。
食事でタンパク質が不足すると、生命維持に必要な臓器などにタンパク質が運ばれてしまう為、髪に栄養が行きにくくなります。
髪の栄養の為には、タンパク質の摂取と、ビオチン(ビタミンB7)の摂取が大事です。ビオチンは皮膚や髪の毛、粘膜の維持 皮膚炎の原因となるヒスタミンを抑制します。
ビオチンは鳥のレバー、卵黄などに含まれています。

③タンパク質と神経伝達物質

神経伝達物質は心の元とも言われております。主にタンパク質が材料です。今回は大きく分けて5つの神経伝達物質を説明します。

①興奮性伝達物質→ドーパミン、アドレナリン
興奮性伝達物質はドーパミンやアドレナリンです。いわゆる脳のアクセルです。ヤル気を出して集中力を高め、気分を高揚させます。
この元となるのが必須アミノ酸のフェニルアラニンです。フェニルアラニンは牛肉に多いです。
牛肉を食べると、元気になる体感があるのが、このフェニルアラニンにあります。

②抑制性伝達物質→γアミノ酪酸、別名GABAギャバ
抑制性伝達物質はGABAです。これは興奮性とは逆で、脳のブレーキです。興奮を抑えリラックスさせ、ストレスからの緊張を緩和します。無駄な精神の緊張は、余計な筋緊張にも繋がるので、筋肉の回復の為にもトレーニング以外はリラックスしたいところです。
この元となるのが、必須アミノ酸のメチオニンで鶏肉やマグロに多いです。興奮性と抑制性、アクセルとブレーキ、ボケとツッコミを使い分けてくださいねw

③幸福物質→セロトニン
幸福物質のセロトニンは、気分を安定させ、鬱な気分を晴らします。セロトニン不足になると食欲が増すので、ダイエットの大敵です。セロトニンの元となる必須アミノ酸のトリプトファンを豚、牛、卵から摂りましょう。

④タイミング物質→メラトニン
タイミング物質のメラトニンは、昼、夜の時間バランスを取り、生活のリズムを整えて、睡眠を安定させます。質の高い睡眠は筋肉作りの為にも重要です。その元となる必須アミノ酸のトリプトファンを豚、牛、卵から摂りましょう。

⑤記憶物質→アセチルコリン
記憶物質のアセチルコリンは、脳をシャープにし、記憶力や注意力を高めます。特にウェイトトレーニング中は、神経が高ぶる中で、精密なウェイトコントロールが必要なので、脳と筋肉の神経伝達能力は大事です。その元となるフォスファチジルコリンはリン脂質で、卵黄、大豆から摂れます。

まとめ

4話を渡りました「人生を豊かにするタンパク質摂取の秘密」。タンパク質が筋肉作りだけでなく、生活・健康のベースで、タンパク質が不足すると、あらゆるものが満たされなくなり、身体の不調が出ます。
皆さんもこれを機会に、身体に合ったタンパク質食品、ビタミン・ミネラルを見直してみると良いと思います(^-^)
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝